韓国のIT系メディアET Newsは、サムスンが来年に販売する折りたたみスマホの目標を5~600万台と定めて検討を始めたと報道しました。
日本での発売も決定したサムスンの折りたたみスマホ「Galaxy Fold」は、現時点で50万台を販売。そこから考えても10倍以上の量を販売するつもりだということです。
600万台というのは、当初の市場による予想を上回る強気な目標です。調査会社IHSマークイットは、来年のGalaxy Foldを含む世界の折りたたみスマホ需要を300万台と予想。ディスプレイ業界に精通しているDSCCは、同様に4~500万台と予想しています。
これでもサムスンは市場予想を念頭に目標を抑えており、当初はなんと「1000万台」を目標にしていたとも伝えられています。Galaxyブランド全体では3億台ほどを毎年販売していますが、これらはSシリーズやNoteシリーズなどの人気フラッグシップモデルや、数多あるAシリーズなどの廉価モデルを合わせての数値。
Sシリーズは4000万台弱、Noteシリーズに至っては毎年1000万台弱ほどしか販売されません。新しいフラッグシップシリーズとして高価な「Foldシリーズ」が誕生したとして、それを5~600万台売りさばくというのはかなり野心的な目標です。
サムスンの目標を阻む壁は多い
業界関係者の話として、Galaxyブランドを持つサムスン電子と、OLEDディスプレイを供給するサムスンディスプレイが600万台の折りたたみスマホに対応できるだけのディスプレイを供給できるか、交渉を始めたといいます。サムスンディスプレイも、自社工場の生産能力や歩留まり状況などを考慮しつつ、効率化に向けて検討を開始しました。
ディスプレイだけでなく、折りたたみスマホには他にも多くの特殊な素材が必要です。ディスプレイのカバーに使う透明ポリイミドや超薄型ガラス(Ultra Thin Grass)の量産には多くの課題があります。サムスンが中国から工場移転を進めているベトナムに、さらなる追加投資が行われるかが注目されています。
そして、一番の問題は製品が売れるかどうかということ。サムスンでさえも耐久性の確保などに苦戦し、発売が大きくずれ込んだ折りたたみスマホは、製造に高いコストがかかります。それ故価格も"超"高級機の部類に入ることは必至。ミドルレンジ帯の人気が高まる今、折りたたみスマホのような尖った特徴を持つ高級機は一般に受け入れてもらえるのでしょうか。
記事タイトルで煽ってて草