Smartisan Nut Pro 3は2019年11月に発売されたスマートフォンで、6.39インチディスプレイにSnapdragon 855+を搭載しているのが特徴です。
投稿してくださったGranite様、ありがとうございました。
目次
購入について
購入の決め手
個性的な外観のスマートフォンが欲しかった
購入場所・購入時期・購入価格
購入場所:Aliexpress
購入時期:2020/3/10
購入価格:365ドルで購入
購入モデル
8GB/128GB、本体色ブラックのモデル。Playストア・日本語対応の記載あり
化粧箱・付属品
箱はスリーブ式で、ハイエンド端末らしく凝った作りで安っぽさはありませんでした。付属品はTPUケース、ACアダプタ、USB Type-Cケーブル、USB to 3.5mmアダプタで、イヤホンは付属していません。
ACアダプタはUSプラグで、5V・3A対応のものが付属します。
本体デザイン
本端末を購入した最大の理由であり、金属とガラス製の角張ったデザインは、5SあたりまでのiPhoneを彷彿とさせます。
ボタンは、右側面に電源と音量、左側面にショートカットキーがあります。いずれも明確なクリック感があり、押した感覚は良好です。
背面は光沢があるフラットなガラス製で、カメラ類とSmartisanのロゴ以外すっきりしていて美しいです。ただしその代償として、背面がラウンドした他社端末のような持ちやすさはなく、手に持つとはっきりと角の存在感があります。
また背面カメラは端末左上に位置しており出っ張っているため、平らな場所に端末を置いて操作するとぐらぐらします。
SIMスロットはnano×2で、SDカードなど拡張ストレージには非対応。前面ディスプレイの左上に通知LEDがあります。
ディスプレイ
6.39インチFHD+のAMOLEDディスプレイで、発色・解像度は良好です。購入時点で保護フィルムが貼られていました。
中央上部のノッチがありますが、設定でステータスバーと一体化させて隠すことが可能です。
画面内に指紋センサーがあることに加えてフロントカメラでの顔認証に対応。いずれも感度は問題ありません。
ベゼルが厚く、他社フラッグシップに比べると見劣りしますが、使っていて気になるようなことはありませんでした。
ソフトウェア・アプリ
OSはAndroid 9.0ベースのSmartisan OS 7.0で、噂通りかなりカスタマイズの入った独特な仕様です。独自機能については後述します。
Android 10やMIUIと同様な挙動のジェスチャーナビゲーションに対応しますが、画面下部に薄いバーが残るAndroid 10と異なり、画面の表示領域をフルに使えます。表示領域が広くなるのはメリットではありますが、画面下部を使う「ホームに戻る/アプリを切り替える」ナビゲーションが文字入力中も容赦なく発動するので、フリック入力には慣れを要します。
ホーム画面はiPhoneのようにインストールしたアプリがタイル状に並んでいくタイプのもので、ウィジェットの設置はできません。
唯一左端のページにはショートカット・ウィジェットが設置できますが、設置できるのは音楽プレイヤーやニュース、天気予報など、メーカー側が用意したごく一部のものに限定されます。ウィジェットの中身も基本的に中国向けサービスから変更できないため、日本国内での活用はあまり現実的ではないように思います。
通知パネルは上からプルダウンする形で、左が通知、右がスイッチボタンに分割されています。
プリインアプリはアプリマーケットなどSmartisan独自のサービスがいくつかインストールされていますが、基本的に中国国内向けな上、利用にはアカウントを取得する必要があるため、私は使用していません。
届いた時点でPlayストアはインストールされていましたが、他のGoogle系アプリは別途インストールする必要がありました。
ショップROMの対応言語に「Japanese」があり、日本語使用は問題なく、OSのアップデートも降ってきました。ただし、中華フォントは残っており、設定項目の一部に英語や中国語のままになっている箇所や日本語がおかしい箇所が散見されます。
動作・ゲーム性能
SoCがSnapdragon 855+、メモリが8GBというスペックだけあって、処理でもたつきを感じることはまずありません。OSの動作面もとくにおかしなことはなく、安定した挙動を見せます。
処理性能の参考として、Antutu V8.2.9とGeekbench 5.1.1のスコアが下記の通りです。
カメラ性能・写真サンプル
カメラは4眼でメインセンサーはIMX586。普通に撮ればきれいな写真が撮れる印象で、価格を考えれば悪くないと思います。超広角も歪みなく撮れていました。
夜景モードも悪くありませんが、モードを手動で切り替える必要があるほか、撮影中は数秒間端末を保持する必要があります。
また、モノクロ・フィルム風など、撮影中にエフェクトを掛けられるモードがあります。
スピーカー・音質
本体スピーカーはモノラルで音質・音量ともそれなり。際立って良いというほどのものでもなければ、逆に悪いと言えるものでもありません。
Bluetoothはapt-Xコーデックに対応しており、満足のいく音が出ます。LDACなど他の高音質コーデックへの対応状況は、対応機器を持っていないため不明です。
USB経由の有線オーディオ接続も、音質は良い部類に入ると思います。通話音質は試していないためわかりません。
電池持ち・充電速度の印象
バッテリー容量は4000mAで、最近の端末としてはそれほど多いとはいえませんが、電池の減りが早いと感じたことはありません。
ただしあくまでサブ機として運用した感想のため、メイン機として使用した場合どうなるかはわかりません。
その他独自機能について
・One Step
メインアプリ1つとサブアプリ3つをストックし、すぐに切り替えられる形で保持することができます。One step起動中はメイン表示のアプリを切り替えた後もサブ表示のアプリは動作し続けるため、通常のAndroidのタスク切り替えと異なり、動画サイトで音を流したままブラウザを開くなどの動作が可能です。
ただし、個々の窓の大きさは変更できないほか、動画サイトやメディアビュワーなどの全画面モードを起動するとOne stepは自動で解除されます。
・idea Pills
ショートカットボタンから起動し、ワンタッチでメモ・todoリストなどを作成し保存できます。メモにはファイルの添付やカレンダーとの同期機能も備わります。
他にカメラで文字を認識して翻訳やテキスト化ができるBig Bang、外付けディスプレイと接続することでデスクトップモードのようなものが使用できるSmartisan TNTなどがありますが、それらは使用していないため評価できません。
まとめ
良い点
・このスペックの端末としては安価な点
・挙動に慣れてくると扱いやすいOS
悪い点
・詰めの甘さ(ショップROMの動作は問題ないが、言語関係なくダサいフォントなど)
・グレードによって異なるカラーバリエーション(最低グレードで選べるのはブラックのみ、グリーンは最高グレードでしか選べない)
全体的な感想
主に本体デザインに惚れて購入しましたが、安価でありながらブランドのフラッグシップらしくディスプレイ・処理性能・カメラ性能など高い水準でまとまっており、満足度は高いです。
ただし、中国国内での使用が重視されたシステム周りや不完全な日本語化、日本で使うには厳しい対応LTEバンドなど、日本国内でメイン端末として使うにはハードルが高い印象です。また、独自機能については、日本語はおろか英語の情報源すらほとんどないので、ある程度自力で解決するか割り切ることが求められます。
とはいえ上記の点を理解しておけば、所有感を強く満たしてくれる端末には違いないので、少し変わったサブ端末が欲しくて見た目に惹かれたならばきっと買っても後悔しないでしょう。
以上、ご覧いただきありがとうございました。
評価: 4.5/5点
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