本日、Huaweiから新世代のフラッグシップ機のHuawei P30 Proが正式発表されました。
Huawei P30 ProはSoCがKirin 980でRAM / ROMが8GB / 128GB-512GBなど、フラッグシップ級のスペックなのですが、何よりもカメラ性能がすごいと話題になっています。なぜすごいのか?本当にすごいのか?
今回はそんなP30 Proのカメラのスペックをアマチュアカメラマンの筆者が解説していきます。
この記事はかなり専門的なところまで解説します。基本的なスマホのカメラ性能の読み方はこちらの記事で解説しています。
目次
レンズが4つもついている
Huawei P30 Proはレンズの数がなんと4つもあります。その構成としては、
・メインカメラ:4000万画素、F1.6、1/1.7インチセンサー、35mmフルサイズ換算で27mm相当、最大ISO感度409600、デュアル光学式手ブレ補正
・広角カメラ:2000万画素、F2.2、35mmフルサイズ換算で16mm相当
・望遠カメラ:800万画素、F3.4、35mmフルサイズ換算で125mm相当、デュアル光学式手ブレ補正
・深度測定用ToFセンサー
になります。なお、アウトカメラは例によってあのLeicaの認証を受けています。
この他に、インカメラも3200万画素という高画素カメラを搭載しており、自撮りを頻繁にするユーザーへもカメラ性能で訴えかけています。
最大4000万画素の高解像度
まず、メインカメラが4000万画素である点です。
一眼カメラでも4000*6000の2400万画素が主流である今、4000万画素といえばかなりの高画素になります。光量が豊富な状況下においては高解像度で素晴らしい写真が取れると期待できます。
なお、最近になってXiaomiやUMIDIGIなどからSonyのクアッドベイヤー配列である4800万画素センサーを搭載した機種が多く発表されていますが、Huaweiはそれを下回る4000万画素となっています。一見「解像度で負けてんじゃん」と感じるかもしれませんが、Huaweiはこのカメラセンサーを3年の歳月をかけてセンサーメーカーと共同開発し、様々な機能、工夫を加えています。結果として数値以上にクオリティの高いものに仕上がっています。
共同開発センサーの特徴について、次の項目で詳しく説明します。
センサーがRGBではなくRYB
Huawei P30 Proのメインカメラに採用されているセンサーは通常のRGB配列ではなく、グリーンの代わりにイエローを採用したRYB配列になっています。Huaweiいわく、これにより最大で40%も多く光を取り入れることができるようになりました。
確かに人間の目はRGBの光を認識していますが、カメラで同じ3色にする必要は全くありません。波長の間隔でバランスの取れるRYBを採用したのは合理的です。
なお、このセンサーを製造したメーカーは非公表です。まあおそらくSonyでしょうね。
最高ISO感度がISO 409600
Huawei P30 Proのメインカメラの最大ISO感度はなんとISO409600です。
センサー配列をRYBにしたことで多くの光を取り込めることで、暗いところでもノイズの少ない明るい写真を撮ることができます。
筆者が持っているフルサイズ一眼カメラの最大ISO感度は102400です。これの4倍もあります!
engadgetより
Huaweiは、P30 Proの発表時に、メインカメラの性能が良いので天の川の撮影もできるとアピールしています。
これらの写真を比較すると、確かにP30 Proできれいに撮れていますが、比較対象のスマホと露出設定が違うのでそりゃあそうだといった結果になっています。iPhoneはハードウェアの制約上なのか、1/4秒以上で撮影できませんが、Galaxyでは問題なくできるはずです。どうせなら同じ設定で撮影した画像を使って比較してほしかったです。
最大35mmフルサイズ換算で125mm相当の超望遠レンズ
次は望遠カメラに関してです。
Huawei P30 Proの望遠カメラは35mmフルサイズ換算でなんと125mm相当です。望遠レンズはかなり空間を取るため、プリズムを通して横にカメラを設置しています。
125mmは、標準的なスマホカメラ(25mm)の5倍の数値なので、5倍ズーム相当になります。一方で、Huawei P30 Proの広角カメラは16mm相当なので、8倍ズーム相当になります。
月みたいなコントラストの高い画像はキレイに撮れるはずですですが、50倍ズームで風景などの写真はきついと思います。
Huaweiいわく、最大で1343mm相当・約50倍ズームができるようです。しかし、望遠カメラは800万画素なので、そこから10倍のデジタルズームをすると、たったの8万画素相当になります。1343mm時にはだいたい200*400の8万画素というクソみたいな解像度でしょう。
Kirin 980を使った画像処理である程度補正されるかもしれませんが、それでも最大ズーム時の写真は微妙だと思います。デジタルズームなしで考えたほうが良さそうですね。
また、この望遠レンズはF値が3.4と暗めになっています。F値自体が焦点距離÷レンズの直径なので、望遠レンズでFが小さくなるのは仕方ないことです。しかし、望遠カメラであり、Fが小さくて暗いため、いくら光学式手ぶれ補正があっても手ブレには気をつけなければならないでしょう。
TOFセンサー+Kirin 980による背景ボケの処理
Huawei P30 ProはTOFセンサー(Time of Flight)を搭載しています。これは深度測定用のカメラであり、このカメラ自体で写真撮影することはないですが、これを使って背景ボケを作ります。
発表会のときのスライド。Gizmodoより
TOFセンサーとAI機能を強化したKirin 980の組み合わせで、背景ボケがキレイに処理することができます。人の髪など境界があいまいで処理が難しい部分でもP30 Proは違和感なくぼかせています。
まとめ:そりゃDxOスコアが112になるわ
P30 Proはカメラの客観的評価をするDxO Bencmarkで112ポイントという評価を受けました。これは、次点のMate 20 Pro、P20 Pro、Galaxy S10 Plusの109点から3点高いスコアになっています。
この記事で紹介した様々な工夫があるため、こりゃあDxOで112点という高評価になるわという感想です。
Huawei P30 Proで撮影された作例は公式サイトにも何個か載っているので興味があったら覗いてみて下さい。(著作権の関係でこのサイトには載せません。)
その他スペック・価格
その他のスペックとしては、SoCが従来からある7nmプロセス、オクタコアのKirin 980で、RAMは8GB、ROMは128 / 256 / 512 GBの3種類あります。
ディスプレイは6.47インチの有機ELであり、解像度は2340*1080となっています。短い方の辺の解像度が1080ピクセルと少ないですが、その一方でディスプレイ内指紋認証や水滴ノッチの搭載、左右がほぼ完全なベゼルレスなど、様々な機能が搭載されています。
その他の特徴としては、IP68相当の防塵防滴であることや、4200mAhの大容量バッテリーを搭載していること、ナノメモリーカードで容量を拡張することができることがあります。
Huawei P30 Proの価格は約13万円からになります。去年はDocomoからP20 Proが発売されたので、今年もDocomoから発売されることが期待できそうです。
P30 Proのスペック概要表
基本スペック | |
---|---|
ディスプレイ | 6.47インチ, 1080 x 2340, 有機ELディスプレイ, 398ppi |
サイズ | 158 x 73.4 x 8.4mm, 192g |
システム | |
OS | Android 9.0 (Pie) |
Soc | Hisilicon Kirin 980 |
CPU | Cortex-A76(2.6GHz) x2 & Cortex-A76(1.92GHz) x4 & Cortex-A55 x4 8コア, 2.6 GHz |
メモリ(RAM) | 6GB / 8GB |
ストレージ | 128GB / 256GB / 512GB, sd_card microSD最大NMカード256GBまでSIM2スロットを使用 |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 40 + 20 + 8 + TOFMP, F値/1.6, OIS(光学手ぶれ補正), デュアルトーンLEDフラッシュ, PDAF, クアトロカメラ, 5x光学ズーム |
メインカメラ特徴 | camera |
前面カメラ | camera_front 32MP, F値/2.0 |
センサ類 | 指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス, 顔認証ロック, 色彩波長センサ |
機能 | 防水 IPX 8, 水面下での使用が可能, イヤホンジャック なし |
その他特徴 | 40W急速充電(30分で70%充電可能), 15W急速ワイヤレス充電 |
バッテリー | battery_charging_fullType-C 1.0, 4200mAh |
Source : Huawei
凄いのは半分事実なのでしょうが
一眼レフで撮った写真をHuaweiスマホで撮ったと虚偽の広告出してたりベンチマーク偽装したりスパイ行為したりで信用がゼロです。
安いから目新しさで私も買ってましたけど
これまでの嘘だらけの言動で自らを台無しにしてますね…