ベンチマークを走らせることは、スマートフォンのスペックを測る良い指標ですが、スマートフォンを利用する時と同じ負荷をかけている訳ではないため、実際の使用時のスピートを確実に反映しているとは言えません。
それと比較して、スマートフォンの実機を用いてアプリの起動速度を測るといった類のスピードテストは、より実用時に近い速度比較の指標になりえます。
スマートフォンの比較を行うYouTubeチャンネルのPhoneBuffは、iPhone XS Maxと、Pixel 3 XLを用いて様々なアプリを続けて起動した際の合計時間を図るスピードテストを行いました。
スピードテスト動画
テストの内容は、FacebookやWord、ゲームなどの様々なアプリを連続で開く操作を2周行い、全て終わるまでの計測時間を測るものになっています。
1周目の様子(左がPixel 3 XL、右がiPhone XS Maxで、真ん中のアプリが起動中のアプリです。)
Pixel 3 XLは、1周目ではiPhoneからアプリ1、2個分遅れてはいるもののiPhoneのアプリ起動速度になんとか食いついています。
2周目の様子。この時はPixelはiPhoneにアプリ7つ分遅れをとっています。
しかし、2周目になり、Pixel 3 XLはiPhoneに大きく遅れをとり始めます。
最終的にはPixel 3 XLが3:35、iPhone XS Maxが2:30という結果になりました。iPhoneがPixelに対して1分以上の差をつけて終わりました。
Pixel 3 XLのSnapdragon 845よりiPhone XS MaxのA12 Bionicの方が優れているため、アプリの起動時間に関してはSoCの性能の差が出ているのだと思われます。
また、動画を見るに、Pixelは重いアプリのキャッシュを維持せず、2周目にアプリをリロードをしているために起動に時間がより多くかかってしまっています。これはRAMの管理に関する差でしょう。
Pixel 3 XLと、iPhone XS MaxはどちらもRAMが4 GBなのですが、おそらくiOSがAndroidよりもメモリ管理に優れているのでしょう。
動画内でも触れられていますが、最近のフラッグシップ級のAndroid機は、6GB、果ては8GBのRAMを搭載する機種が増えています。Android機の模範となるべきで、あれだけ高価なPixelが4GBのRAMしか搭載しないということが不思議です。おそらく、Googleは、AIによるメモリー管理機能を進化させて行けばRAMは4GBで十分だと考えているのでしょうが、実際はiPhoneよりも劣っているものになってしまっています。
この実験は、通信速度やサーバーの応答速度など、スマートフォンによらない部分の影響も考えられます。また、実際にスマートフォンを使うときにはこんなにアプリを開かないという人もいるはずなので、この実験結果はあくまでPhoneBuffによる特定の環境下での結果であるということを頭にとどめておくとよいと思います。
iPhoneとPixelの、それぞれのスペックはこちらから
Source : YouTube
Via : GSMarena
SD845搭載機、それも4GBの端末が新型のiPhoneに勝てるとは最初から誰も思っていなかったとは思いますが、こういう結果をさておいても、なんだかPixel3は思ったよりも評判がよくないですねえ。あれだけ宣伝していたカメラ性能も含めて、何もかも値段に見合っていない。。。