vivoから新たに発表された、現行機種に採用されているFuntouch OSに代わるカスタムOSとして登場が予定されているOriginOS。まだ開発段階であるため、2021年から早速ベータテストが一部機種で行われることになっており、2022年ごろから正式版が利用可能になる予想です。
Funtouch OSは人によって評価が分かれているのが実情ですが、OriginOSはこれまでのAndroidベースのカスタムOSの中でもすごいものになるという期待がされています。この記事では新登場のOriginOSがどんなものか、そしてこの先どのような影響を与えていくのかまとめています。
目次
OriginOSのベータ版配信予定機種(中国版限定)
はじめに今回発表されたOriginOSのベータ版が配信される対象となっている機種を確認します。現時点では中国版の機種のみがベータテストの対象となっており、グローバル版への配信予定はありません。ただし、日本のユーザーの多くはグローバル版ではなく中国版を所有していると予想されるため、早かれ遅かれOriginOSを試す機会に恵まれるでしょう。
vivoとiQOOの両方のスマートフォンに配信される予定になっており、どちらも当然ながら発売時期の新しく価格帯が上の機種が優先されたスケジュールとなっています。今回のベータテストの機種の選定となった優先順位は、正式版の配信の際にもそのまま引き継がれる可能性が高いと見られます。
※正式版のOriginOSリリースはまだ未発表のため、まだまだ詳しい情報がはっきりしていないのが現状です。
2021年1月31日までに配信予定の機種(第一回小規模ベータテスト受付12月10日終了)
vivo | vivo X50, vivo X50 Pro, vivo X50 Pro+, vivo S7, vivo NEX 3S |
iQOO | iQOO, iQOO Neo3, iQOO 3, iQOO 5, iQOO 5 Pro, iQOO Pro |
2021年春節(2月)までに配信予定の機種
vivo | vivo NEX 3/NEX 3 5G , vivo X30, vivo X30 Pro |
iQOO | iQOO Neo Snapdragon 855 Edition, iQOO Neo |
2021年Q2までに配信予定の機種
vivo | vivo X27 Pro, vivo X27, vivo S6, vivo Z6, vivo Z5i, vivo S1, vivo Z5, vivo Z5x, vivo NEX Dual, vivo NEX S, vivo NEX |
iQOO | iQOO Z1x, iQOO Z1, |
Source: Weibo
iOSライクなインターフェースを特徴にカスタマイズ性はAndroidとして自由度を向上か
OriginOSですが、vivo公式からは主にホーム画面周りの改善が強く押されています。先ず、iOSのような一貫性のあるパネルスタイルのウィジェットが多数標準で搭載されるもようです。これらのウィジェットとホームランチャーでの操作性というのがすごく、ユーザーの思うとおりにウィジェットのサイズ調整や配置、機能のカスタマイズなどができるということです。
コンセプトとして、ホーム画面から多くの動作が完結できるものという印象を受けます。
アプリアイコンをタップし、そこから操作をするというのがスマートフォンですが、OriginOSではウィジェットを一つのアプリとして設計し、そこから思う操作に直結できるのが特徴になると予想できます。これはiOSの3Dタッチに似ています。Android由来のウィジェットというものを、より機能的かつデザイン性に富んだものにvivoは変えようとしているのでしょう。
また、ディスプレイ枠部分の360度方向からタッチジェスチャーを自由にカスタマイズができるようになるとも判明しています。エッジディスプレイ搭載の機種では非常に便利になるでしょう。
標準で搭載される予定のこの壁紙は、時間に合わせて花が変化していくデザインのようです。
そのほか、ホーム画面から壁紙の細かいカスタマイズもできるようになることが分かっています。
悪名高いFuntouch OSへ別れを告げる時が来るだろう
現行のvivo製品には、同社のAndroidベースのカスタムOSであるFuntouch OSが搭載されています。これまでもメジャーアップデートを何度も行ってきましたが、OPPOのColor OSやサムスンのOne UI、OnePlusのOxygen OS/HydrogenOSなどのカスタムOSに比べるとユーザーからの評判が悪いのは事実です。
これはColor OSやMIUIなどにも言えることですが、アプリ通知が正確に表示されなかったり、vivoアカウントの要求、iOSに似せたことで逆に使いにくくなったインターフェース(ショートカットセンターなど)、純正ランチャーの操作性、一部に使用されているデザイン性の低いフォント、デフォルト設定アプリの変更の難しさなどが理由でした。日本語で使用する場合のフォントの相性は多くのユーザーから指摘がありますが、やはりvivoは日本で販売をしていないメーカーのため仕方ない部分はありそうです。
まだ正式版がリリースされていないことに加え、レビューなども一切ありませんが、OriginOSの発表内容からは「vivoのFuntouch OSの汚名返上の意思」のようなものを強く感じられます。Funtouch OSでダメだった点がどれほどまでに改善されているかは未知数です。この先のベータテストの結果を踏まえて完成度を上げて正式なリリースをすることも、もちろん期待できるでしょう。一つ確実に言えるのは、「OriginOSはガジェットマニアに再びかつてのJelly BeanやKit Katの頃のようなAndroidを触る楽しさを教えてくれるであろう」ということです。
これまでのvivoスマホの価値を上げるポテンシャルがある
これは筆者の持論になりますが、スマートフォンやパソコンなどの電子製品はOSのクオリティが大きくその価値に影響すると見ています。iPhoneシリーズはその高い価格設定にマイナスな意見もありますが、iOSは表面的な原価に含まれることのないiPhoneの心髄です。
今回のOriginOSの登場は、これまでFuntouch OSによって過小評価されてきたvivoのスマートフォンの評価を改めて見直す機会になるでしょう。そして、やや大げさですが、それらの実質的な価値を上げる要因となる可能性も十分にあり得ます。vivo製品のハードウェアスペックにそのソフトウェアのレベルが追いつくということが起こるのです。
事実としてスマートフォンの流通価格は新品と中古を問わずソフトウェアのアップデート配信状況、「最新のソフトウェアがサポートされているか」が大きく影響しています。Funtouch OSからOriginOSへの移行は、以前に発表されたrealme機種のColor OSからrealme UIへの移行よりも大きなアップデートになる見込みです。Funtouch OSに対して不満を抱えているユーザーは、この先に来るであろうOriginOSの正式版リリースに向けて期待してみても損はないでしょう。
iQOOのMonster UIがこれに変わって、OriginOSの出来が良ければワンチャンXiaomiを上回るコスパ端末になるのでは…?