18日、ヤフーの親会社のZホールディングスとLINEの経営統合について、正式な記者会見が行われました。
統合後はソフトバンクと韓国NAVER(LINEの親会社)が50:50の割合でジョイントベンチャー経由でZホールディングスを保有し、傘下にLINEとヤフーが置かれる形になります。
統合の目的はグローバルな競争力の確保のため
会見にはZホールディングスの川邊健太郎CEOとLINEの出澤剛CEOがお互いの会社のテーマカラーのネクタイをつけて登壇。そして、統合の背景としてGAFAや中国系のIT巨大企業に対して競争力を持った、世界をリードするAIテックカンパニーを作り上げたいという野望が明らかにされました。
ざっくり、LINEというメガアプリを活用して、Zホールディングス傘下の様々なサービスの売上を伸ばしていく戦略であるようです。
LINE側には、もは若者の通信インフラとも呼べるほど広く浸透したメッセージアプリという強みがあります。一方のヤフー側はヤフーショッピング、ヤフオク、LOHACOと最近傘下に入ったZOZOTOWNを合わせて、ネット通販で日本有数のシェアを握っています。
シナジーの説明は不明瞭
ここまで聞くと理想的な合併のようにも思えますが、気になる点が、両者のサービスのバッティング。上の図でも、PayPayとLINE Pay、LINEニュースとYahooニュースなど被っているサービスが多々あります。今後どう統合してシナジーを生み出していくのか、詳しい説明は行われていません。
LINEは合併に追い込まれた?
合併の背景にあるのが、スマホ決済戦争に伴うLINEの直近の赤字。LINE Payによる広告宣伝費・間接費の増加等の影響で、今年9月までの売上1667億円に対して営業損失は275億円に上っており、このままPayPayと争っていくのは厳しい状況でした。
LINEの株式の72.75%を保有していた親会社の韓国NAVERはLINEの損失の影響を受けて営業利益が昨年比で半分に。これから収益が上がる見通しも不透明な決済事業を抱えたLINEを切り離さざるを得なかったのかもしれません。
今後こそ勝負
会見の質疑応答の場面でヤフーの川邊社長はソフトバンク孫さんから受けた「利用者の立場になって考えたサービスでなければ、ユーザーは離れていく」という助言を引用しています。
この言葉の通り、合併に合わせて両社のサービスを統合・拡大しつつ、サービスをより使いやすくすることが肝心でしょう。統合過程ではヤフーとLINEという2つのプラットフォームをどう共存or統合させていくか、というジレンマも乗り越えなくてはならず、同社は難しい舵取りを迫られそうです。
Source: Zホールディングス
スマホ決済は札束の殴り合いになってるから禿が強いんだろうね