東南アジアや中国で強い存在感を見せるOPPO。2018年2月にR11sというセルフィーカメラ性能が目玉の高価格スマホを持って日本市場に参入を果たします。
2018年の進出から約3年が経ったOPPOが短期間で日本市場でこれほどまでの強さを発揮できたのにはどのような背景があるのか、この記事で分析をしていきます。
目次
2018年にR11sで日本市場参入
OPPOは中国に本社を置くスマホを中心とした耐久消費財メーカーです。2017年に日本法人としてオッポジャパンを設立。そこから多くのスマホを積極的に日本で展開していき、昨年にはオウガ・ジャパンに社名変更を行いました。
OPPO(オッポ)というかわいらしさも感じる名前やグリーンのコーポレートカラー、男女を問わず魅力的に見える製品デザインなどが日本のみならず世界的にヒットをしている理由でもあると考えます。しかし、世界各国のスマホ市場とは違いやや特殊な日本市場でOPPOが存在感を強めることができているのはなぜなのでしょうか。以下で詳しく解説を行います。
ローカライズ戦略こそOPPOの最大の勝因である
OPPOが日本市場へ参入してからの三年間を振り返ると、その勝因は日本という国へのローカライズ戦略(国や地域に応じた特有のカスタマイズを加える)が一番大きかったと筆者は見ています。
2019年秋に登場し、「いろいろと余裕のスマホ」というキャッチコピーで人気となったReno AはOPPOの日本市場での最大の功績とも言えるモデルでしょう。これはOPPOが日本に向けて徹底的にテイラーメイドで開発を行った日本市場で勝負するためのスマホとなっていました。日本のスマホ市場で消費者から重視がされる防水防塵性についてはIP67という規格に準拠、バンド面でも大手三キャリアに適合をする構成でVoLTE対応としたことでSIMフリースマホとして非常に優秀でした。当然ながらおサイフケータイも対応しています。
製品のローカライズ化を万全にした上で、日本の国内メーカーが疎かにしがちなチップセットのチョイスでもSnapdragon 710の採用をしたことで更なる魅力を備えました。高速充電や大型バッテリー、インディスプレイ指紋センサー、AMOLEDの採用なども徹底した上で税抜35,800円という価格の衝撃はかなり大きかったでしょう。なお、当初は日本をより意識した「Reno J」というネーミングもアイデアとしてあったほどだといいます。
2019年よりOPPOのグローバルセールス部門のプレジデントを務めるAlen Wu氏は、日本市場の特異性を認めた上で重要な市場として捉えていると過去に発言しています。
芸能人を起用したマーケティングで幅広い年代からの認知を得る
OPPOやvivo、Huaweiなどの中華メーカーは芸能人をイメージキャラクターとしたマーケティングで成功しているのは言うまでもありません。OPPOは日本市場においても芸能人によるブランディングを行っており、元アイドルで女優として活躍をしている指原莉乃氏を起用しています。若い世代をターゲットとしているOPPOだけあり、的確な選択だと言えます。
若い世代から特に人気がある指原氏だけでも非常に注目がされましたが、その後はタレントの木梨憲武氏も採用し、二人がOPPOを盛り上げることになります。
指原氏ですが、プライベートではiPhoneユーザーであることを公表しつつも、OPPO及びAndroidスマホに対しての敬意も感じ取れる態度が非常に印象的でした。TwitterなどのSNSでアップロードする写真はOPPOのスマホを使用していることもありましたが、本人がフォトグラフィーを純粋に楽しんでいる様子も見え、OPPOのイメージアップに直結していたと筆者は感じます。
勢いのある新製品発表スピードで常に話題となり続ける
OPPOですが、昨年はReno Aの後継となるReno3 AとフラッグシップモデルのFind X2 Pro、レザー調の背面パネルやeSIM対応が特徴的なA73、ソフトバンク向けのReno 3 5Gの計4機種を発表しています。これによりOPPOによる日本市場に投入したラインナップの数は14機種となりました。
短い間隔で、コスパに一定程度優れた製品を送り出すことによって、スマホ業界の中で常に話題となり続けています。
A73ではなくA93を投入すべきだったと筆者は思いますが、2021年に登場することを期待します。
ユーモアに溢れた公式TwitterによるSNSマーケティング
オウガ・ジャパン(旧オッポジャパン)が力を入れているのは、OPPOの公式TwitterによるSNSマーケティングです。同社は2017年よりOPPO Japan(@OPPOJapan)というアカウントを運営しており、2021年1月31日の時点で約93,000万人ものフォロワーを抱えています。
今朝、出社しましたら、、、
OPPOちゃん?!どうしたの?!
しっかりしてやぁ~~~~~~~~ pic.twitter.com/8z6vkQoKwJ— OPPO Japan (@OPPOJapan) December 16, 2020
企業による公式Twitterアカウントは主に広報に利用され、オフィシャルな投稿のみに限定されることが多いです。ところがOPPOの公式Twitterではアカウント管理者の社員が楽しみながら運営をしている雰囲気が特徴で、顔文字を使ったり、管理者のプライベートな投稿があったり、さらには一般ユーザーとリプライで交流する場面も度々見られます。
https://twitter.com/OPPOJapan/status/1329721562317037572
4キャリアのうち3社で取り扱い
2021年1月末の時点でキャリアはドコモを除く全社がOPPOの製品を扱っています。すでに取り扱いメーカーが半ば固定されているキャリアでの販路を拡大できたのはOPPOの大きな功績であることは間違いありません。
大手キャリアであるau・SoftbankからはFind XシリーズやRenoシリーズなどの高価格帯のプレミアムスマホがラインナップとして展開されています。大手家電量販店やオンラインショップ、MVNOなどから販売されるSIMフリースマホとは違い、大手キャリアを好むような「スマホの購入予算に比較的余裕がある層」を狙っているのです。販路によってターゲット層を変え、結果として幅広い層から支持を得ることに成功したと言えます。
HUAWEIへの米国制裁(主に2020年~)
OPPOの2020年第3四半期(7-9月)の日本市場シェアは約5%と前年同期の2%から2.5倍になっています。この大きな要因は、HUAWEIへの米国制裁であることは否定できないでしょう。
日本市場におけるAndroidスマホカテゴリでは年々人気が高まっているOPPO。2021年はどのようなラインナップを持ち込んでくるのか、オウガ・ジャパンへの社名変更による新たな事業展開などの動きがあるのか、あらゆる期待が高まるばかりです。
中華端末がキャリアで扱い伸ばせたのはすごいけど肝心の端末が現状だとコスパ微妙なものばっかなのがなぁ。
フェリカ搭載ならsense4、フェリカなしならRedminote9s、安さ重視ならredmi9TでOPPOを選ぶ理由が見当たらない。