スマートフォンのスペック表を眺めていると、防水性能の表記にIP68や、IPX8などの表記をよく見かけると思います。これらの表記はスマートフォンに限らず、様々なデバイスの防塵、防水性能のレベルを表していますが、実際に数字が何を意味しているかよくわからない人も多いのではないでしょうか。
この記事ではIP〇〇・IPX○の数字の部分がどう防水、防塵性能を表しているのか紐解いていきます。
IPコードについて
防塵防水機能を示すIP○○という表記は、IP(Ingress Protection、侵入に対する保護)コードというものです。IPコードは2003年に国際電気標準会議で定められた、デバイスの固形物、水に対する保護性能を表す規格です。
表記するときはまずはIPと書き、その後に続くひとつ目の数字は防塵性能、ふたつ目の数字は防水性能を示す数字を書きます。IP68ならば、防塵性能がレベル6、防水性能がレベル8ということになります。なお、どちらか一方だけ表示する場合、もう一方は「X」を入れて省略します。そのため、IPXという表記もありますが、これはIPXコードであるというわけではありません。
Xperia XZ4のスペック表より
例えば、この表から見ると、Xperia XZ4はIPX8なので、防塵に関しては不明ですが、防水に関してはレベル8を達成しているということになっています。
防塵性能、防水性能のレベルについて
それでは具体的に各レベルがどの程度のものであるのかを説明します。
防塵性能 [外来固形物に対する保護等級]
レベル0:特に保護がされていない
レベル1:直径50mm以上の固形物が中に入らない
レベル2:直径12.5mm以上の固形物が中に入らない
レベル3:直径2.5mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない
レベル4:直径1mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない
レベル5:有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない(防塵形)
レベル6:粉塵が中に入らない(耐塵形)
防塵に関してはこういった基準となっています。
テスト時にはそれぞれのレベルに応じた粉末をデバイスにふりかけ、どれほど侵入したかを計測することによって行います。
防塵性能に関して安心して利用したいのならば5以上は欲しいところです。
防水性能 [水の侵入に対する保護等級]
レベル0:特に保護がされていない
レベル1:鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形)
レベル2:鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形)
レベル3:鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形)
レベル4:あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)
レベル5:あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
レベル6:あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形)
レベル7:一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)
レベル8:継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形)
防水に関してはこういった基準となっています。
防水性能のテストは以下のように行います。
防水性能のテスト方法
レベル0:テストなし
レベル1:200mmの高さより3〜5mm/分の水滴、10分
レベル2:200mmの高さより15°の範囲で3〜5mm/分の水滴、10分
レベル3:200mmの高さより60°の範囲で10ℓ/分の放水、10分
レベル4:300〜500mmの高さより全方向に10ℓ/分の放水、10分
レベル5:300mmの距離から全方向に12.5ℓ/分・30kpaの噴流水を3分間
レベル6:300mmの距離から全方向に100ℓ/分・100kpaの噴流水を3分間
レベル7:水面下150mm〜1000mmで30分間
レベル8:レベル7以上であること
このように、レベル7まではテスト方法が定められていますが、最高レベルのレベル8ではレベル7以上であるば何でもいいということになっています。そのため、各メーカー独自に決めたテストによりレベル8を名乗っています。道理でIPX7を見ないわけですね。
なお、防水のテストに関しては常温の純水を用いているため、お湯や塩水、海水などは非対応です。メーカーが特別に表記しない限りはこれらの液体だと何が起きるかは全くわからないので気をつけるようにしましょう。
IPコードはこのような基準になっています。telektlistでは掲載している全てのスマホの防水等級がIPX○の形で確認できるので、スマートフォンのスペックを見るときに参考にしてみてくださいね!
Source : タキゲン株式会社, IP規格・防水保護構造及び保護等級
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