今回は海外向けモデルとしてサムスンが発売した新型タブレット、Galaxy Tab A 10.1 (2019)をレビューします。
Galaxy Tab A 10.1 (2019)は10.1インチの大型FHDディスプレイを搭載しながらコンパクトなサイズ感が特徴の高コスパタブレットです。
目次
Galaxy Tab A 10.1 (2019)のスペックをチェック
Galaxy Tab A 10.1 (2019)はチップセットにオクタコアExynos 7904(Mali-G71)を採用、メモリは2GBとなっています。また、1200x1920の高解像度ディスプレイ、Type-C端子に6150mAhのバッテリーを搭載しています。
基本スペック | |
---|---|
ディスプレイ | 10.1インチ, 1200 x 1920, IPSディスプレイ, 224ppi |
サイズ | 245.2 x 149.4 x 7.5mm, 469g |
システム | |
OS | Android 9.0 (Pie) |
Soc | Samsung Exynos 7904 (14nm) |
CPU | 2x1.8 GHz Cortex-A73 & 6x1.6 GHz Cortex-A53 8コア, 1.8 GHz |
メモリ(RAM) | 2GB / 3GB |
ストレージ | 32GB / 64GB / 128GB, sd_card microSD最大512GBまで |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 8MP, F値/2.0, LEDフラッシュ |
前面カメラ | camera_front 5MP, F値/2.2 |
センサ類 | 加速度センサ, コンパス, ANT+ |
機能 | 防水 非対応, イヤホンジャック あり |
その他特徴 | Dolby Atmos |
バッテリー | battery_charging_full2.0, Type-C 1.0, 6150mAh |
購入場所、購入金額
出張で滞在しているマレーシアのSamsungストアで購入しました。SamsungストアではGalaxy Note 10のデモ機も体験することができました。
Galaxy Tab A 8.0 (2019)と購入を迷っていましたが、実機を見るとあまりに低いスクリーン解像度と太いベゼルデザインにがっかりしてしまい、Galaxy Tab A 10.1 (2019)を選びました。
購入したのはWi-Fiモデル・2GB/32GB版で価格は日本円で約2万3000円でした。
Galaxy Tab A 8.0 (2019)にはとてもがっかりしましたが、新品・3万円以下・2019年モデルという条件で探していた筆者にとってGalaxy Tab A 10.1 (2019)は魅力的なタブレットでした。
化粧箱・付属品
充電器は海外用のものが付属しています。嬉しいのは充電ケーブル(=充電端子)がUSB Type-Cであることでした。現在使用しているスマートフォンのRealme XがUSB Type-Cで充電する端末のため、一つのケーブルを二つの端末に使うことができます。
そのほか一年間の保証書が入っていました。購入から数日後にSamsungから保証内容確認の電話がかかってきました。
これとは別にSamsung Mobile NewsというSamsung公式ストアで配布されている無料雑誌ももらって帰りました。カラーで内容も詳しく、これを毎号集めるファンもいるそうです。
本体のデザイン
一番気に入ったのはベゼルの細さです。iPad 9.7' (2018)と比べるとベゼルの薄さはGalaxy Tab A 10.1 (2019)が勝っているでしょう。
ホームボタンがないため、ベゼルが全体的にとてもコンパクトになっています。Galaxy TabシリーズのフラッグシップモデルであるGalaxy Tab S6のベゼルの細さには劣っていますが、2万台のタブレットであることを考えればかなり健闘しています。
Galaxy Tabシリーズ本体のデザインは2019年モデルになってとても良くなっていると感じます。2019年モデルからはGalaxy Tab A 10.1 (2019)をはじめとする低価格機種にもアルミボディが採用されており、iPadのようなクールさと美しさが魅力です。
アルミボディは見た目がよいだけでなく、指紋が付きにくい上に汚れの掃除も簡単です。ベチャベチャと触る面積が大きいタブレットだけに、アルミボディのメリットも大きいです。
ソフトウェア・アプリ
ソフトウェアにはOne UIが搭載されています。スマートフォンモバイル上では試していますが、タブレット上でOne UIを使用するのは初めてでした。指のジェスチャも使いやすく、間違って操作してしまうなどのトラブルもなく快適です。
チップセット性能が低いためか、少しモッサリとしていると感じることがあります。しかしミドルレンジのスマートフォンしか使うことがない筆者にとっては問題ない程度です。デバイスケア機能で時々メモリを解放したりしつつ、気にかければ問題ないです。
通知バーから明るさの調整ができるようになっていますが、ちょっとしたカスタマイズもできるようになっていたり、とても使いやすいです。
タブレットならではの便利機能
画面分割は最大で二画面までできるようになっています。画面分割のほか、アプリのポップアップ表示もできるようになっていて、タブレットの画面の大きさを活用できるのがポイントです。
ポップアップ表示でアプリを使うと、タブレットをパソコンのように使うことができてとても便利です。タブレットの性能が原因でサクサクに動かない、ということはなく驚きました。
アプリの画面分割はGalaxyシリーズのデバイスが大昔から力を入れてきた機能です。それだけにタブレットでも使いやすさは高く評価できます。誤って分割サイズ(割合)が変わってしまうなどのトラブルも起きないため、作業に集中することができます。
なお、デスクトップPCのようにタブレットを操作できるSamsung Dexとスタイラスペンには残念ながら非対応。両方使いたい場合はGalaxy Tab S6を買いましょう。
カメラ性能
これは私の自論ですが、タブレットに高いカメラ性能を求めてしまってはダメでしょう。ですが今回は簡単にカメラ性能もレポートします。
Galaxy Tab A 10.1 (2019)は背面に8MP、前面に5MPのセルフィーカメラが搭載されています。
サンプルショットを掲載します。
風景だけでなく食べ物の写真もキレイに撮れています。風景では緑が見にくく、やや色味が薄くなっている印象を受けますが、価格を考えれば悪いカメラでも良いカメラでもないはずです。
写真でメモを残したいときや、書類を撮影してPDF化するなどの目的に使用するのであれば問題ないでしょう。
スピーカー・音質
Galaxy Tab A 10.1 (2019)ではDolby Atmos 3D機能付きとなっていますが、スピーカーと音質のレベルは普通だと感じました。
スピーカー音量は弱く、はっきりと音声を聞くには音量を大きく上げる必要があります。HuaweiのMediapadの一部機種ではスピーカーが本体の上と下の両側に配置されており、横向きでは左右から音を聞けていましたが、Galaxy Tab A 10.1 (2019)はiPadと同様下だけにまとまっています。横向きの状態では片側からしか音が聞こえてきません。
音質は満足できるレベルですが、音楽を楽しむのにはあまり向いていないと感じます。音質が大事でないYouTube動画鑑賞などに使う程度が良いと思います。
イヤホンジャックはきちんと搭載されているため、音量と音質が気になる時はイヤホンを使用しています。
ボタンの配置
ボタンは電源ボタンと音量調節ボタンがあります。どちらのボタンも片面に寄せて配置されているため、机にタブレットを置いても誤動作することはないのが良いポイントです。
ボタンの押し心地はふつうです。作りもしっかりしていて、安っぽさはまったく感じられません。
画面をダブルタップでスリープ解除ができるため、筆者の場合は電源ボタンを押すことがあまりありません。
処理性能・Antutuベンチマーク
Antutuベンチマークのスコアはこのような結果になりました。ゲームなどはサクサクに動いており、問題なく楽しめています。マルチタスク系の動作でも快適に動きます。筆者はメモリ2GBバージョンですが、3GB版もあります。
ゲームはあまりしない筆者はブラウジングやOfficeの使用がメインのため、Galaxy Tab A 10.1 (2019)のスペック性能はまったく問題に感じていません。
ネット上ではGalaxy Tab A 10.1 (2019)でPUBGなどのデバイスへの負荷が大きいゲームでもスムーズにプレイできるという意見もありました。
ここがグッド!「その1」- FHDでキレイなスクリーン
Galaxy Tab A 10.1 (2019)にはFHDのディスプレイが搭載されています。筆者が所有しているiPad Air 2などのタブレットと比べても、ディスプレイの質に大きな差を感じることはありません。
YouTubeなどの動画サービスを楽しんだり、ゲームを楽しむのにも向いているディスプレイだと思っています。
ここがグッド!「その2」- イヤホンジャック+USB Type-C 搭載
Galaxy Tab A 10.1 (2019)でもう一つ気に入ったのがイヤホンジャックとType Cを両方を搭載していることでした。20000円台という低価格ながらUSB Type-Cが採用されているのはとても評価できます。
特別すごい特徴があるタブレットではなかったですが、ユーザーが求めているものを手ごろな価格で全てカバーできているのはサムスンの企業努力だと言えます。
ここがダメ! - とにかくジャマな背面カメラ
Galaxy Tab A 10.1 (2019)では背面カメラがふくらんでおり、机に置くとほんの少しぐらついてしまうのが気になっています。カバーを購入するしか解決方法はないでしょう。
純正ブックカバーは高級感もありデザイン性が高かったですが、価格は6000円と高額でした。このマイナスポイントさえなければGalaxy Tab A 10.1 (2019)はもっと良い製品であったはずです。
これはもうAndroid搭載のiPadだ
筆者はこれまで多くのiPadを所有してきました。石板と呼ばれたiPad(初代)から、Appleファンを驚かせたiPad mini(初代)、そしてiPad Airなどのタブレットです。
Galaxy Tab A 10.1 (2019)は厚さ7.5mmとタブレットとしてはとても薄いのが特徴です。重量も469gと軽量になっています。この重量は両手で長い時間持っていても快適でいられます。片手で持つのも問題ありません。
驚くことにこの数字は新型iPad 9.7 (2018) の厚みと重量とまったく同じなのです。また、どちらもアルミニウムボディを採用しています。(iPad Proは価格が大きく離れているため除外します)
もちろん、チップセット性能やOS、アクセサリの充実度など違っている部分はありますが、新型iPadに似た要素を持ったタブレットが2万3000円で手に入ることには驚きを隠せません。
タブレット選びに悩んでいるAndroidユーザーにはiPadへの移行を考えている方も多いと思いますが、Galaxy Tab A 10.1 (2019)はまさに最適なモデルです。
総合評価
- コストパフォーマンス ★★★★★「これが2.3万円なら買いだ・動画やゲームだけに使う専用のタブレットとして買うのもあり」
- ロック解除方法 ★★☆☆☆「顔認証も指紋認証も使えない」
- 外観・高級感 ★★★★★「ディスプレイ部分のフレームは安っぽさがあるが、全体のデザイン、特に背面は値段以上の高級感がある」
- カメラ ★★★☆☆「背面カメラはふくらみもあってジャマ・性能もすごい良いわけではない」
- 操作感 ★★★★★「One UIはタブレットになっても使いやすい」
Galaxy Tab A 10.1 (2019)でのモバイルデータ・インターネット通信は全て海外で行い、レビューを行っています。
あぁ一応技適の関係で最後の一行ね