インドのフリージャーナリストであるShubham Agarwal氏が、スマホから「ただのケータイ(フィーチャーフォン)」への逆戻りで起きた良い変化についてDIGITAL TRENDSへ寄稿しており、興味深い内容となっています。
Switching back to a dumbphone was the smartest thing I’ve ever done
https://www.digitaltrends.com/mobile/nokia-8110-kaios-experience-review/
まずは、スマホを使用していた頃の日常について語るAgarwal氏。
「スマホをずっと見ることにうんざりなんだけど、どうしても我慢ができない。地下鉄の中やスーパーマーケットの行列で、Netflixの動画をひたすら見てしまう。スクロールして、タップしての繰り返しなんだ。」と述べています。
現代人なら、誰でも思い当たるフシがあるのではないでしょうか。
スマホに疲弊してしまったAgarwal氏は、様々な対策を試すことに。
スクリーンの表示時間に制限を設けたり、できるだけ多くの通知をオフにしたりといったことは序の口。現在時刻をチェックするはずが、いつの間にかInstagramの虜に......といった事態を避けるために、スマートウォッチの購入にも踏み切ったそうです。
その努力(?)によってスマホの使用時間は半減しましたが、それでもスマホに生活を支配されているという感覚は消えませんでした。
そこで、Agarwal氏は次なる行動に出ます。
それは何と、いわゆる「ただのケータイ」であるフィーチャーフォンへの回帰。その特徴的な形状から通称「バナナフォン」として知られる、Nokia 8110を購入したのです。
(公式動画がYouTubeで公開されていますが、懐かしさを感じますよね。)
このガラケーチックなガジェットは、私たちからすると馴染みのない「Kai OS」を搭載。
元来はインドなどの新興国市場で、インターネットすら初めて触るような層に向けてデザインされたOSです。性能面は現在のスマートフォンと比べるまでもありませんが、Google関連やFacebookといったメジャーなアプリにも対応しています。
横道にそれてしまいましたが、Agarwal氏の話に戻ります。
Nokia 8110に移行後も、Google Map・WhatsApp・Twitterのようなアプリをそのまま使用できたAgarwal氏。ただし、スマホのようにTwitterを延々スクロールしたり、Instagramのストーリーをひたすら眺めたりということは無くなり、プライベートな時間を確保できたとのこと。
このようにして、Agarwal氏のスマホからケータイへの「逆戻り」は、本人が想像していた以上にスムーズなものとなりました。
もちろん、メリットばかりではなく、不便な点もある様子。
たとえばGoogle Mapのナビゲーションは使えませんし、テキスト入力はスマホに比べてやっぱり不便。NFCが無い上、電子マネーにも対応していません。カメラの画質は知れたもので、インカメラが無いためビデオチャットも不可能です。
ただし、それ以上にAgarwal氏にとって重要だったのが、自分自身の平和な時間を取り戻すことができたこと。
たとえばパーティーに行くことになり、元々使っていたGoogle Pixel 3かNokia 8110を選ぶ必要があっても、後者を持っていくだろうと同氏は述べています。「セルフィーは誰かがスマホで撮ってくれるからね」という理由もユニーク。
「スマホ中毒」という言葉があるように、スマホ依存の危険性も叫ばれる現代社会。
ガラケーとスマホの両方を経験している筆者としては、Agarwal氏の感覚はわからないでもありません。さすがに彼のような思い切った転換はできないかもしれませんが、スマホとの付き合い方を再考させてくれるストーリーでした。
Source: DIGITAL TRENDS
3ヶ月後スマホに戻してそう