技適や日本の独特な周波数に対応し、低価格を最大の売りとしているUMIDIGI。新興中華スマホメーカーとしては頭ひとつ抜けた知名度を持っており、日本でもUMIDIGIの「安さを求める」という姿勢には根強いファンがいます。
今回は6794円と頭ひとつ抜けて安いことが特徴のUMIDIGI A3SをUMIDIGI様より提供していただきました。実際のところはどうなのか、詳しくレビューしていきます。
目次
開封の儀
UMIDIGIお馴染みのデザインのケースで登場。UMIDIGI A5 ProやUMIDGI Xの時と違ってiPhoneと同じ上からすっぽりと被せるタイプの化粧箱となっています。
同封物はこんな感じ。ゴム製のケースが付属するだけでなく、フィルムまで最初から貼ってあるのはUMIDIGIの心意気といったところ。化粧箱や同封物に関して、コストカットの痕跡を見つけることはできませんでした。
デザインも悪くない
デザインはこのような感じ。薄い緑のかかったガラスの背面となっています。
Nova lite 3しかりOPPO Reno A5 2020しかり、最近のいわゆる"中華スマホ"、特に低価格帯のスマートフォンはメッキでギラギラしているものが多いです。そんな中、UMIDIGI A3Sの背面はガラス、UMIDIGIの判断に大きな拍手を送りたいです。
ちなみに、側面はプラスチックに金属風メッキを施したもの。正直そこまで気になりません。
スペック不足感は否めない
化粧箱といいデザインといい、決して悪い印象を受けなかった本機。それでは使い心地はどうでしょうか。
結論から言うと"いまいち"。スペック不足感が否めません。搭載されているSoCはHelio A22、メモリは2GBという必要最低限のスペック。全体的にもっさりとした感じがあります。
とはいえ、「もっさり感が気にならないのならば」という条件付きですがその他は良く作り込まれている印象です。
一番意外に感じたのはディスプレイの性能。720 x 1440pxという決して高くはない解像度ですが、ドット感もなく明度は十分。写真は晴れの日に撮ったものですが、かなり明るい環境下でもかなり綺麗にディスプレイを視認できます。これは良い意味で期待を裏切られたポイントです。
また、マップ使用時にもGPSの乱れといった気になるバグもありませんでした。
カメラは期待してはいけない
ディスプレイや質感は良好でした。ただし、単刀直入にカメラはダメです。以下、撮って出しの画像にて比較を行います。
これは先日稲荷大社に行った時の画像です。上はUMIDIGI A3Sで撮影したものですが、空の色や細部のディテールが完全に潰れてしまっておりガラケーを彷彿とさせる仕上がりです。
こちらは全く同じ場所・アングルから撮った写真です。実際の色味はHUAWEI P30で撮ったものの方が近く、UMIDIGI A3Sの色合いは良いとは言えません。
実際の動作の重さはどれくらい?
廉価なスマートフォンを購入するにあたって、やはり一番気になるのは「動作の快適さ」でしょう。今回は具体的な例で比較します。
まずはTwitter。全体的に重たく、スクロールをしてからコンマ数秒後に反応します。「流れるようにタイムラインを眺める」というのは不可能ですが、フリーズしたりすることはありません。
次にGoogle Photo。読み込む内容が多いため重くなると思いきやかなりストレスフリーに動きます。指に画面がしっかりと追従するため、普段ハイエンドスマホを使っている方でもそこまでストレスは溜まらないでしょう。
続いてLINE lite。さすがLINE liteといったころでした。そもそもエントリー機種向けに作られただけあって、ハイエンド端末で動かす本家LINEアプリと同じくらい軽快に動いてくれます。
ブラウジングでは、Appleのホームページのような作り込まれたサイトはかなりかくつくものの、当サイトのようなシンプルなサイトはかなりスムーズに閲覧できます。
最後にAntutuスコアを測ります。
Antutu ver.8のスコアは約7万点でした。一番近いスコアの端末は、Redmi 8Aの9万点。ただし、UX(ユーザー体験)の項目ではRedmi 8Aに優っています。総合点では負けているものの、実際に使ってみるとどちらも同じくらいの使い心地なのかもしれません。
ちなみに、実際のスペックはこのような感じです。ぜひレビューと併せて参考にしてください。
基本スペック | |
---|---|
ディスプレイ | 5.7インチ, 720 x 1440, IPSディスプレイ, 282ppi |
サイズ | 153.7 x 72.9 x 8.5mm, 197g |
システム | |
OS | Android 10 |
Soc | Mediatek Helio A22 |
CPU | Cortex-A53 4コア, 2.0 GHz |
メモリ(RAM) | 2GB |
ストレージ | 16GB, sd_card microSD最大256GBまで |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 16 + 5MP, F値/2.0, デュアルカメラ, LEDフラッシュ, PDAF |
前面カメラ | camera_front 13MP, F値/不明 |
センサ類 | 指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス, 虹彩センサ, 顔認証ロック |
機能 | 防水 非対応, イヤホンジャック あり |
バッテリー | battery_charging_fullmicroUSB 2.0, 3950mAh |
ピュアAndroid 10搭載は嬉しいポイント
個人的に、UMIDIGI A3Sの最大の魅力は搭載されているOS。技適を取得している1万円代のスマホでAndroid 10に対応しているのは本機のみ。しかも搭載されているのはピュアAndroid 10なので操作性もシンプルです。スペック不足によるカクツキこそ見られるものの、アプリが落ちたりといった大きな不具合もなく、ダークテーマやジェスチャー操作にも対応しています。
もちろん、ピュアAndroidのデメリットとしてマルチタスク機能やアプリ毎にパスワードを掛けるといった便利機能は少なめ。しかし、XIaomiやHUAWEI、SAMSUNGの一部機種にしか搭載されていないWiFIブリッジ機能に対応していたりと決して「ピュアAndroid=機能が貧弱」ではありません。専用UIを採用することによるバッテリーの消費増といったデメリットを踏まえると、これは賢い選択といえます。
まとめ
良い点
1万円代という価格から山寨手机と揶揄される中国の偽物スマートフォンのような製品を想像していましたが、かなり良さげな作りでした。背面の指紋認証はかなり高速で、近年の光学式画面内指紋認証となら十分に渡り合える認証速度。また、実際のスペックもHelio A22、RAM 2GBとかなり心許ないスペックでしたがGoogle PhotoやLINE Liteといった軽いアプリやブラウジングは軽快に動いてくれます。また、ハイエンド端末でも珍しなりつつある通知ランプやFMラジオ機能、SIMスロットx2+Micro SDスロット(256GBまで)を搭載しているのも魅力でしょう。
悪い点
想像以上にカメラとスピーカーが良くありませんでした。カメラの画質は一昔前のガラケーレベル。スピーカーの音も曇っていて、まるで水に浸かった直後のようでした。ディスプレイサイズが5.7インチなのに対し、197gとやや重たい部類なのも悪い点です。
また、TwitterやInstagramといった情報量の多いSNSや、Appleのホームページのような重たいウェブサイトの閲覧はかなり重たかったです。
まとめ - サブ機としてならお勧め
1週間ほど使ってみて、UMIDIGI A3Sは「とにかく安いサブ機が欲しい」という方に向いているという印象を受けました。事実としてUMIDIGI A3Sの動作は全体的に重く、一つの動作に数秒待たされることも少なくありません。しかし、オンボロイドと揶揄された大昔のAndroidのように凄まじい発熱をしたり、再起動に陥るといったことはありません。
繰り返しとなりますが、動作は全体的にもっさりとしています。しかしながらGPSが狂ったり電池が急に減ったりというような重大なアクシデントもなく、ただ単純に動作が重たいだけ、最新のOSにも対応しており、決して「使えない」レベルではありません。
また冒頭に述べたとおり、1万円代の技適を取得した端末としては唯一なるAndroid 10搭載機種です。1万円代で買えるスマートフォンとしてはベストだと考えています。また、メインのスマートフォンが壊れた時の非常用や落として壊れてもいいランニング用といったあくまでサブ機という使い方ならばかなりお勧めできる機種でした。
なお、Amazonでは約1万1000円、Aliepxressで約7000円ほど、どちらも公式ストアにて購入できます。
評価: 4/5点
価格・購入先
UMIDIGI A3Sの 2 GB/ 16 GB モデルの発売時の価格は日本円で約 9,000円でした。購入時の参考にどうぞ。現在、通販サイトでの購入が可能です。
- AliexpressでUMIDIGI A3Sを購入する
- BanggoodでUMIDIGI A3Sを購入する Banggoodクーポンコード: BG7ee177(69.99ドル)
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