危機下においてもHuaweiは躍進を続けています。
新型コロナウイルスの影響により厳しい経済活動の制限を受けた中国ですが、その中でもHuaweiは唯一スマートフォンの販売シェア・売上高を増加させています。実店舗による販売は落ち込んだものの、オンラインショッピングによる取引は増加。これにより想定よりも売上が落ち込まずに済んだと見られています。
HuaweiとApple以外は販売シェアを落とす
上図は中国国内のスマートフォン販売シェアを表したものです。2020年1Qと2019年1Qを比較すると、HuaweiとApple以外のメーカーはシェアを落としていることが分かります。Counterpoint ResearchのアナリストであるFlora Tang氏とEthan Qi氏は、中国のスマホ市場について下記のように述べています。
中国のスマートフォン市場が急落したのは、主に2月の売れ行きが悪かったからです。前年比35%の売上減少でした。新型コロナウイルスの影響はありましたが、アリババやJD.comなどのローカルeコマース大手企業からの強力なサポートを得ることができました。これによって、中国国内のスマートフォンの売上は当初の予想よりもマイナスにならなかったようです。
スマートフォンのオンライン販売シェアは、中国国内での売上を比較すると、2019年には約30%でしたが2020年1Qには50%以上に急上昇しました。これはパンデミックが大幅に抑制された後、シェアが落ち込む可能性があります。
Flora Tang氏
HuaweiとAppleは前年同期比で市場シェアを拡大しています。売上高ベースで比較すると、Huaweiは前年比6%の成長、一方でiPhoneは売上高が1%減少しています。これは中国において、iPhone 11がベストセラーモデルだったことが原因と思われます。
実店舗は閉鎖されていたものの売上シェアや売上高を維持できたのは、eコマースプラットフォームでの取引が増えたことが要因です。
Ethan Qi氏
売上高は減少も、5Gスマホが急成長中
上図は2020年1Qの中国国内スマートフォン売上高を前年同期と比較したものです。Huawei以外は売上高ベースでは減少している事がわかります。
しかしアナリストのMengmeng Zheng氏によると、中国では5G対応スマートフォンの売上が伸びているようです。
5G対応スマートフォンが中国で急速に浸透していることを発見しました。
中国の5G対応スマートフォン販売台数は約120%も増加し、2020年1Qのスマートフォン販売シェアの約15%が、5G対応スマートフォンです。
Huaweiは5Gスマホ市場において優位性があります。Huaweiの第1Q売上の半分以上は5Gスマホによるものです。5Gスマホ市場ではHuaweiにつづいてVivo、OPPO、Xiaomiが続きます。
Huaweiは5GフラッグシップのP40シリーズの中国市場向け価格を大幅に下げています。GMS非搭載の影響が少ない中国市場でのシェア拡大・維持を重視しているのでしょう。
オンライン販売の取引量増加に加えて5Gの本格普及が追い風になっている中国のスマートフォン市場。新型コロナウイルスの影響はあったものの、底堅い需要と業界の勢いが感じられました。
中国のスマホ市場がどのように変化するか、今後も注目が集まります。
Source:Counterpoint
xiaomiって意外とシェア低いんだな