現在日本市場で正式展開している中国スマホメーカーと言えば、現時点で最も成功しているOPPO、新たなるゲームチェンジャーのXiaomi、かつての王者であるHuaweiなどが挙げられます。
6月、これら三社はこれからの夏商戦に向けた新スマホ6機種を続々と日本に投入しました。彼らはどんな思惑で、どんなスマホを発表してきたのか、振り返ってみましょう。
目次
OPPOは意外と少ない1機種のみ
Huaweiが厳しい状況にある今、OPPOこそが日本で最も成功している中華スマホメーカーです。2018年に日本市場に参入してから、SIMフリースマホと激安のミドルレンジスマホで地道にシェアを拡大してきました。
おサイフケータイ機能等を搭載し、昨年日本市場にターゲットを絞って発表されたOPPO Reno AはそんなOPPOスマホの一つの完成形と言えるでしょう。
OPPOが6月に発表したスマホは意外と少なく1機種のみ。ただし、3月にフラッグシップ級の5Gスマホを2つ、キャリア各社から発表していたことを忘れてはいけません。
OPPO Reno3 A(6月16日発表)
OPPO Reno3 Aは、先ほど紹介したReno Aの正統な後継に当たる機種です。機能はおサイフケータイ(FeliCa)や防水など日本市場では欠かせないものに絞り、一方で有機ELディスプレイのような妥協しない要素をも詰め込んだ、素晴らしいほどの「日本人のためのスマホ」です。
Snapdragon 710→Snapdragon 665というSoCスペックの劣化にはネガティブな評価もありますが、このスマホがターゲットとする層にとっては削っても問題のない部分です。おサイフケータイなど必要な要素は徹底的に、演算性能などは必要十分なレベルまで落とすことで、限りなく手を出しやすい価格まで押し下げることに成功しています。
Xiaomiがそろそろ本気を出してくる。怒涛の激安スマホ2機種発表!
昨年11月にXiaomiがMi Note 10というミドルハイ機種を引っさげて日本市場にやってきた時、「格安志向のXiaomiが日本市場に参入するのに、最初のスマホが6万円か」と落胆の声が多く聞かれました。
しかし、今となってはその時既にXiaomiが長いスパンで戦略を立てていたことがわかります。初めに「1億画素カメラ」という強烈なインパクトを消費者へ鮮明に与え、その後いかにもXiaomiらしい安価かつ高性能なスマホを一気に送り出す。ただの安物ブランドではない、という印象を植え付けることが出来たのではないでしょうか。
Redmi Note 9S(6月2日)
今回の2機種のうち、本命と言われるのがこのRedmi Note 9Sです。ただでさえ「格安志向」なXiaomiの、さらに低価格で、ハイエンドなスマホはあまり多くない大衆向けのブランドがRedmiです。
日本市場に参入してまだ日の浅いXiaomiは、OPPOに対してFeliCaや防水を削った分、圧倒的な安さで勝負を挑みます。Snapdragon 720Gという一昔前のフラッグシップに引けを取らない性能に、2万円台という安さは以前の日本市場ではありえなかったことです。
Just for Fans!(Xiaomiのスローガン)
Mi Note 10 Lite(6月2日)
Mi Note 10 Liteは、既に日本で発売されていたMi Note 10の下位モデルです。Redmi Note 9Sというスマホの前ではどうしても霞んで見えてしまいますが、こちらも非常に素晴らしいスマホであることに変わりはありません。
実は、Mi Note 10 Liteが下位モデルであると言っても、最も基本的な性能を決めるSoCはSnapdragon 730Gを搭載し、上位モデルと同じ。何がLiteになったかと言えば、基本的にはカメラ性能だけなのです。
もちろん、Liteでもなおたいへん美しい写真が撮れることでしょう。
実はHuaweiが一番多くの製品を発表していた
ご存知のように、最近のHuaweiスマホはGooglePlayストアなし、代替となる独自のアプリストアのラインナップは貧弱と非常に苦しい状況が続いています。それでも、王者Huaweiは地元中国での圧倒的な人気を頼りに海外展開を継続中です。
今回発表された新スマホはP40 Pro 5G、P40 Lite 5G、P40 Lite Eの3機種。特に先の2つは5Gに対応し、既に発売されているMate 30 Pro 5Gを含め日本では数少ない「SIMフリー・5Gスマホ」の一つです。
ポジティブに考えれば、日本でSIMフリー5Gスマホを発売するということは、Huaweiだからこそ出来たことなのかもしれません。
P40 Pro 5G(6月2日発表)
一言で言えば、世界最強のカメラスマホです。なんといってもHuawei Pシリーズの魅力はずば抜けたカメラ性能でしょう。Google無しの状況でもある程度の注目を浴びているのには、このスマホのカメラ性能による所が大きいと思います。
それ以外にも、SoCのKirin 990、90HzのAMOLEDディスプレイなどすべての点が非常に魅力的。本当に素晴らしいスマホなのに、GooglePlayストア非搭載というただ一つがあまりにも痛いです。
P40 Lite 5G(6月2日発表)
その安さから、長らく日本のSIMフリースマホ市場で圧倒的な存在感を示し続けてきた、Huawei P Liteシリーズの最新機種がP40 Lite 5Gです。
遂に格安機種でも5Gに対応する時代がやってきたというのが驚きですが、これもまたGoogle非搭載。以前のようにバカ売れすることは無いでしょう。
P40 Lite E(6月2日発表)
先の2機種とは違い、P40 Lite Eは5G非対応です。その分、Amazon定価は約2万4000円ととにかく安価なのが特徴です。
もちろんGoogle非搭載ですが、Twitterを見てみると、Huawei AppGalleryを試してみたいという一部の層から一定の人気が出ているようです。(確かにその目的なら価格も安いし良さそう?)
最後に:キャリアやMVNOの取扱い
キャリアやMVNOの取扱いチャネルの充実度ではOppo Reno3 Aが圧勝です。一方、現時点で最も魅力的なキャンペーンは、Redmi Note 9S × OCNモバイル (6,490円~)でしょう。
Oppo Reno3 A | Redmi Note 9S | Mi Note 10 Lite | Huawei P40 シリーズ | |
楽天モバイル | 〇 | |||
ワイモバイル | 〇 | |||
UQモバイル | 〇 | |||
OCNモバイルONE | 〇 | 〇 | 〇 | |
LINEモバイル | 〇 | 〇 | ||
IIJMio | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
イオンモバイル | 〇 | 〇 | ||
Exciteモバイル | 〇 | 〇 | ||
他MVNO | 〇 |
逆境ながら攻めのHuawei
日本市場に順応するOppo
鬼コスパで侵攻のXiaomi
といった構図かな
忘れられたZTEとTCLは元気出して