今年2月に「Mi 10」シリーズを発表し、同シリーズの販売成績が目下のところ好調のXiaomi。優れたコストパフォーマンスは健在ですが、同時に端末価格の上昇も進んでいます。
今回は、スマートフォンを中心とするニュースサイトのAndroid Authorityが、「XiaomiはOnePlusと同じ道をたどるのか?(タイトルは筆者訳)」というコラム記事を掲載。
OnePlusのキャッチコピーである「Never Settle(筆者訳:現状に満足しない)」をもじった形で、Xiaomiの高価格化を表現したタイトルはもとより、内容自体も非常に興味深いものとなっています。
Never settle? Xiaomi Mi 10 borrows from OnePlus’ playbook
https://www.androidauthority.com/xiaomi-premium-smartphones-1095918/
目次
スペック・価格の両面で話題になったMi 10の発表
Xiaomiが「Mi 10」シリーズを発表したのは今年2月のことでした。非常に高いスペックもさることながら、話題を呼んだのはその価格。
先代モデルの「Mi 9」と価格を比べた場合、「Mi 10」はおよそ1.1万円の値上がりという形に(※比較条件:8+12GBモデルの発売時価格)。Xiaomi副社長のルー・ウェイビン氏が、Weiboにて価格上昇の理由を説明するというニュースもありました。
かつてのXiaomiには「手頃な価格で優れたスペックの端末を販売する」というイメージがありましたが、その役割を廉価版のスピンオフブランド「Redmi」に任せて以降は、高価格化の一途をたどっています。
低価格→高価格の道のりはOnePlusと同じ?
高価格化の進むXiaomiですが、このような道のりを歩むのはXiaomiだけではありません。
元祖「フラッグシップキラー」として知られるOnePlusですが、もともとは300ドル(約3万2,000円)程度のモデルを展開し、優れたコストパフォーマンスで人気を博してきました。
それが最近では、約499ドル(約5万4,000円)の「OnePlus 7T」や約699ドル(約7万5,000円)の「OnePlus 7T Pro」を発売。特に後者は、文句なしの高価格帯に足を踏み入れています。
前述のように廉価版ブランド「Redmi」を展開するXiaomiとは異なり、OnePlusの商品展開は基本的に「OnePlus」1種類だけ。
唯一のラインアップである「OnePlus」の価格上昇に伴い、次期「OnePlus 8」シリーズでは、価格を抑えた「OnePlus 8 Lite」の登場も噂されています。
利益の高さはメーカーにとって魅力的
では、スマートフォンメーカーがこぞって高価格化を狙う理由はどこにあるのでしょうか。
その一つとして挙げられるのは、やはり「利益の高さ」です。以前telektlistでもご紹介しましたが、「iPhone 11 Pro Max」の部品コストは総額で約490ドル(約5万3,000円)でした。対して、当時の売価は約1,100ドル(約12万円)。
先に挙げた「490ドル」という数字に開発費や流通コストなどは含まれていないため、差額が全てAppleの懐に入るというわけではないものの、一定の利益が見込めることは間違いありません。
「iPhone 11 Pro Max」に比べて「Mi Note 10」の価格は控えめですが、Xiaomiにとって高価格帯の商品を扱うメリットは大きいといえそうです。
高価格化の試金石になる「Pro」モデル
1台の販売で一定の利益が見込めるため、メーカーにとってはメリットが大きいともいえる端末の高価格化。ただし、そのような移行を急激に推し進めた場合、懸念事項となるのがユーザーの反発(買い控え)でしょう。そこで、メーカー側が試金石として投入できるのが「Pro」モデルです。
たとえば前述のような「OnePlus 7T」シリーズの場合、多くのユーザーにウケの良さそうな「7T(無印)」と、性能のグレードアップを図った「7T Pro」の2種類を展開。
これにより、既存ユーザーの満足度はある程度維持しつつ、高価格化や高機能化に対するユーザーの反応を確かめることも可能になります。言い換えるならば、Proシリーズの売れ行きに応じてマーケティング戦略を立てられるということです。
このような「Pro」シリーズを展開しているのは、XiaomiやOnePlusだけでなく、Huaweiも同じ。先日の「P40」シリーズの発表では、「P40(無印)」に加えて「P40 Pro」「P40 Pro+」の存在も明らかになりました。
5G対応で端末価格はさらに高くなる傾向に
今後は次世代通信の5G対応により、端末の価格がさらに高くなることが予想されています。
たとえばプロセッサを例に挙げると、Snapdragon 865(5G対応)は、先代のSnapdragon 855(4G対応)に比べて2倍近いコストがかかるという説もあります。
個人的には、リーズナブルさが魅力だった時代からXiaomiのスマートフォンを愛用してきたこともあり、昨今の高価格化の流れに取り残されたような感覚があるのも事実。
ただし、新興国向けの低~中価格帯モデルを「Redmi」ブランドで展開し、ヨーロッパなどの先進国市場を狙って「Xiaomi」の名をハイブランド化するのは、マーケティングの方法としては理にかなっているのかもしれません。
Source: Android Authority
グロ版の高価格は流石に看過できんわ