香港証券取引所に上場するXiaomiは3月24日、2020年の決算を発表しました。売上高は前年比19.4%増の2459億人民元(約4兆1000億円)で、調整後の純利益は前年比12.8%増の130億人民元(約2000億円)となっています。
全体の6割を占めるスマホ事業、高成長も平均販売価格の低さが足を引っ張る
全体の売上高の増加率19.4%に対し、祖業であるスマホ事業は24.8%と、特に高い比率で成長しました。2019年に比べて、全体に占めるスマホ事業の割合が高くなったということにもなります。これはスマホ自体の出荷台数が増加(17.5%)したことに加え、端末一台ごとの平均販売価格が上昇(6.1%)したことも大きく影響しています。
それでも平均販売価格は1040人民元(約1万7000円)と、Statistaにより公開されている世界全体の平均販売価格、309ドル(約3万4000円)と比べて約半額です。CounterPoint Reasearchの2020年第2四半期の調査によれば、世界のスマートフォン収益の34%をAppleが享受しており、Huaweiが20%、サムスンが17%、Vivoが7%、OPPOが6%と続き、世界三位の販売台数を持つはずのXiaomi(同時期の販売台数シェアは10%)はランクインすらしていません。時期が異なることから単純比較はできませんが、Xiaomi単体の2020年の平均販売価格6.1%の上昇に対して、2020年第2四半期の世界全体での平均販売価格は10%上昇し、他のブランドから取り残されている状況です。
元々、性能の良いスマホを低価格で提供することで世界三位の座を確立した会社がXiaomiであるため、この結果がおかしいわけではありませんが、Xiaomiも営利企業としてそれなりの危機感を覚えているようです。プレミアムスマホ(Xiaomiは中国本土で3000人民元=約5万円以上、海外市場で300ユーロ=約3万8000円以上のものと定義)の販売台数増加を目指し、2020年は「約1000万台以上を販売」することに成功したということです。その一方で、格安ラインのRedmi 9シリーズ単体では、年末までに3000万台を超える販売を記録しているとのこと。
第二の基軸となるIoT家電事業も堅実な成長
Xiaomiという企業を語るうえで、もう一つの基軸事業であるIoT家電部門を外すことは出来ません。日本国内の展開においても、スマホ部門と同じくらい、IoTデバイスに力を入れています。特に日本国内のウェアラブル市場で、Mi Bandシリーズの存在感は他のXiaomi製品と比べても圧倒的に高いのではないでしょうか。
2020年の「IoT and Lifestyle」セグメントからの収益は前年比8.6%増の674億人民元(約1100億円)に達しました。
Xiaomiの家電部門のうち、最も大きなシェアを持っていると思われるのがスマートテレビ部門です。2020年の第4四半期の時点で、Xiaomiは中国国内のテレビ販売台数(70インチ以上)で8四半期連続の第一位を獲得。市場シェアは27.7%に到達しました。
XiaomiのIoTプラットフォーム(『AIoT』プラットフォーム)に接続されたデバイスの数は3億2480万台となり、前年比で38%増加。IoT家電部門自体の年間収益も伸びているため、この数値は今後より速い速度で増加することでしょう。
5台以上のデバイスを使用しているユーザーは前年比52.9%も増加し、620万人に達したということです。これらのユーザーのほとんどは中国国内の消費者が中心であると考えられますが、Xiaomiは今後海外市場での事業をスマホ部門以外にも拡大させていくとみられ、これらIoT家電部門はこれからの成長が最も期待される部門と言えます。
また、IoT家電の更に先の成長分野としてスマートEV事業への参入も明らかとなっています。スマートEV事業はスマホ事業やIoT家電事業に次ぐ成長の柱に育っていくでしょうか。
Source:Xiaomi,Counterpoint
>>平均販売価格は1040人民元(約1万7000円)
貧乏人御用達のAndroidなかでも特に貧乏人御用達のXiaomi笑
信者が持ち上げてもXiaomiは儲からない笑