中古スマホという製品ジャンルは日本をはじめ世界各国で人気を博しており、新興国でも高い品質基準を有する独自の中古スマホ販売網が生まれる等しています。東南アジアでも中古スマホ市場は急激な発展を見せており、それに関しての筆者の所感を今回のコラムにまとめます。
目次
急激に発展するASEAN中古スマホ市場の最新動向
2022年年末にかけては半導体不足などの影響もあってか、ASEAN各国でも中古iPhone相場が上昇し、特にiPhone XとiPhone XRの二機種が人気であったと筆者は観測しています。2023年3月以降は二機種の相場も下がり始め、昨年に比べると手が届きやすい価格帯まで落ち着きました。とは言え、発売から五年以上経つ機種が日本円で25,000円以上で販売されることに驚きを隠せません。
また、外資メーカーが中古スマホ販売プラットフォームやサイトを同地域に持ち込む動きが見られ、一つの市場として整備されつつあります。
COVID-19からCaaSなどの最新トレンドで高まる中古スマホ需要
昨年のトレンドとして、オンライン授業が浸透したことから中低所得家庭では中古タブレットの入手を急ぐ光景が見られました。タブレットの供給不足から中古スマホが代替品としても活用されていたようです。
加え、ASEAN各国ではデリバリーサービスやCaaSが浸透しています。その分野で働くドライバーはスマホを店舗や配達先、乗客とのコミュニケーションに使うため、中古スマホを業務用に購入することもあるようです。
デリバリーサービスでは炎天下で屋外を走り続ける上、バッテリーを酷使するため新品のスマホやiPhoneはまず選ばれにくい背景があります。
新品Androidより中古iPhoneという考え方
近年のASEANで広がっている消費者動向として、新品Androidより中古iPhoneが長く使えると考えられています。ミドルレンジのAndroidを購入する予算がある場合、iPhone XやiPhone XRなどの中古品も視野に入れることが可能です。
最近ではiPhoneの非正規修理業者もASEANの多くの都市に普及し、そのサービスの質も向上しています。また、質の高い中古iPhoneも流通するようになり、修理のしやすさと相まって人気が出ています。
現在のASEANでは中古スマホに対する質の低さなどのマイナスイメージは払しょくされつつあると言えます。これは状態が良く質の高い製品を扱う「まっとうなビジネスをする業者」が増えたことにあるでしょう。
各国の中古スマホ市場の動向
フィリピン
フィリピンは他国に比べても早い時期からiPhone 7やiPhone 8の中古品が新品Androidよりも評価されている印象が筆者にとってあります。もともとアメリカと関係が深いこともあるのか、Apple製品のブランド力はもとより好感度は高いようです。周りの口コミを元に購入判断をする文化も中古iPhoneの早い人気に影響しているでしょう。
グリーンヒルズと呼ばれる場所には中古スマホショップが多く密集していますが、ほとんどがiPhoneを扱っています。経済発展も進むフィリピンでは中古の新型iPhoneも良く売れている風景が見られます。
ラオス
ラオスではまだ外資の中古スマホプラットフォームが参入しておらず、個人経営のショップが販売網を独占しています。従って流通している中古スマホの質は高いとは言えませんが、中古のiPhoneが最近では人気となっています。iPhoneのProモデルは若い女性から人気であり、iPhone 11 ProやiPhone 12 Proなどの中古品は需要がある印象を受けました。
国内の中古スマホの質が高くないことから、近隣国タイで中古スマホが買われることも珍しくありません。
タイ
タイはASEANでも経済発展が著しく、国民の所得も早い速度で伸びていると言えます。バンコクなどの都市部では高校生や大学生は多くがiPhoneを使用しており、Android自体の人気が落ちているようです。一方で新品のiPhoneばかりでなく中古品もMBKなどのショッピングモールで頻繁に売買されています。
保守的な国民性もあるタイでは、「中古スマホは通販でなく実際に店舗で買いたい」という考え方もあるようです。そのためECが普及した今も中古スマホショップは需要があります。
マレーシア
日本の大手キャリアから流れた下取り品のスマホなどが非常に低価格で流通しており、それらはキッズスマホなどの用途で一定の需要があるようです。
また、中華圏でもあるため中華系マレーシア人によるショップは中国本土や香港に独自の供給網があるようです。従って他国に比べると独特なラインナップを取り寄せられることもあります。
他方でCompAsiaという中古スマホ販売サイトが急激に成長しており、個人経営のショップとは段違いの徹底した品質管理が人気の起爆剤となりました。
新品の値上がりにより東南アジアの中古市場は更に活性化するか
iPhoneや中華スマホの新品は値上がり傾向です。結果、東南アジアにおける中古スマホ市場は更なる活性化が見込まれます。加えて日本におけるiPhone製品などの下取り価格の下支えにもなるでしょう。
日本も中古iphoneが大人気だし新品もseが一番売れてるんだよね
新品やナンバリングシリーズすら買えない貧困国に堕とした安倍が憎い