香港の調査会社CounterPointによる、2019年第4四半期(Q4)世界スマホシェア(出荷台数ベース)統計が発表されました。Appleの一位や、引き続き急成長しているRealmeなど、大変興味深い結果となっています。
目次
2019Q4のスマホ市場概況
まずはじめに、調査会社CounterPointのリサーチ・アナリスト”Varun Mishra”氏による、2019年の総括を読んでみましょう。
いくつかの国で、スマホ市場に影響を与えうる緊張が高まっています。アメリカによるHuaweiへの圧力や、日韓の緊張により半導体メモリ市場は不安定になりました。
サプライチェーンの混乱を受け、多くの企業が戦略を見直し、単一市場への依存からの脱却を図っています。2020年は、リスクを軽減するため、世界規模で投資が加速する可能性があります。
今まさにサプライチェーンを脅かそうとしている問題は、中国から始まった新型コロナウイルスの流行です。
(筆者による要約,ソース)
2019年全体を通して、世界のスマホ出荷台数は前年比で1%減少しました。一方でサムスン、Huawei、Appleの上位3ブランドはかろうじて出荷台数を維持し、3つだけで世界の出荷台数の50%以上を占めています。
Appleが一位に、vivoはTOP5入り。落ちるHuawei。
※HuaweiはHonorブランドを含む
CounterPointが公開したインフォグラフィックを見ると、2019年第4四半期の概況をおおよそ読み取ることができます。
AppleがSamsungとHuaweiを押しのけて一位に返り咲き、今まで6位だったvivoはOPPOと逆転してトップ5に食い込みました。
Appleは好調、Huaweiはやや苦しい感じ
Appleの快進撃はやはりiPhone 11の好調によるものでしょう。今までのAppleと比べれば比較的入手しやすい価格で発売されたiPhone 11は、当初から人気で今もなお売れ続けています。まもなく発表が噂される新しい廉価機種、iPhone 9にも期待できそうです。
過去の2018年、2017年の第4四半期も秋の新型iPhone発表によりAppleの順位が上がる傾向にありましたが、それで一位にまで上り詰めるのは2017年以来実に2年ぶりです。正直サムスンとかなり拮抗しているところはありますが、それでも数値の上で一位であることに変わりはありません。
また、Huaweiはどうにか3位の座を維持しつつも、売上が減少(前年同期比-6%)し始めています。これは2017年第4四半期以来初めてのことです。中国国内では圧倒的なHuaweiですが、続くアメリカの禁輸制裁はグローバル市場でのHuaweiの売上に大きなダメージを与えてしまったようです。中国国内の売上は前年同期比12%増という記録を打ち立てましたが、それでも海外での著しい減少をリカバリーすることは出来ませんでした。
地域による違いも面白い
CounterPointは世界の各地域別のシェアも紹介しています。
ヨーロッパ市場はサムスン、Apple、Huawei、Xiaomi、OPPOと比較的グローバル市場全体のランキングと近い布陣です。
各地域の動向
筆者が一番おもしろいと感じたのは北米市場で、Appleがサムスンをも引き離して50%という圧倒的なシェアを誇っているのがいかにもアメリカ(北米にはカナダも含まれますが)らしいと思います。トップ5ブランドの中に唯一Huaweiが含まれていないのも、北米市場だけです。
アジア市場では逆にサムスンがランクインせず、他を少し引き離してHuaweiが一位になるという現象が起こってます。これはアジア市場の中で中国の市場が占める割合がかなり高いためで、この結果をアジア市場全体を表していると捉えるのは間違っているかもしれません。
他にも、アフリカでは顔認証機能を黒人向けに強化したことでも有名なTecno社や、北米ではNokiaブランドのAlcatelなどその土地ならではのブランドがランクインしているのも面白いところ。日本ではあまり聞かないですよね?
具体的な数値
簡単なインフォグラフィックだけで得られる情報には限りがあるので、具体的な数値が載っている表を見てみましょう。
2019年第4四半期のスマホの出荷台数は4億100万台に達し、前年同期比で2%増加しています。一方フィーチャーフォン等スマホ以外のモバイルは出荷台数の減少が続いており、携帯電話全体の出荷台数は前年同期比-1%減少し、5億700万台となりました。
4位以下のメーカーは急成長を遂げる
上位ブランドはどこもほとんど横ばいが続いているのに対して、Xiaomiとvivoは順調な成長を続けています。特に第4四半期でXiaomiは前年同期比28%の急成長を遂げ、各社の猛攻の中インド市場で王者の座を維持しています。積極的な海外展開は中国国内における17%もの売上喪失をカバーしました。
また、ランク外では有るものの急成長中のRealmeは、第4四半期でも前年同期比163%の成長を記録しました。OPPO、vivo、Realme、OnePlusを含めたBBKグループは、4社で世界シェア20%近くを占める世界トップのスマホメーカーになりつつあります。
続くスマホメーカー戦国時代
数多のスマホメーカーがしのぎを削る戦国時代は、まだまだ続きそうです。Realmeという伏兵は今後のスマホ市場をどう変えていくでしょうか。
Xiaomiの日本での動きや、Huawei制裁の見通し、iPhone 9と5G搭載iPhoneにより予想されるAppleのさらなる成長など、2020年も多くの要素がゲームチェンジャーとなりうる能力を持っています。
Source:CounterPoint(1),(2),(3)
出荷台数のを見たけどSamsungとかHUAWEIとかの出荷台数はあまり減ってないんだよね
iPhoneの新機種で合計とAppleの割合が上がっただけっぽい