実機レビュー:Xiaomi Mi 10【バランスの取れたハイエンド機】

Xiaomi Mi 10は2020年2月に発売されたスマートフォンで、6.67インチディスプレイにSnapdragon 865を搭載しているのが特徴です。

投稿してくださったにんじん様、ありがとうございました。

Xiaomi Mi 10のスペック概要

基本スペック
ディスプレイ6.67インチ, 1080 x 2340, 有機ELディスプレイ, 386ppi
サイズ162.6 x 74.8 x 9.0mm, 208g
システム
OSAndroid 10.0
SocQualcomm Snapdragon 865
CPUKryo 585 8コア, 2.84 GHz
メモリ(RAM) 8GB / 12GB
ストレージ 128GB / 256GB,  microSDスロット無し
カメラ
メインカメラ 108 + 13 + 2 + 2MP, F値/1.7, クアッドカメラ, OIS(光学手ぶれ補正), LEDフラッシュ, PDAF
メインカメラ特徴
前面カメラ 20MP, F値/2.0
センサ類 画面内指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス, 気圧センサ
機能防水 非対応, イヤホンジャック なし
その他特徴ハイレゾ対応
バッテリー2.0, Type-C 1.0, 4780mAh
https://telektlist.com/smartphone_info/xiaomi-mi-10/

購入について

購入の決め手

最新SoCのパフォーマンスを体感したくて

購入場所・購入時期・購入価格

購入場所:GearBestプレセールにて購入
購入時期:2020/3/29
購入価格:699USD+送料

購入モデル

グローバル版Mi10、メモリ8GB、ストレージ128GB、Twilight Gray

化粧箱・付属品

外箱はごつくてでかい

外箱は上から開ける一般的なタイプで、シルバーのパール効果のあるコーティングがされており、高級感があります。箱自体かなり大きいもので、本体の大きさが想像できます。

付属品は一般的

内容物は本体のほかにヨーロッパ仕様プラグの高速充電器、USB Type-A to Cケーブル、USB Type-C to 3.5mmイヤホンジャックケーブル、SIMイジェクトピン、欧州14か国語の記載があるユーザーズガイド、保証についての小冊子のほか、TPU素材の透明なケースが付属しています。新型コロナの影響か、かすかにエタノール臭がするものでした。


なお、スクリーン保護フィルムは同梱されていませんが、本体にあらかじめTPU素材と思われるグレアフィルムが貼り付けてあります。

素材ゆえか傷がつきやすく、細かなホコリを吸い寄せるため運用時の見栄えは気になりますが、ズレや気泡の混入などはなく、エッジスクリーン部も含めてキレイに貼られています。

本体デザイン

背面: カラー◎、クオリティ○、カメラ△

背面カラーはTwilight Grayとのことでしたが、実際の色はスチールブルーに近い、彩度の低い青のように見えます。背面はガラス素材に特殊処理が施されており金属光沢を放っています。

パールや雲母などの効果はないため、光の当たる角度によって色相が変わったりはしませんが、むしろそれが落ち着いた高級感を演出していると感じます。

大きさ比較のため、iPhone 7と並べてみました。

フレームも金属に同様の処理がしてあり、色味も手伝ってアンテナラインはさほど気になりません。

フレームとバックパネルの継ぎ目はやや気になる(0.3ミリぐらい)の段差があります。ハイエンド機の割にはRedmi K20と同クラスの精度のように見受けられ、やや妥協した跡を見つけてしまったものの、これで必要十分なのかもしれません。

背面カメラは四眼ですが、3+1にグルーピングされているのは変わったデザイン処理だと思います。

個人的にはあまり圧迫感がないレイアウトで好ましいですが、メインクラスターの厚みは実測で2ミリ弱とかなり出っ張ります。ほぼ垂直に2段階で立ち上がっており、かなりホコリがたまりそうな不安があります。

前面: 狭額縁感はそれなりにある

表面側は最近流行のエッジディスプレイで、左右は直上からの実測で1.8mm程度と狭額縁感はそれなりにあります。

上下ベゼルは上4mm弱、下5mm弱で、こちらもそれなりに頑張っているといえるでしょう。

ディスプレイ

エッジスクリーンは控えめ、パンチホールは慣れか

左右に曲面のついたエッジディスプレイにパンチホールインカメラの組み合わせという「今風」の構成です。エッジはさほど極端なものではありません。oppo FIND X(初代)よりもアールは小さく、平面スクリーンになっている部分は比較的広いです。

パンチホールは直径4mm程度ですが、まだ慣れないせいかステータスバーを見るたびに違和感があります。

個人的にはステータスバーの高さを極力抑えたいのですが、カメラのせいでそれができないのはとても残念。画面端からの高さは現状6mmで、フルスクリーンのK20 Proより1mm、初代Mi Mixより2mm広がりました。

発色は多少盛っている感あり

発色は有機ELらしい鮮やかなものですが、多少どぎつさを感じます。目が疲れてしまった場合は設定でかなり幅広く変えられるため、そちらを活用するのがよいと思います。

色の転びは素人の私が見た感じでは無視できるレベルで、きちんと較正されているようでした。

90Hzのスクロール感は良好

Mi10は90HzリフレッシュレートのFHD+、6.67インチのディスプレイを備えています。

ゲームをしない私はあまり高レートに意味を見出せませんが、ブラウザのスクロールなどは明らかに60Hz機よりもスムーズで、残像は気になりません。GPUの性能と相まって非常に快適な操作が可能です。

ソフトウェア・アプリ

熟成が進んだMIUI 11

賛否両論のドロワーがないMIUI11がインストールされています。

UXについては慣れの部分が大きいので一概に言えないとは思うのですが、私にとってはシンプルなアイコンとあまりどぎつくない適度な主張の色遣いは好ましいです。

フルスクリーンジェスチャーの横からスワイプして止めるアクションが割り当てられ、アプリの切り替えが楽になりました。ボタンが恋しい方はQuick Ballというフローティングボタンも標準で利用できます。

付属アプリ: Mi Remoteも

付属アプリで一番お世話になるのは「セキュリティ」でしょうか。

メモリクリーナー、ウィルススキャン等が一つのパッケージになっており共通のUIで操作できます。下手に動かすと動作が不安定になりかねないこの機能群、メーカー謹製のものがついていると安心できます。

驚いたのは家電のリモコンとなるMi Remoteがプリインストールされていたこと。Xiaomiのナンバリングハイエンドを使うのは初めてなのですが、MIXシリーズについていなかった赤外線に対応しているとは意外でした。肝心の使い心地は、私の周りに対応している機器がほとんどなかったため正直微妙です。

その他のアプリはZenfoneやXperiaにもよくある機能被りのものなので、ランチャーを含め適宜使いやすいものに置き換えるのがよいでしょう。

まず実施したいこと

Xiaomi機はデフォルトで日本のVoLTE回線対応が無効になっています。VoLTEを有効にしたい場合、通話アプリから*#*#86583#*#*(86583=VOLTE)と入力してキャリアチェックを無効にしましょう。

またUSBデバッグを有効にするにはSIMとMi Accountが必要です。Mi Accountは電話番号ではなく、できれば数字10桁のIDを取得しておくと、機器の買い増しや更新の時にいろいろ捗ります。

広告: 見かけない

MIUIには広告が表示されるという噂がありますが、現在まで使用した中では広告が表示されたことは一切ありません。グローバル版のROMをそのまま使っている場合は気にする必要がないというのがこれまでの結論です。

残念ながら技適はない

最後に、残念ながら技適はありません。日本での早期販売は期待できそうもありません。これを売らないで何を売るんだ、って気もしますが。

動作・ゲーム性能

速度: 何も言うことはない

爆速です。Antutuでおなかいっぱいです。

GeekBench 4.4.2ではSINGLE:4260、MULTI:13291という値が出ました。

その他: DRM、GPS、Project Treble

DRM WideVineはL1を取得しているので、NetflixやAmazonプライムはHD視聴が可能です。
アンロックするとL3になると思われますので、こちらの用途が気になる方はROM焼きは自重しましょう。

GPSは定位がびっくりするほど早いのと、アンテナの受信効率が非常に高いのが特筆されます。補足している衛星を表示すると気持ち悪いぐらい出てきます。その数64個(!)。Redmi K20proの1.5倍の星の数、へたれGPSのMi Mix3の約10倍の速度での定位という驚きの結果を得ました。

Project Treble対応、System-as-root対応、A/B非対応。一般的な構成です。最新機種のためか、Google ARCoreにはまだ対応していないようです。部屋にネコを出せないのは残念です。

カメラ性能・写真サンプル

あまり写真の評価は得意ではないので個人的な感想であることをおことわりしておきます。

なお緊急事態宣言下、徒歩で移動できる範囲での撮影を行っています。

標準

近遠景の評価のためベンチと店舗それぞれにフォーカスを合わせて撮影。ToFセンサーを持っているため、きちんと距離に合わせて被写界深度が取れているように見えます。色味も安定して、午後の日差しと素材の質感がきれいに出ていると思います。

ポートレート

鉢植えの花と団地の花壇のツツジを撮ってみました。鉢植えは順光で光に恵まれたため透明感が出て非常に彩度の高い画像となっています。

逆に日陰で撮ったツツジはボケはきれいに出ていますが、花弁が若干白飛びしている印象があります。

広角

同じ画角で標準(x1.0)と広角(x0.6)を撮影。周辺の魚眼ゆがみは意外ときちんと補正されているように見受けられます。

ナイトモード

街灯があり、さほど暗くはないロケーションですが、光量の多さに驚きます。ここまで明るくする必要ないのに、とすら思えます。

1秒以上シャッターを開放している感じなので、保持には注意が必要です。

HDR

松並木の遊歩道を順光で。

黒つぶれ、白飛びはありますが全体のダイナミックレンジは特に問題ないレベルかな、と思います。なお逆光撮影の場合、ゴーストはほとんどありませんでした。

108MP撮影

Mi10の売りの一つ、108MPの超高解像撮影にも挑戦。遠景の江の島をあえて狙ってみました。

展望台をクロップした結果をあわせて示しますが、それなりに表現できていると思いませんか?

なおGoogle Mapsで測定すると、撮影ポイントからクロップした地点までの距離は、3.3Kmです。また前述の広角の画像を108MPで撮ると、先頭に止まっている50プリウスタクシーのナンバープレートが完全に読めます。

ここまでの解像度が必要かどうかと問われると使い道はあまり思いつきませんが、テクノロジーの進化を感じます。なお画角は標準よりも若干広角よりかな、という印象です。

HEIF: バグなのか、仕様なのか

Mi10のカメラはHEIFフォーマットでの保存が可能です。「カメラ」アプリの設定から簡単に変更できます。「標準」項目をjpegで、「広角」項目をHEIFFで保存していますが、前者が15MB程度なのに比較して後者は2MBと、かなり容量を圧縮できます。

ただし注意してほしいのが、108MP撮影の場合、設定にかかわらずjpegで保存されます。一番データをシュリンクしたい108MPでHEIFが使えないのは本末転倒です。バグならば改善を望みます。

カメラアプリは一般的なUIでさほど操作に戸惑うことはありませんが、やはりPROモードになると設定項目が増えてしまい混乱します。この点は物理ダイヤルの操作系がある一眼等にはかなわないのは仕方のないところでしょう。

スピーカー・音質

スピーカーは思いのほかステレオ出力です。きちんと音が分離しているのがわかります。音量もそれなりに大きく、自室での動画視聴でなら何の不満もないと思います。

イヤホンのほうは試せていないですが、Bluetoothはほぼフル対応しているようです。

私の手元にAptX LE対応のBTトランスポートがないので、これはいつか手に入れてみたくなりました。

電池持ち・充電速度の印象

消耗: 過度な期待はしないほうがいい

90HzディスプレイとSDM865という重装備のため、5Gを無効にしても電池持ちは「よくもなく、悪くもない」というのが最大限の評価です。

ゲームなどをヘビーに遊ぶ場合、1日持たないかもしれません。

充電: oppo等にはやや劣るが後方互換性に好感

充電は専用の充電器とケーブルの組み合わせに限り、実測で約22W(9.37V/2.35A、80%充電時点)の値が出ました。この組み合わせはVBus Hotで、専用のプロトコルを用いているようです。

充電時の画面に""Turbo Chhaege""みたいな表示が出て、バッテリー容量が0.01%単位で分かるようになります。このへんがXiaomiらしくGeekっぽいですね。

またQuickCharge、USB PD対応の社外充電器で測定したところ、それぞれ17W、15Wでネゴシエーションしたようです。あまり充電時間にこだわりがなければ広く普及している充電器でも高速充電ができる互換性を確保しているのは歓迎したいところです。

その他

重大なポイント

Mi10グローバル版は「シングルSIM」です。

マニュアルにもSIM2について一切記載がなく、テストモードや端末の状態にも2番目のSIMに関する情報は表示されません。デュアル運用を想定されている方はご注意ください。

ブートローダーアンロック

ブートローダーアンロックに必要な時間(通称「お勤め」)は168時間=7日間です。ここ1年ぐらいでやっと仕様が固まってきたものと見えます。

使用したMi Unlockのバージョンは3.5.719.27。通信できるSIMが必要ですが、いつぞやのように野良プロキシを使って大陸のVPNにつながなくても大丈夫です。

まとめ

良い点

①落ち着いたデザイン
②2020年時点でほぼ最強の各種スペック
③使い慣れたMIUI(個人的に)

悪い点

①Xiaomiらしからぬ価格設定
②常用するのにはほぼ限界の大きさ、重さ
③まだ慣れていないパンチホール

全体的な感想

設計に妥協しなくてよいハイエンド機、当たり前ですがモノとしては非常によくできています。108MPカメラを除けば他メーカーのハイエンド機と取り立てて差別化ポイントとなる点はありませんが、逆にバランスがよく取れている良機だと思います。

またブートローダーアンロックが比較的簡単にできる点、コミュニティが活発な点(日本語での情報を探せばそれなりに見つかる)も利用者にとっては心強いと思います。

MIUI自体のサポートも他のベンダーに比べて長いですし、シングルSIMであるというポイントを押さえたうえで数多ある中華スマホの中からでもMi10を選ぶのは悪い選択ではないと思います。

評価:  4.5/5点

価格・購入先

Mi 10の 8 GB/ 128 GB モデルの発売時の価格は日本円で約 63,000円でした。購入時の参考にどうぞ。

現在、通販サイトでの購入が可能です。

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