5日、韓国サムスン電子の4~6月期の決算が発表され、連結営業利益は前年同期比56%減の6兆5000億ウォンとなりました。日本円では約6000億円です。
サムスンはGalaxyブランドでお馴染みのスマートフォンが有名ですが、半導体産業において世界有数の企業です。需要過多が解消され、米中貿易摩擦などにより世界経済が停滞する中、この主力事業が大きなダメージを受けているようです。
前期となる1~3月期の決算も前年1~3月期比60%減で、業績の低迷が続いています。
主力事業の一つであるメモリ半導体事業ですが、サムスンはDRAMとNAND型フラッシュメモリにおいてどちらも4割近い世界シェアを誇っています。特にDRAMは、ここ一年で5割ほど市場価格が下がり、今後もまだまだ下がる見込みです。サムスンにとってこれが一番の痛手でしょう。韓国では輸出の2割をサムスンやLGなどの半導体が占めています。
米中貿易摩擦に関連して、トランプ大統領のHUAWEI制裁により、HUAWEIへの部品の供給も減っていると見られています。HUAWEIのP30 Proを分解調査した記事によれば、サムスンのNAND型フラッシュメモリがP30 Proにも使われている様子。これはP30 Proの記事ですが、おそらく他のほとんどのHUAWEI製品にもサムスンの部品が使われていることでしょう。制裁の影響でHUAWEIとの取引が減れば、サムスンにとって大きなダメージとなります。
また、先日日本政府が発表した半導体原料の輸出手続きにおける韓国のホワイトリスト除外、俗に言う輸出規制も気になるところです。実際のところ取引が出来なくなる可能性はまず無いと言われていますが、各企業に輸出認可が降りるまでの間、サムスンの先行きへの懸念は高まりそうです。
サムスンを苦しめる4重苦
状況をまとめると、サムスンが現在企業全体として直面している主な問題は、
- 主力の半導体の市況悪化・価格下落
- 世界経済の減速による景気悪化・売上減少
- HUAWEIへの制裁による取引減少
- 日本政府による輸出規制
が挙げられます。多くの主力事業がダメージを受けており、サムスンにとって今年は厄年となりそうです。
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