新たに登場したOne UI 3.0は、Android 11をベースとしたGalaxy端末に搭載されるカスタムOSです。この記事は最新のOne UI 3.0を実際に使用したレビューとなっており、One UI初期からOne UI 2.5までのバージョンからの変化も記しています。
One UI 3.0は初のAndroid 11ベースのバージョンであるため、One UI 2.0番台と比べると見た目と機能面で大きく変化をしています。一部改悪された点もありますが、全体としては非常に良いソフトウェアに仕上がっている印象を受けました。
目次
変更点まとめ
特徴 | One UI 3.0は最新のAndroid 11ベース |
サムスンはOne UI 3.0でソフトウェアアップデートのサポート向上に積極的 | |
2020年に世界的ベストセラーGalaxy A51は、その三倍以上の価格であるGalaxy Tab S6よりも先にアップデート配信の対象となった | |
ギャラリーアプリ | mp4ファイルのプレビュー表示では、音声をオンにするボタンの位置が従来の左から右へ移動したことで(右利きのユーザーには)かなり便利に |
mp4ファイルのプレビュー表示時に出る「動画を再生」ボタンのサイズが小さくなり不便に | |
各ファイル間にすき間が開いて表示されるように変更 | |
右上に表示されていた「・・・」ボタン(詳細ボタン)が最下部エリアに統合され使いやすく | |
ファイルの編集後は新規ファイルとしてではなく上書き保存される仕様に変更 | |
アプリ内での一つの | |
アプリのトップ画面のUIが変更 | |
通知センター | 見た目が大幅に変化・最初は混乱することもあり |
ボタンの表示可能数が変更 | |
ロック画面 | インディスプレイ指紋センサー搭載機種では指紋センサーのアイコンが変更 |
標準設定の時計は位置が下に移動 | |
ロック画面からのカメラ起動時のアニメーションが変更 | |
パスワード入力画面のUIが大幅変更・ボタンサイズが大きくなり扱いやすく | |
ランチャー系統 | 標準天気ウィジェットに紫外線強度の表示が追加 |
サウンド系のコントロールバーのUIが変更 | |
アプリスイッチャー画面でもホーム画面の壁紙がボケる仕様に | |
アプリスイッチャーはヌルヌルした操作感からキビキビした操作感に・見た目にも臨場感が出る | |
その他 | 設定画面を開くとトップにサムスンアカウント(Galaxyアカウント)情報(名前・メールアドレス・アイコン)が表示されるように |
設定画面の各項目のアイコンのデザイン変更でくっきりとした見た目に | |
バッテリーの設定では使用統計をグラフでチェック可能に | |
ストレージの設定のUIも変更 | |
ビデオエンハンサー機能はアプリ毎に有効化が可能に | |
電話着信時の画面アニメーションの変更・選んだ画像を背景に設定することも可能に |
例として、以上のような変更点があります。
設定画面の見た目は大幅に変更で目新しく
設定画面の見た目はOne UI 3.0のアップデートで大きく変更がされました。最大の変更点となるのはサムスンアカウント(Galaxyアカウント)に登録した名前・メールアドレス・アイコンの三つが設定項目のトップに表示されるようになったことです。
これまではアイコンが右上に小さく表示されるだけで目立ちませんでしたが、設定画面を開くとかならずアカウントのアイコンが目に入るようになります。これはAppleのiOSの設定画面に似たUIとなっており、筆者にとってはうれしい変更点でした。
なお、サムスンアカウントをタップすることで、登録したGalaxyデバイスの確認やサムスンクラウドなどの設定にもアクセスできるようになっています。
ロック画面は時計の位置やパスワード入力画面が新しく
スマホを使用していて目に入る機会も多いロック画面も、見た目が大きく変わった要素の一つです。
これまで左上に表示されていた標準設定の時計ですが、その位置が少し下に移動されたことが目立ちます。また、これはインディスプレイ指紋センサーの搭載機種に限定されますが、指紋認証のアイコンの見た目も変わりました。One UIの指紋認証のアイコンは縦長の形が特徴でしたが、One UI 3.0からは他社のような正円のアイコンになっています。
最近では指紋認証が主流になったことで使う機会が減ったパスワード認証ですが、そのパスワード入力画面も大幅に変更されました。各キーのサイズが大型化し、画面いっぱいに広がったことで片手でも入力がしやすくなりました。
通知センターも細かい部分が変更された
通知や設定関連のボタンをまとめたのが通知センターですが、その見た目も見違えています。
これまではプレーンなバックグラウンドとなっていましたが、One UI 3.0からはこのバックグラウンドがぼかしになりました。通知センターを引き出したとき、バックで起動しているアプリが透けて見えるようになっています。
また、各種ボタンの青いカラーもトーンが変わっており、やや濃いめになっています。
アプリのスイッチャー(切り替え)画面も見た目と操作感が変化
アプリのスイッチャー画面にも変更が加えられました。これまでは平面にアプリが並んでいましたが、One UI 3.0では立体に並ぶようになったのが特徴です。動作はスムーズになったと感じます。
また、ボタンジェスチャではなくスワイプジェスチャを使用している場合、スクリーン下部の左下を左右にスワイプさせることでアプリの切り替えができるようになっています。One UI 2.0番台になり動作が向上し、非常に使いやすかったこの機能ですが、One UI 3.0では廃止されました。
アプリの切り替えをする場合、スクリーン下部の左下をスワイプアップし、一度スイッチャーを出す動作が必要になります。左右へのスワイプでの切り替えが無効化されました。
スワイプジェスチャを多用するユーザーにとってこの変更点は大きな問題となるでしょう。これが筆者がOne UI 3.0へのアップデートをおすすめしない最大の理由です。
ギャラリーアプリは全く別のものにパワーアップ
One UI 3.0になり最も大きな変化を見せたのはギャラリーアプリになるでしょう。ギャラリーアプリのクオリティのすごさこそ筆者がOne UIを高く評価する理由の一つですが、今回のアップデートでも複数の改善が行われました。
ボタン関係は全体的に下部に集約され片手操作性がさらにアップ
One UIの最大の強みといえば、ディスプレイ表示領域の下半分で多くの動作が終結するという点です。つまり片手操作性が他のカスタムOSと比べて非常に高いことが特徴なのです。
これまでにも一部のボタン類は上部に配置されていましたが、ギャラリーアプリではほとんどのボタンが下部にまとめられました。片手でもさらに使いやすくなったことを実感しました。
ファイルの編集後は新規ファイル生成ではなく上書き保存する仕様に
これまではファイルをギャラリーアプリ内のエディタで編集した場合、元のファイルとは別扱いの新規ファイルが生成される仕様でした。そこが変更となり、編集後は元のファイルに上書きされる形で保存がされるようになりました。画像のトリミング後や文字入れ後に、元のファイルを毎回削除する必要がなくなるため便利になりました。
編集後に上部の「保存」では上書き保存、右上の「・・・」から「コピーを保存」をタップすると別ファイルとして保存がされます。特にこだわりがない場合は上書き保存を選ぶのが良いでしょう。
タイル表示でファイル間のすき間ができるように
これまではタイル表示されるファイルらはそれぞれにすき間がなく、びっしりと敷き詰められた見た目となっていました。One UI 3.0ではファイル間に距離が開けられ、視認性が向上した印象を受けます。
これはサムスンによる「ソーシャルディスタンスを取りましょう」という隠されたメッセージなのかもしれません。一方で、格子の幅がここまで太い必要はないのではないかとも筆者は感じました。
サウンドコントロールも片手でやりやすく
サウンドコントロールの際に表示されるバーの位置は右側に寄りました。右側というポジションは右利きのユーザーにとって非常に便利ですが、そうでないユーザーは不便を感じることになるでしょう。
One UI 2.5からOne UI 3.0へはメジャーアップデートというだけあり、大きな変更が多く見られました。2021年に登場したような最新機種を購入する場合を除き、ほとんどのユーザーはOne UI 3.0をアップデートという形で入手することになります。よって、One UI 2.0番台で様子を見るかどうかはユーザーによって変わってくるでしょう。筆者としては今回のアップデートは変化が大きく、インストールを簡単に決めるべきものではないと感じました。
なお、驚くことにサムスンは最新のOne UI 3.1をGalaxy A71 4GなどのようなGalaxy Aシリーズの機種にすでに配信を開始しました。今後多くのGalaxyデバイスがOne UI 3.0はもちろん、One UI 3.1をも受け取ることになるでしょう。
快適です