ドイツの連邦機関であるBundesamt für Strahlenschutzが行った調査の結果から、電磁放射線放出量が高いスマートフォン、反対に少ないスマートフォンのリストが公開されました。
電磁波の放出量が高いスマートフォン
調査結果(リスト1)からは、特定のスマートフォンから高い電磁波が放出されているというよりも特定のメーカーのスマートフォンから高い数値の電磁波が放出されていることが分かります。
リストからはXiaomiとOnePlusのスマートフォンからは平均して他のスマートフォンに比べて高い数値の電磁波が放出されているようです。
この調査に対して、Xiaomi(インド)は「我々はインド国内の法律で定められた基準値を守った上で商品を販売している。」というコメントをGadgets360に対して発表しています。
また、OnePlusについては、5から5T、6、最新作の6Tまで全て上位を占めるという不名誉な結果になりました。
この図表の数字ですが、比吸収率(SAR)とよばれるもので、この数値が低ければ低いほど人体が吸収する電磁波の量が少ないということになります。
比吸収率(SAR):生体が電磁界にさらされることによって、単位質量あたりの組織に単位時間に吸収されるエネルギー量をいいます。単位はW/kg(ワット毎キログラム)で表されます。(総務省公式ホームページより)
局所SAR(スマートフォンを頭部に近づける場合の基準比吸収率)という項目の数値が2W/kg以下であれば人体に悪影響がないとされているため、リスト内のスマートフォンは全ての機種がその基準値をクリアしていることになります。
日本の総務省では、携帯電話からの電波について、比吸収率は0.183W/kg~1.60W/kgの範囲ということで認識しています。よってXiaomi Mi A1の数値は一般的なスマートフォンに比べるとやや高めであることが分かります。
電磁波の放出量が低いスマートフォン
一方でSamsungやZTEのスマートフォンからは電磁波の放出が少ないという結果(リスト2)になっています。昨年からアメリカにその製品のセキュリティ面を指摘されているZTEですが、今回の調査結果は同社にとってアピールできるものだったのではないでしょうか。
ZTEの他に、Samsung製のスマートフォンも全体的に低い比吸収率(SAR)を記録しています。Galaxy Note 8に限っては0に近い数値を叩き出しています。
最後に
スマートフォンから発される電磁波が人間の体に悪い影響を与えていることは以前から海外の研究機関などから指摘されているものの、証明はされていないのが現状です。日常生活でも電磁波から避けることは不可能ですが、浴びる量を減らすことに越したことはありません。
体を電磁波から守るために、スマートフォンを睡眠時に離れた場所に置くことが予防効果がある方法として専門家から紹介されている例もあります。また、カナダ政府はスマートフォンでの長時間の音声通話は電磁波の問題から体によくないとし、長くなる場合はできるだけテキストメッセージでの連絡を心がけるよう進めています。
基本的に局所SARで定められた2W/kg以下という基準を下回っている限り、人体への悪影響はないとされています。
ただ、Samsung、ZTE、LGなど老舗スマホメーカーの方が電磁波の放出が少なかったという結果は、技術・ノウハウの蓄積がある老舗メーカーのスマホが、新興メーカーと比べて表向きの性能以上に強みを持っていることの証明なのかもしれません。
なお、この記事及び調査には特定の企業・製品を誹謗中傷する目的はありません。
Source:Gadgets360, statista, Bundesamt für Strahlenschutz
参考:総務省公式サイト
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情報ありがとうございました。
参考にしたいと思います。