Xiaomiは北京で開催された同社の開発者向けイベントのMi Developer Conference (MIDC 2020)で新しい技術が導入されたスマホ向けカメラの開発を発表しました。
このXiaomiの新しいカメラはいわゆる沈胴式レンズ(retractable lens)を搭載したものです。利用時にレンズ部が伸びることでスマートフォン本体の薄さをキープしつつ、より大型なカメラユニットを搭載できるようになります。なお、Xiaomiによりますとこれにより最大で300%も多くの光を取り込めるようになります。
それだけでなく、より大きなイメージセンサーでより大きいレンズが利用できるため、夜間に弱いスマホカメラの抜本的な解決になるだけでなくより自然な背景ボケも楽しめるようになります。
沈胴自体は新しい技術ではない
過去にも似たような機構を搭載したスマートフォンは存在します。
例えばPanasonicのDMC-CM1 / CM10。コンパクトデジカメと同じ1インチセンサーを搭載した通信機能付きのAndroid搭載カメラとして登場した同機種ですが、Xiaomiが発表したこの機構同様に、撮影時にレンズが飛び出す沈胴式のレンズを採用していました。
また、沈胴式レンズはカメラ業界では当たり前の技術です。利用時にカメラが飛び出る仕組みはコンパクトデジカメだけでなく、コンパクトな一眼カメラ向けのズームレンズにも採用されています。
また、数十年前のLeicaレンズでも同様の機構が採用されていたりします。
沈胴自体は目新しい技術ではないですが、フラッグシップ向けに沈胴するスマホカメラを搭載するという試みは実に面白いです。
防水性がネックか
沈胴機構によって薄くてコンパクトな筐体により高性能なカメラが搭載できるようになるのは事実です。一方で、最大の課題は防水性になるでしょう。
多くの沈胴レンズは防水に非対応です。一部のカメラはレンズにゴムのシーリングをすることである程度の防水性を保っていますが、スマホ向けでどこまでできるかは不明です。ちなみにDMC-CM1 / CM10には一切防水性はありませんでした。
電子部品ではなく光学部品である以上、サイズが直に画質に影響を与えていたスマホカメラ。各社ナイトモードやポートレートモードなどのソフトウェアや、望遠カメラやマクロカメラ等の複眼カメラなどで補って発展してきました。
画質に対する抜本的解決となる沈胴式スマホカメラが今後どういったスマホカメラを魅せてくれるのか、楽しみです。
技術のある日本製はどうした?w