2020年に入りグローバルユーザーと中国国内ユーザーに向けたそれぞれのファンコミュニティを突如閉鎖したHTC。ユーザーサポートの役割も果たしていた重要な存在のコミュニティを閉鎖することは、同社のスマートフォン事業撤退という噂を呼びました。
HTCスマホ事業撤退の噂
2017年にはPixelの開発部門をGoogleに売却し、2020年に至るまでスマートフォン部門全体の業績も悪化しています。2019年度のスマートフォン部門の売り上げはそのピーク時と比べると明らかに落ちており、スマートフォン事業撤退という噂が立つのも不思議ではないでしょう。
2019年の終わりにHTC Desire 19sというスマートフォンを発売したものの、新機種の発売ペースは以前よりも格段に落ちています。
また、中国発スタートアップメディア、36krが「HTCが携帯事業から完全撤退か スマホコミュニティを閉鎖」という釣り気味なタイトルの記事を掲載。内容はシンプルに前述のファンコミュニティの閉鎖という出来事でしたが、タイトルと共にHTCのスマホ事業撤退の噂が大きく拡散されました。
しかし、これは全部噂でした。HTCはスマホから撤退しません。
5Gスマートフォンで再度勝負をする
HTCのCEO Yves Maitre氏は、「スマートフォン事業から撤退するめどは今のところなく、2020年も引き続き新型スマートフォンの発売を目指す」と述べました。
同社は2020年のスマートフォン事業の方針について、現在世界的に普及しつつある「5G」に目を向けるとしています。2019年の秋にCEOとして新たに就任したYves Maitre氏は、2020年は台湾マーケットをターゲットに5Gスマートフォンを発表する狙いを宣言しています。
現時点でHTCの5Gスマートフォンに関する情報は分かっていませんが、同社はクアルコムと更に深く協力していく、という話が出ています。HTCがミドルレンジ帯で勝負する場合はSnapdragon 765Gチップセットを搭載した機種、他社と同様にハイエンド帯に挑む場合はSnapdragon 865チップセットを採用するでしょう。
釣り記事を出した36kr・拡散したメディアは反省するべき
結果として、36krの出した釣り記事は他のメディアによってtwitterで大きく拡散されました。本文ではスマホ事業撤退の具体的なソースは一切述べられておらず、予想の根拠も曖昧なものでした。
HTCにとっては大打撃です。これから撤退する、というニュースが拡散されてしまって、多くの人が信じてしまったからです(ほぼ稼働していないHTC日本公式twitterが否定していないのもアレですが)。悪いニュースは嘘か真かに関わらず、ダイレクトに売上に影響します。苦戦しながらも頑張っているメーカーの息の根を釣り記事の作成・拡散で止めるような事はメディアとして行うべきでは無いと思います。
Source: 聯合新聞網
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