アメリカのWEBメディアAxiosは、Googleがサムスンと共同で新型のPixelとChromebookに搭載するためのSoCを開発中であると報じました。早ければ2021年発売の新型Pixel(=Pixel 6 or 5a?)への採用を目指しており、将来的にはChromebookへの搭載も予定していると言います。
Axiosによれば、開発コードネーム”Whitechapel(白い教会)”と名付けられたこのチップはサムスンの5nmプロセスで製造される予定で、既にGoogleは数週間前に最初のプロトタイプバージョンを受け取っているとのことです。過去にも何度かサムスンとGoogleが新しいチップを開発中であるというネタは報道されており、今回のAxiosの記事はそれらにさらなる裏付けと追加情報を与えたことになるでしょう。
どんなSoCになるのか?
韓国のコミュニティClien.netでは、4月8日にGoogleとサムスンの協業による新しいチップについてのスレッドが建っています。このスレッドによるとGoogleブランドかサムスンのExynosブランドでチップを売り出す予定だったことが示されていますが、その後Googleが独占的に使用すると方向転換したようです。
Clien.netではチップの詳細も紹介されており、ARMのCortex-A78*2,Cortex-A76*2+Cortex-A55*4の8コアになるとされています。GPU部分では同じくARMのMaliシリーズのものが採用されるとのことです。
XDA Developersは、Google製といえど結局のところサムスンのExynosチップファミリーのいずれかと基本的に同じものになってしまうだろうと推測しています。
サムスン追い上げ中の半導体(&スマホ向けSoC)市場概況
現在、主なスマホメーカーのうち自社でSoCを安定供給できているのは、サムスン、Huawei、Appleの上位3社のみ。XiaomiやOPPOなど一部の中国企業がSoCの自社生産に挑んではいるものの、その他の企業はほとんどがクアルコム、MediaTek又はサムスン製SoCを購入しています。
その中で、サムスンは現在2030年までに半導体受託生産市場で世界1位になることを計画しています。
先に挙げたHuawei・Apple・クアルコム・MediaTekなどの企業はどれも自社で半導体生産ラインを持っていない、所謂ファブレスメーカーです。サムスンは、彼らのようなファブレスメーカーから半導体製造を受託する業務も行っています。
しかし、今の所半導体受託生産市場は台湾のTSMCが50%以上の圧倒的シェアを持っており、スマホSoCだけで見てもファーウェイ・Apple・クアルコム・MediaTekの最新フラッグシップSoCはどれもTSMCが生産しています。
もしサムスンが今回のGoogleとの協業でライバルにも負けない良い結果を業界に示すことが出来れば、今後のゴールに一歩近づくかもしれません。
Source:Axios,XDA Developers
性能はともかく、自社でSoCを作れるようになったらPixelのOSアップデート期間がiPhone並みになりそう