Huawei Japanは6月2日、オンラインで日本向けの新製品発表会を開催し、非GMS製品6機種を含む新機種群を日本向けに新規投入することを発表しました。
この記事では、今回発表されたP40シリーズをはじめ、新製品の内容を中心に紹介し、発表会そのものの内容については割愛させていただきます。
目次
Huawei P40 Pro 5G
はじめに発表されたのは、最新P40シリーズのフラッグシップであるP40 Pro 5G。ソニー製の強力なイメージセンサーに、ライカ製の強力なレンズ、そしてHuaweiのこれまた強力なソフトウェアを駆使した他の追随を許さない最高のカメラ性能は皆さんの知っての通りです。P(Photograph)シリーズ自体、元よりカメラ性能に重きをおいた製品として生み出されました。
例えば、夜景モードの作例がこちら。これがスマホで撮れる時代です。作例についてはもう何も言うことはないですよね?
基本的な演算性能に関しては、最新のKirin 990 5Gを搭載し、現時点ではSnapdragon 865やApple A13と並ぶ世界最高水準の性能を誇ります。よほどでなければ性能不足を感じることはないでしょう。当然、モバイル通信は5Gに対応です。加えてWi-Fi 6+にも対応しているとのこと。
非常にレベルの高い端末なだけに、GMS非搭載がとにかく痛い。GMSさえ積まれていれば、向かうところ敵なしでした。
なお日本では、シルバーとブラックの二色のみの展開に。
価格は税込み11万9680円となっています。
・ディスプレイ:6.58インチ有機EL (1200 x 2640px)
・サイズ:158.2 x 72.6 x 9.0mm
・重さ: 209g
・本体色:シルバーフロスト, ブラッシュゴールド, ディープシーブルー, アイスホワイト, ブラック
・OS:Android 10.0
・SoC(チップセット):Hisilicon Kirin 990 5G
・メモリ: 8GB
・ストレージ: 256GB (microSD対応)
・リアカメラ: ToF + 50 + 12 + 40MP (クアッドカメラ)
・インカメラ:ToF + 32MP
・バッテリー容量:4200mAh、40W急速充電, 27Wワイヤレス急速充電, PD対応
・ 、IPX 8, 水面下での使用が可能、イヤホンジャックなし
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既に海外で発表されていたものと同じ詳しいスペック情報については、是非telektlistのスマホ情報ページからご確認ください。
Huawei P40 Lite 5G
続いて発表されたのは、最新のミドルレンジであるP40 Lite 5G。以前日本でも大ヒットした、P20 Lite・P30 Liteの後継機種に当たります。ついにミドルレンジ機種でも5Gに対応する時代がやってきてしまいました。
ミドルレンジといえど、さすがはHuaweiです。カメラ性能には妥協していません。ここで一枚作例をパシャリ。細かく見ればP40 Proには及ばないものの、非常に高いレベルのカメラです。
最新ミドルSocのKirin 820 5Gを搭載していますから、演算性能も満足のいくものになっています。
価格は税込み4万3780円となっています。今までのP Liteシリーズと比べると、比較的高価になっているのではないでしょうか。
P40 Liteも同様に、GMSは非搭載です。
・ディスプレイ:6.5インチ有機EL (1080 x 2400px)
・サイズ:162.3 x 75.0 x 8.6mm
・重さ: 189g
・本体色:クラッシュグリーン, スペースシルバー, ミッドナイトブラック
・OS:Android 10
・SoC(チップセット):Hisilicon Kirin 820 5G
・メモリ: 6GB
・ストレージ: 128GB (microSD対応)
・リアカメラ: 64 + 8 + 2 + 2MP (クアッドカメラ)
・インカメラ:16MP
・バッテリー容量:4000mAh、40W急速充電
・ 、非対応、イヤホンジャックあり
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こちらも、既に海外で発表されていたものと同じ詳しいスペック情報については、是非telektlistのスマホ情報ページからご確認ください。
Huawei P40 Lite E
それからこちらは、ヨーロッパで発表されていたローエンド機種のHuawei P40 Lite Eです。私のリサーチが甘いだけなのでしょうが、この製品が日本に投入されるという噂は聞いていなかったので驚きでした。
もしかしたら、安さの面でP40 Liteよりも売れる端末になっていたかもしれないですね。GMSさえあれば(しつこい)。
カメラ性能もよさげですが、ローエンド帯ですのでここでは置いておくことにします。
SoCはKirin 710Fで、良い性能とも、悪い性能とも言えない程度だと思います。
価格は税込み2万7280円となっています。
・ディスプレイ:6.39インチIPS (720 x 1560px)
・サイズ:159.8 x 76.1 x 8.1mm
・重さ: 176g
・本体色:オーロラブルー, ブラック
・OS:Android 9.0 (Pie)
・SoC(チップセット):Hisilicon Kirin 710F
・メモリ: 4GB
・ストレージ: 64GB (microSD対応)
・リアカメラ: 48 + 8 + 2MP (トリプルカメラ)
・インカメラ:8MP
・バッテリー容量:4000mAh、10W通常充電
・ 、非対応、イヤホンジャックあり
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こちらも、既に海外で発表されていたものと同じ詳しいスペック情報については、是非telektlistのスマホ情報ページからご確認ください。
Huawei FreeBuds 3i
と、こちらはスマホではなく関連アクセサリーの発表になりました。Huawei FreeBuds 3iは、既に日本でも発売中のFreeBuds 3の兄弟機にあたる、アクティブノイズキャンセリングイヤホンです。
オーディオ製品、特にノイズキャンセリング系の製品はカタログスペックだけで語ることはできませんので、細かい紹介は抑えめで。店頭に試しに行きましょう。
カラーはブラック・ホワイトの2つ、価格は税込み1万6280円となっています。
Huawei MateBook X Pro(新型)
今度は、MacBook Proライクなデザインで話題を呼んだMateBook X Proの新型です。Huaweiがスマホ開発で培ってきた技術を活用した、画面占有率91%の超極狭ベゼルが一番の特徴です。
先日、同シリーズのMateBook 13・MateBook D15についても新型が日本で発売されていましたから、ちょうどこのMateBook X Proについても新型の投入が期待されていたところです。
CPUとして、Intelの第十世代Core i7-10510Uが採用されました。この他に、Core i5モデル(同じく第十世代)も用意されているとのこと。また、i7モデルについてはグラフィック用チップとしてNVDIAのMX250も加えて搭載されています。10世代Core iだけでもかなりグラフィック性能は高いと言われていますから、とても良さそうです。
その他は基本的に先代と同じ特徴を踏襲している模様です。
また、Windowsを開発するマイクロソフトは、米国の取引規制の例外規定を申請していますから、スマホとは違ってWindowsを一切問題なく使用することが可能です。今後の情勢の変化があろうと、購入後に急に使えなくなることも9割9分無いと言ってよさそうです。
価格はどちらも税込みで、Core i7 16GB+1TBモデルが26万3780円、Core i5 16+512GBモデルが19万7780円となっています。これだけの製品ですから、流石に高コスパとは言い難い価格設定です。
Huawei MatePad Pro
個人的に今回一番興味があった端末です。こちらもまた、iPad Proライクなデザインが話題を呼んでいる、10.8インチのMatePad Proになります。
MateBook X Proのように、画面占有率が非常に高く、ベゼルは4.9mmの90%。タブレットでは珍しくパンチホール式のインカメラを搭載しているのも特徴です。
専用のM-Pencilはタブレット側面にくっついて充電され、同じく専用の磁気キーボードをつければさながらノートパソコンのようなフォルムになります。iPad Proそっくりです。まあ、Appleはこの後最新のiPad Proでこれとは違うデザインを発表していますけどね。
Huaweiからもまた新しいiPad Pro風のタブレットが出るのでしょうか。
SoCはP40 Proと同じKirin 990で、最高レベルです。なお、中国ではMatePadに5G対応のKirin 990 5Gを搭載したモデルも発表されていましたが、日本ではWi-Fiのみの対応になりました。
価格は全て税込みで、MatePad Pro本体が6万5780円、専用のHuawei Smart Wireless Keyboardが16390円、M-Pencilが1万989円となっています。アクセサリはともかく、タブレット本体はかなり安いのではないでしょうか。
GMSは非搭載です。
・ディスプレイ:10.8インチIPS (1600 x 2560px)
・サイズ:246.0 x 159.0 x 7.2mm
・重さ: 460g
・本体色:グレー, ホワイト, オレンジ, グリーン
・OS:Android 10
・SoC(チップセット):Hisilicon Kirin 990
・メモリ: 6GB / 8GB
・ストレージ: 128GB / 256GB / 512GB (microSD対応)
・リアカメラ: 13MP (LEDフラッシュ)
・インカメラ:8MP
・バッテリー容量:7250mAh、40W急速充電, 15W急速ワイヤレス充電, 7.5Wリバースチャージ
・クアッドスピーカー, 専用スタイラスペン(M-Pencil)・スマートキーボード対応 、非対応、イヤホンジャックなし
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Huawei MatePad・Huawei MatePad T8
先のMatePad Proをフラッグシップとすれば、こちらの2機種はいわばメインストリームになります。(実際、Huaweiもそのように紹介していました。)
MatePadはMatePad Proと比べれば劣る点は多いものの、非常にレベルの高いタブレットです。SoCにミドルハイ級のKirin 810を搭載し、ディスプレイは10.4インチでMatePad Proに迫るベゼル7.9mm、画面占有率84%のベゼルレス。iPad Proと比べればベゼルは同等とも言えます。
M-Pencilにも対応しているので、タブレットとしての要件は余裕で満たします。
こちらはWi-Fiモデルが税込み3万2780円、LTEモデルが税込み3万9800円です。
MatePad T8は、名前の通り8インチの比較的コンパクトなタブレットです。SoCはMediaTek MT8768で、良いとは言えないローエンドタブレットです。動画鑑賞程度なら問題ない...と言いたいところですが、非GMS端末であるためYouTubeアプリのインストールは不可です。
こちらはWi-Fiモデルのみで、税込み1万5290円です。
どちらもGMSは非搭載です。
Huawei Mobile Services(HMS)及びHuawei AppGalleryについて
さて、一部の人にとっては、ここからが本題と言っても過言ではないかもしれません。最後に、Huawei Mobile Services(HMS)とHuawei AppGalleryについての紹介がありました。
米国による規制の影響で、Huaweiとアメリカ企業との取引が難しくなっているのは周知の事実。特にGoogleとの取引が不可能になっていることは、Huaweiのスマホ事業に大きなダメージを与えています。今回発表された6つのスマホ・タブレットは、全てGoogle Mobile Services(GMS)を搭載していません。
GMSにはGoogle検索アプリ、YouTubeアプリなど私達が頻繁に使用するGoogle製アプリに加え、サードパーティー製のアプリも配布されるGoogle Playストアも含まれていますから、これらが利用できなければAndroidスマホそのものの利便性を大きく損ないます。(アプリ開発者目線では他にもGMSに依存する項目が多いようです。)
そのため、最新のHuawei製スマホにはHuawei Mobile Services(HMS)がGMSの代替として搭載されています。今回はHMSの機能の一つ、Google Playストアの代替となるHuawei AppGalleryを中心に紹介されました。
実は、HuaweiはGMS非搭載でもできるだけ日本の市場に馴染めるよう、既に多くの日本製人気アプリをAppGalleryで取り揃えています。
今回Huaweiが紹介したその一例がこちら。TikTok、Operaブラウザなど中国製・中国系の人気アプリが目立つ中で、LINE、楽天市場、メルカリ、ビックカメラ、goo、クックパッド、ナビタイムなど日本製のアプリも沢山見つけることが出来ます。私が日々Google Playストアからインストールして使っているものも多く取り揃えられており、非常に驚きました。Huaweiの本気度が伺えます。
この状況は今後も続いていくでしょうが、今不足しているアプリの問題も時間が解決することになるでしょう。一覧の中にはAmazon・マイクロソフトなどアメリカの巨大IT企業製のアプリも並んでいます。これだけ揃っていても、YouTubeを始めとするGoogle製アプリだけはどうしても配信できないというのが残念です。
フェイスブックもGoogle同様に規制の例外申請を受理されておらず、Facebookアプリ及びInstagramも難しそうです。(これらはAPKファイルを公式でダウンロードできるようですが。)
P40シリーズは量販店・MVNO3社でも発売予定
P40シリーズの発売スケジュール等が発表されました。P40 Pro 5Gは来たる6月12日、P40 Lite、Lite Eはその一週間後である6月19日に発売予定となっています。
注目すべきは表の一番上で、日本のMVNO(格安SIM)三社からの発売が決定していることです。さすがにドコモなどMNOからの発売とはなりませんでしたが、IIJmio、イオンモバイル、エキサイトモバイルのMVNO大手三社からの発売が実現したのは、多くの人が意表を突かれたことでしょう。
また、大手家電量販店での取り扱いも発表されています。これは嬉しいですね。機会があれば是非ともヨドバシカメラに行きたいですね。Mate 30 Pro 5Gの日本版も外出自粛でまだ見れていませんし。
加えて、Amazon、楽天市場、PayPayモールなど各種ECサイトでもいつもどおり発売予定です。
発売記念キャンペーンも豊富
これら新製品の発売を記念したキャンペーン内容も豪華です。
まず、P40 Proの購入者にHuawei Watch GT2eが、P40 Lite及びP40 Lite Eの購入者にHuaei Band 4が、抽選で合計2300名にプレゼントされます。
加えて、今回発表された8製品すべての購入者に対して抽選400名に5000円分の商品券がプレゼントされるということです。
HMSサービスのひとつ、Huawei Mobile Cloudのプレミアム機能も購入者に開放されます。Huawei Mobile Cloudは、Googleドライブのようなクラウドストレージサービスです。
P40 Pro、MatePad Proの購入者には50GBのストレージが1年間無料に、P40 Lite、P40 Lite E、MatePad、MatePad T8の購入者には15GBのストレージが1年間無料に、その他のEMUI 10.0以上を搭載したSIMフリー端末の購入者には5GBのストレージが無料で開放される予定です。
50GBは非常にお得ですが、15GB、はたまた5GBについては各種類似サービスで無料開放されている場合も多く、微妙と言わざるを得ません。
また、P40 Pro・MatePad Pro・MatePadの購入者にはさらにU-NEXTの最大6ヶ月見放題ギフトコードが、P40シリーズ3機種の購入者にはNAVITIMEの1年間のプレミアムメンバーシップがプレゼントされるとのことです。これはかなりお得なのではないでしょうか。
これら2つのアプリは、先のHuawei Mobile Serviceについての発表でも日本のパートナー企業の例としてインタビューが紹介されていました。もし興味があれば、YouTube動画の1:10:30ごろを見てみると良いでしょう。
Huawei Communityでは加湿器のプレゼントキャンペーン(何故に加湿器?)
Huawei Communityでは、発表会の内容にあわせたクイズへの回答で加湿器をプレゼントするキャンペーンを開催しています。YouTubeの発表会動画をみながら用意された質問に回答することで、プレゼントをゲットできるというものです。
まだ締め切っていないようですので、気になる方は応募してみてはいかがでしょうか。
なぜ加湿器なのかは謎です。
Source:Huawei(YouTube)
何か、今回の発表会でHuaweiの覚悟を見た感じする。