11月10日に中国のSNSであるWeiboで、Huawei製のデスクトップパソコンであるとされる「Huawei MateStation」の情報が相次いでリークされました。リーク情報の中には同機種の実機写真までもが含まれています。
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SoCにはHiSiliconのKunpengプロセッサ
Weiboでリークされた「Huawei MateStation」のものとみられる写真には、Huaweiのロゴが刻まれたデスクトップPCと、そのモニター(同じくHuaweiのロゴが刻まれている)が写っています。
Huaweiは月末に新製品を発表する可能性があり、AMDプロセッサを搭載したデスクトップPCが発表される可能性が高いと報告されています。そのAMDのチップが何なのかはまだ不明ですが、(発表される新製品が)toBチャネル用である可能性があり、複数の構成から選択できると報告されています。23.8インチのモニターも搭載されており、独自のKunpengプロセッサーを搭載しています。
これらの画像を投稿したWeiboユーザーは、同機にAMD製のチップと、Huaweiの子会社であるHiSiliconが開発した独自のチップ「Kunpeng」が搭載される可能性があることを明らかにしました。
このWeibo投稿で言及されている「AMD製のチップ」は、後述の理由からCPUではなく、グラフィック処理のためのGPUであるとみられます。(そもそもKunpengプロセッサ自体が基本的にCPU的な役割をもつプロセッサである)
https://twitter.com/RODENT950/status/1326244578593222657
Twitterの著名なリーカーであるTeme(得米)氏は、Huawei MateStationに搭載されるKunpengプロセッサの詳細を明らかにしました。ここでは7nmプロセスで製造されるKunpeng 9xxシリーズのプロセッサのいずれかのモデルが搭載されるとしています。
なお、このツィートでデスクトップPCと同時発表予定とされている「Huawei MateScreen」というのは、上記の写真にも写っているHuaweiロゴ入りのモニターのことです。
Kunpengプロセッサは既にHuaweiの非常に強力なサーバー向けCPUのシリーズとして、中国国内のIT企業を中心に導入が進んでいます。Huaweiの最終的な目標は(Kunpengシリーズでないにしても)、Huaweiのプロセッサーを消費者の間でのスタンダードにまで成長させることのようです。
WindowsでもHarmony OSでもなく、「UOS」か
先の画像でモニターに表示されていたインターフェイスは少なくともWindowsでは無いようでしたが、Huawei MateStationには、中国国産OSであるUnity Operating System(UOS)が搭載される可能性が高いです。画面の右下にも、うっすらと「UOS」の文字を確認することができます。
初のHuawei製デスクトップPCのOSがWindowsでないことから、Huaweiの独自OSであるHarmony OSの搭載を期待しましたが、それは叶わずということになりました。このことは既にHuawei公式の開発者コミュニティにて「Qingyun W510」という名前のHuawei製デスクトップPCの情報として公になっているということです。
UOSは、WindowsやmacOSのようなアメリカ製のシステムによって制圧されてしまったパソコン向けOSの市場を自国のシステムで置き換えようと、中国政府の全面的な支援のもと開発が進められている純国産のOS(※)です。
Wikipediaなどでは、UOSは現在Kunpengの採用するARMアーキテクチャをサポートしていないと記されていますが、開発側は既にKunpengプロセッサをサポートするUOSのバージョンをリリースしたとアナウンスしています。とはいえ、正式にUOSがARMアーキテクチャ全体をサポートするようになっているわけではなさそうです。(外部リンク:cnTechPost)
※実際は最もメジャーなLinuxディストリビューションのひとつであるDebianをもとにしたDeepin(こちらも中国製)系のOSであるため、完全な独自OSではないが、アメリカ製OSからの脱却を目指すという点でほとんど問題は無いと思われる。
既に情報が明らかになっている類似製品から考える
今年の7月に、香港(四川とも?)在住の人気配信者、二斤啦啦啦啦氏がKunpengプロセッサ及びAMDのRadeon GPUそしてUOSなどを搭載したコンピュータの紹介動画をYouTubeとbilibiliに投稿しています。以上のようにHuawei MateStationとの類似点も非常に多い製品で、何かしらの関係があるのではないかという憶測も飛び交っています。
これは河南省の黄河科技集団によって開発されたもので、Kunpengプロセッサ、そしてUOSをともに搭載したデスクトップPCとしてまだ非常に珍しい製品です。動画で紹介されているスペックは以下のようになっています。
- CPU - HiSilicon Kunpeng 920(7nm)
- GPU - AMD RX550(ボードは中・Yeston製)
- RAM - Kingston DDR4(?) 2666 8GB * 2
- ストレージ - DTST(大唐存储) SSD 256GB
- OS - Unity Operating System
ここでもAMD製のRadeon GPUが搭載されていることから、Huawei MateStationへの搭載が噂されている「AMD製のチップ」も同様にGPUである可能性が高いです。
動画の中でも頻繁に「Designed in China(中国で設計された)」、タイトルにも「国産」と唱えられている通り、このコンピューターには多くの部分で中国企業により開発されたシステムが採用されています。
Huawei MateStation(Qingyun W510)のスペックの噂
現在、Huawei MateStation(Qingyun W510)はKunpeng 920 3211Kプロセッサ(24コア版)をSoCに搭載し、GPUにはHiSilicon Hi1711(ストレージに関連するチップと見られるが詳細は不明)を装備したAMD Radeon 520を採用するとみられています。
RAMは8GBで、ストレージはサムスン製の512GB SSDです。
USBポートを7つ、Type-Cポートを1つ、イーサネット端子、VGA端子などが用意されています
OSについては、実機写真にもうっすらと表示されているようにUOS搭載とする見方が有力ですが、依然Harmony OS搭載とするメディアもあり、真偽は不明です。
また、製造はシャープの親会社でもある、台湾のFoxconnが担うことがわかっています。
Ubuntu載せた方がマシ