サムスンから2020年に発売されたミッドレンジ機のGalaxy A51(8GB+128GB)のレビューです。Galaxy Sシリーズに一切興味がわかなくなるほど完成度が高い最近のGalaxy Aシリーズ(個人的感想です。) Galaxy A50sからGalaxy A51へ乗り換えるというサムスンも腹を抱えて笑うようなマニアの筆者が実機をレビューしていきます。
筆者の意見では、今回の乗り換えは自身にとってメリットが多く、機種単体で考えても非常に良いスマホだと感じました。Galaxy A51は輸入品として日本国内でも出回っていることが確認できる機種です。また、docomoとauからはGalaxy A51 5Gというモデルが新たに登場することも正式に発表されています。5G対応機種であるため当然価格帯は違いますが、同機種はGalaxy A51をベースにした機種のため、多くが似ています。このレビューが読者のみなさんの参考になればうれしいです。
目次
購入について
購入金額は1,100リンギット、日本円で約27,500円程度です。
Galaxy A51には4GB・64GBモデルと4GB・128GBモデル、6GB・128GBモデル、8GB・128GBモデルの四種類が存在していますが(マーケットによる)、今回筆者が選んだのは最上位モデルの8GB・128GBです。
8GB・128GBモデルはGalaxy A51の発表時点で存在していませんでしたが、あとになってインドネシアマーケット向けに追加発表され、各国でも見られるようになりました。
付属品
付属品はサムスンのスマートフォンらしいシンプルな構成です。15W高速充電に対応した充電器は、本体カラーに合わせたホワイトで筆者のテンションがアップ。
そのほかGalaxyらしいダサさもあるがとても実用的なデザインのUSB Type-Cケーブル、誰も使わないであろう安っぽいイヤホンなどが入っていました。
嬉しいことに透明のTPUケースも付属していましたが、今回もSpigen製のTPUケースを使用します。Galaxy付属のTPUケースのクオリティは、OPPOやXiaomiの製品のものと比べるとクオリティは落ちます。よって、「Spigenからケースが発売されていない機種は購入の候補から外す」というケースの品質に強いこだわりを持つ筆者です。
付属品の貼り付け済み保護フィルムをはがし、Spigenのガラスフィルムを張り付けします。同じくSpigenのTPUケースも装着してようやくGalaxy A51が使える状態になりました。フィルムとケースはジャストフィットです。
Galaxy A51のスペックをチェック
基本スペック | |
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ディスプレイ | 6.5インチ, 1080 x 2400, 有機ELディスプレイ, 405ppi |
サイズ | 158.5 x 73.6 x 7.9mm, 172g |
システム | |
OS | Android 10 |
Soc | Samsung Exynos 9611 |
CPU | Cortex-A73 x4 + Cortex-A53 x4 8コア, 2.3 GHz |
メモリ(RAM) | 6GB |
ストレージ | 128GB, sd_card microSD最大512GBまで |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 48 + 12 + 5 + 5MP, F値/2.0, LEDフラッシュ, PDAF, クアッドカメラ |
前面カメラ | camera_front 32MP, F値/2.2 |
センサ類 | 画面内指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス, 顔認証ロック, ANT+ |
機能 | 防水 非対応, イヤホンジャック あり |
バッテリー | battery_charging_full2.0, Type-C 1.0, 4000mAh |
Exynos 9611はGalaxy A50から採用され、三世代目のA51になった今も変更されていません。ガジェットマニアからは厳しい意見が言われそうですが、Galaxy Aシリーズを選ぶユーザーにとって、Exynos 9611は全くもって問題ないスペックであり、普段使いからゲーミングまで快適にこなせると筆者は確信しています。
非常に優秀なチップセットですが、五世代目のGalaxy AシリーズでもExynos 9611を採用していてはさすがにサムスンも許されないでしょう・・・これは筆者からサムスンへの警告です!!
ソフトウェア・アプリ
Galaxy A51には最新のOne UI 2.1が初期搭載されています。筆者にとってGalaxyスマートフォンの価値というのはこのOne UIにあると感じており、Galaxy A51を使ってみてもその印象は変わりませんでした。Android系ではColor OSやMIUIなどを差し置いて最も完成度が高いと筆者は確信しています。
One UIはエントリーモデルであっても軽い操作感が実現できていますが、Exynos 9611搭載のGalaxy A51でも非常にサクサクした操作が可能です。内蔵メモリ8GBであることなども相まって、一切の不満を感じません。
One UIについての詳細は下の記事から確認できます。
高級感はないがさりげないダイヤモンドカットデザインが決め手
Galaxy A51は五色のカラーバリエーションが展開されており、ダイヤモンドカットデザインが背面に施されているのが見た目の特徴です。プラスチック素材ですが、ダイヤモンドカットデザインとオーロラ調の加工がオシャレさを演出します。
Galaxy A50/A50sに比べて角ばったフォルムになっており、手に持った時の違いは明らかです。サムスンのロゴの位置が下に移動されていたり、大きなカメラモジュールなどもあり、非常にモダンなデザインという印象を受けました。
筆者が気に入った点はボタン配置です。本体右側面に電源ボタンと音量ボタンが配置されていますが、Galaxy A50/50sに比べて低い配置になっています。これにより片手操作でもボタンへのアプローチが楽になっています。
また、本体下部の端子部分はラウンド加工がされており、多少雑に端子の抜き差しをしていてもキズが付きにくく、塗装のハゲも起きにくい実用的なデザインとなっています。このようなラウンド加工は長い実績のあるサムスンならではだと感じられます。
五色のうちの一色はシルバーという7月に追加発表された新色です。筆者が選んだのはホワイトでしたが、その直後にシルバーが発表されて涙を流したことを最後に記しておきます。
想像以上に小さかったパンチホールはこの機種の魅力
筆者にとって初体験となるパンチホールを搭載した機種。筆者自身はOPPOやサムスン、Xiaomiなどの機種で見られる小型ノッチに満足していましたが、実際にGalaxy A51のパンチホール型カメラを目にするとそのコンパクトさに驚きました。Galaxy A51のパンチホールはやはり2019年ごろ発売の機種のものと比べるとやはりそのサイズは小さいです。
パンチホール型カメラと角まで最大限に引き延ばされたディスプレイによって、YouTubeなどの動画コンテンツはもちろん、ゲームやブラウジングなどでも没入感を感じることができます。パンチホールというのはフルスクリーン表示に対応したアプリであればその強みが活かせるでしょう。
ロック画面での顔認証時やビデオコールでフロントカメラを使用している最中はパンチホールを囲むようなエフェクトが出現します。小さなアクセントですが、パンチホール搭載機種ならではだと思えました。
カメラのクイックテスト - クアッドカメラの性能はいかに
Galaxy A51のカメラはリアがクアッドカメラ、フロントがパンチホール型シングルカメラとなっています。このレビューではサイトの性質上フロントカメラのサンプルショットは上げず、リアカメラのみを評価します。
ギラギラしすぎないが映える色味がグッド
通常モードで撮影したサンプルショットを掲載します。
ギラギラと不自然に調整されたわけでもなく、ナチュラルさを残しつつ映えるような色味の写真が撮影できます。
マクロレンズで撮影パターンが新しく広がる
Galaxy A51に搭載されている背面の四つレンズのうち一つはマクロレンズとなっています。マクロレンズはこれまでのスマートフォンでは珍しいものとなっていますが、これによってこれまでとは違ったフォトグラフィーを楽しむことが可能です。
マクロレンズとは文字通り「近接撮影」のために用意されており、通常はボケてしまって難しい至近距離での被写体撮影を可能とします(Galaxy A51の場合は3-5㎝の距離を想定)。ただし、レンズを被写体に近づけてもきちんとピントが合ってしまうため、誤ってレンズと被写体を接触させないよう注意が必要です。サンプルショットを掲載します。
どのメーカーもマクロレンズ機能をプッシュする際は植物を被写体としていることが多いです。Galaxy A51のマクロレンズも、植物や昆虫などに接近して撮影する使い方が一番楽しめるでしょう。サンプルショットのように食べ物を被写体としても新たなカメラ体験ができます。
筆者としてはこのマクロレンズは気に入りました。エントリーモデルのマクロレンズとは異なる、一般ユーザーは充分満足できる完成度だと言えます。
一眼カメラで撮影した写真としてSNSにアップロードしても、多くのフォロワーはその嘘に気づけないかも・・・しれません。
ライブフォーカスでボケを加えた演出を楽しむ
一眼レフと呼ばれるカメラとスマートフォンのカメラで撮った写真を比べた時、素人が気付ける違いの一つはボケの有無です。ここ最近のスマートフォンにも深度センサーと呼ばれるものやAI技術が採用されたことで被写体との距離を測ることができ、そこからボケを加える撮影ができるようになっています。
Galaxyスマートフォンではこのポートレート撮影をライブフォーカスと呼んでいますが、Galaxy A51のライブフォーカスもなかなかのレベルに達しています。
メインの被写体と背景の境界は所々不自然になっていますが、拡大をしなければ分からないレベルです。まして、SNSなどでオリジナル画質から下げてアップロードする場合ならほとんど気づけないでしょう。3万円以下で買えるスマートフォンのマクロレンズでこのレベルの写真が撮影できることに驚きです。
撮影後でもボケの具合を段階調整できるようになっており、非常に便利で実用的なライブフォーカス機能です。
超広角レンズは安定した使用感が良い
超広角レンズの主な使い道は景色や空間の撮影になるでしょう。一枚目と二枚目の写真を比較しても、二枚目の広角撮影では明らかに全体的に奥行きと臨場感が増していることが分かります。
12MPの超広角レンズというのは、価格を考えれば気合の入ったチョイスです。それでもやはり、撮影後の写真を見ると荒さが目立つため、一般ユーザー目線ではさらに高い解像度が欲しいと感じました。他社では48MPの超広角レンズを採用しているところもあるため、今後に期待がされます。
ナイトモードも満足できるレベル
二枚を比較すると、Galaxy A51で撮影した写真の方が夜空の色が実際に近いです。それでもやはり肉眼で見た夜景とは大きく異なっていますが、満足はできるレベルです。撮影者のレベルや撮影シーンによっては良い夜景が撮れるポテンシャルもあると感じられました。
やはりフラッグシップ機種のように夜景を撮影することはできません。
ズーム撮影は10倍までのデジタルズームに対応
ズームは最大で10倍までのデジタルズームに対応します。遠く離れたビルの写真(10倍ズームで撮影)を例にしますが、極端に荒くなることもなく、ズーム機能としてはきちんとしています。
さすがにビル内部の人物までは分かりませんが、照明がついているオフィスの存在は確認できます。
32MPも対応フロントカメラは美肌効果大
フロントカメラについても少しだけ触れます。エフェクトなしでもセルフィーは自動補正がされるようになっており、美肌効果が期待できます。光が多少弱いところでも輝度が自動調整され、ほくろやちょっとしたニキビなどであれば一切分からなくなります。女性ユーザーにとってはうれしいポイントです。前モデルのGalaxy A50sからセルフィーカメラとしての性能は確実に向上しています。
32MPモードも搭載されていますが、一枚あたりの容量も大きく、肌色の調整もなしです。
ディスプレイはSuper AMOLEDで発色もバッチリ
ディスプレイの輝度は全く問題なく、晴天下では明るさを50%ほどまで上げれば高い視野性が確保できます。Super AMOLED採用ということで、発色もはっきりしています。ただし色味の調整というのはユーザー側ではできないようになっています。
中華メーカーでさえもミッドレンジ機種ではAMOLEDではなくIPS LCDディスプレイを採用することが多いのが現状です。そんな中でGalaxy A51はSuper AMOLEDがきちんとチョイスされているのはサムスンの評価されるべきところでしょう。
ミッドレンジだってサムスンのエコシステムがちゃんと使える
Galaxy A51はミッドレンジ機ですが、サムスンのエコシステムも使えるようになっています。決済系のSamsung Payを使えばマクドナルドやレストランでもキャッシュレスで代金の支払いが可能です。国と地域によって異なりますが、クレジットカードが使える店舗であればほとんどの場合Samsung Payが使えます。これはSamsung Payが独自決済用端末を必要としないことが理由です。Samsung Payによって、代金が銀行口座から直接引き落としがされるキャッシュレス環境を作り出すことが可能です。
また、Samsung Flowと呼ばれるパソコンとスマートフォン間の画面ミラーリングやファイル移動などの機能を搭載したものも使用が可能です。ほかにもSamsung Cloudなどに対応します。
4,000mAhのバッテリーと15W高速充電には満足
Galaxy A51のバッテリー容量は4,000mAhとなっています。充電については15Wの高速充電に対応と、極端にすごい数字ではありません。サムスンのGalaxyシリーズでは平均的ですが、やはり中華メーカーの製品と比べると高速充電技術にやや保守的な印象です。0%から100%までのフル充電には、120分を切る程度の時間が必要です(付属の15W充電器)。
筆者のライフスタイルでは、外出時のSNSチェックや音声通話、ブラウジングなどがメインです。WiFiの使えない場所ではテザリングにGalaxy A51を使用することもあります。バッテリーは80%前後まで充電し、10%を切ったところで再度充電器に接続します。このような使い方でも1日は電池が持ちます。
筆者がGalaxy A51に求めたいのは25W高速充電やワイヤレス充電ですが、この条件を満たすためにはフラッグシップを探す必要があるでしょう。
ミッドレンジとしては完成度の高いスピーカーに驚く
筆者がGalaxy A50sからの乗り換えということもあって比較が多くなっていますが、Galaxy A50sよりも明らかに向上した音質に驚きました。ボリュームも出るようになり、低音のクオリティも上がっていることが分かりました。モノラルスピーカーですが、本体を手で握っているだけでも音の感触が手に伝わってくるほどです。
スピーカー性能をセールスポイントにしていないミッドレンジスマートフォンとしては、非常に良いレベルのスピーカーが搭載されていると感じました。Dolby Atomosにも対応していますが、イヤホンでの使用に限定されています。
総評 - ミッドレンジスマホを買うならGalaxy A51をチョイスせよ
一般的にハイエンド機とは違い、ミッドレンジ機はユーザーにとって機種の決め方が難しいカテゴリです。メーカーによってコストパフォーマンスの度合いも違い、実際に手に取ってみた時の操作感はスペックシート上からは想像が難しいこともあります。
Galaxy A51はサムスンが最も力を入れて売りに出しているミッドレンジ機でああり、すべてにおいてバランスが取れた良い機種だと実機を手にした筆者は再確認しました。
女性にも男性にも扱いやすいであろう重量とサイズ感、サムスンならではの高いビルド品質、パンチホール型カメラや薄いベゼルなどから感じられるモダンデザイン、One UIという完成形のOSなどの魅力がGalaxy A51にはあります。また、4,000mAhと大きいバッテリーにUSB Type-Cと15W高速充電機能、Super AMOLEDディスプレイなどスペック面でも欠点がないという強みがあります。一般のユーザーであれば、この機種の欠点を見つけることはできないでしょう。Galaxy A51はそれだけ完璧なスマートフォンだと言えます。
今世界で一番売れているAndroidスマートフォンとも言われるこのGalaxy A51は、オーナーを選ぶことをしない、非常にバランスの取れたミッドレンジスマートフォンであると筆者は評価します。サムスンが造りたかったのは、コストパフォーマンスだけを訴求する機種ではなく、すべてのユーザーにとって気に入ってもらえる機種だったのでしょう。それが今回レビューしたGalaxy A51なのです。
Galaxy A51でのモバイルデータ・インターネット通信は全て海外で行い、レビューを行っています。
技適は?