多眼カメラを手掛け、5眼カメラのNokia 9 PureViewのサポートも行っていたアメリカのスタートアップであるLight社が、スマホ事業から撤退することを発表しました。
Nokia 9 PureViewがLight社の関わる最後のスマートフォンとなるようです。
Light社の歴史について
Light社は2019年の7月まではトップページにスマホカメラを表示させていましたが、8月より自動車に変更されました。去年の段階でスマホ事業からの撤退を考えていたのかもしれません。
Light社の手掛ける16眼カメラ
Light社が注目を集めたのは2015年のLight L16 Cameraを発表したときからでしょう。
Light L16 Cameraは1300万画素の16個のカメラを搭載し、それぞれから得られた画像を合成することでハイダイナミックレンジで最大5200万画素の高画質な写真を撮ることができました。処理速度が追いつかずレスポンスが遅かったこと、高感度撮影が期待以下であったこと、20万円を超える高価格であったことより市場での反応は微妙でしたが、当時は複数の画像を使った処理で美しい写真を撮る発想が珍しく、技術的な面での革新がありました。
結果としてLight社はSoftBankグループから100億円以上もの出資を受けたり、SONYやXiaomiと技術提携をしたり、HMDと協力してNokia 9 PureViewを開発するまで成長しました。
Nokia 9 PureViewは成功だったのか
Nokia 9 PureViewは当時は珍しい5眼カメラを搭載しました。しかし、これらは広角カメラ、望遠カメラといったものではなく、同じ画角の3つの12MPモノクロカメラと2つのカラーカメラとなっています。
これにより、深度測定やHDRといった面で素晴らしいカメラとなりましたが、カメラアプリが不安定であり、アップデートで改善・改悪が繰り返される結果になりました。
現在のスマートフォンのトレンドは超広角、望遠、マクロカメラといった機能です。Lightのカメラのようなスタイルはスマホ業界には受け入れられなかったのかもしれませんね。
Xiaomiとの提携はLightのカメラを将来的にスマートフォンという形としてアウトプットすること、SONYとの提携ではSONY製のイメージセンサーとの親和性を高めるためでした。今後、これらの会社との提携がどうなるのかは不明です。
Source : Android Authority
単眼カメラ性能はHuaweiに勝てないし、多眼カメラは各社次々と出して来るしでアイデンティティを失ったのかな。