クアルコムを取り巻く危機的な状況【コラム】

SnapdragonシリーズをはじめとするモバイルSoCや通信モデムの製造・販売で有名な米クアルコムを取り巻く状況は決して良いとは言えないようです。

Qualcommは第三四半期の報告書にて前年比73%増の96億ドルの収益を発表しました。これを見ると順風満帆にも見えます。ですが、決算を受けて株価は5.69%下落しました。いったいなぜでしょうか。

実は、96億ドルの収益のうち47億ドルはAppleとのグラフィックスやダウンロードの高速化システムなどといった特許技術の使用料を巡る裁判の和解金です。そのため実際の収入は49億ドルで、前年同期より13%減少しました。

しかし、株価の下落は実収入の減少だけが理由ではありません

なぜ株価が落ちてしまったのか、それは複数の逆風によってクアルコムが危機的な状況に陥りつつあるからです。

4つの理由に分けて解説します。

①競合他社の締め出しによる罰金

2011年から2016年の間、Qualcommは数十億ドルの報酬を支払うことによりiPhoneLTEモデルを独占供給するという契約をAppleと結んでいました。この行為が「市場での正当な競争を阻害する」として反トラスト法に違反したとされ、EU12億ドルの罰金を科されてしまいました。

Qualcommのビジネスモデルは通信モデム周りを特許でガチガチに固めて訴訟リスクによって他社の参入や自社開発を困難にした上で、独占供給を結ぶことでした。12億ドルという罰金自体は現預金が潤沢なクアルコムにとってそこまで大きな痛手ではありませんが、将来の収益が脅かされています。

Photo:Sputnik

②使われなくなる4Gライセンスと他社の5Gモデム事業参入

前述の通り、Qualcommは4Gモデムに関する特許ライセンス事業を行なっていました。ですが、時代が5Gに移り変わりそれらによる収入も減少し始めました

また、Qualcommの特許の網の目をかいくぐり、IntelMediaTekSamsungまで5Gモデムの販売・供給を開始しました。現に、OPPOVivoSamsungから5Gモデムを調達したとの情報もあります。市場のQualcomm=Snapdragon一強体制が崩れつつあります。

MediaTekの5G SoC

スマートフォンの販売台数の低下

他の理由として、スマートフォンの販売台数自体の低下もあります。

市場調査機構IDCによると、スマートフォンの販売台数は一昨年は前年比で0.3パーセント、去年は4.1パーセント、そして今年は3.3%ほど減少するとみられています。また今年の第二四半期に限ってみても、去年の同時期と比べても2.3パーセント減少しています。

気がかりなのが、堅調に成長しているメーカーであるHuaweiは自社開発チップセットを使用していること。Snapdragon搭載スマホを製造しているメーカーは市場全体以上に販売台数を下げており、これはQualcommの売上高に直接影響しています。

④超大口顧客を失くす可能性

極め付けに、Appleからの収入が0になるかもしれません。少し前、AppleIntelからベースバンド事業を10億ドルで買収しました。もし今後、Appleが自社で5Gモデムを製造できるようになるとQualcommAppleという大手顧客を失うことになります。

なお、2021年に発売されるiPhoneの5GモデムにはQualcomm製のものが採用されるとみられています。

Appleは本日、特許に関して裁判中であったQualcommとの訴訟を全て取り下げ、半導体供給に関する契約を結ぶことを発表しました。...

鉄壁のビジネスモデルは崩壊しつつある

4G・スマホ普及期に通信規格作りを主導し、特許戦略で絶対的な地位を確保したクアルコム。巨額の罰金に収入が先細りつつある特許ライセンス事業を筆頭に、同社のビジネスモデルは崩れつつあります。

特許で他社を脅していたクアルコムは健全な市場の競争を妨げているとして、Apple以外に多くのスマホメーカーから批難を浴びていました。置かれた厳しい状況は自業自得とも言えるかもしれません。

Snapdragon 855は2018年12月に発表されたクアルコムの新型チップセット(SoC)です。800番台のSnapdrago...

Source:搜狐,GIZMODO

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 コメント

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  1. 匿名 2019.08.29 23:34 ID:febd05881 返信

    サムスンは独自開発したチップ「Exynos」を自社製のスマートフォンに搭載しています。

    Apple AシリーズやSnapdragonやKirinなどと違い、
    TSMCやグローバルファウンドリーズなど大手ファウンドリには委託をせず自社工場で生産されています。

    しかし、この「Exynos」は高い性能を誇るのにもかかわらず、サムスン製のスマートフォン以外で見かけることはほとんどありません。
    その理由は世界最大のチップメーカー クアルコムにありました。

    サムスンは「Exynos」を社外に持ち出したくないのではなく、クアルコムとの契約によってチップ市場への進出を阻止されているだけであることが分かりました。

    こういったクアルコムの態度について、韓国では公正取引委員会(KFTC)が1兆3,000億ウォン(約980億円)の巨額制裁をクアルコムに科す方針を固めているほか、
    中国でも9億7,500ドル(約1,120億円)の罰金を科されています。

    • 匿名 2019.08.30 00:47 ID:f7c15b01b 返信

      長文コピペで発狂してて草
      サイト間違えてるで

  2. 匿名 2019.08.30 00:01 ID:9f7a4bdcf 返信

    Exynosは魅族のスマホに載せてた記憶が
    サムスンのせいでOSアプデできなかったとか聞いたことある

  3. 匿名 2019.08.30 06:05 ID:297d024ff 返信

    いや、これよく読むと①の補足だからありがたい(?)

  4. 匿名 2019.08.30 09:15 ID:7a12ede25 返信

    おとなしくミドル帯は635とか675でええやん(ええやん)

    • 匿名 2019.08.30 22:46 ID:493d88a05 返信

      636のことかな?