OCNモバイルONEは、NTTのグループ会社であるNTTコミュニケーションズが運営する格安SIMです。
パソコンをお使いの方は、プロバイダの「OCN」として馴染みがある人も多いのではないでしょうか。格安SIM黎明期から常に上位シェアにランクインするなど、業界でも屈指の存在です。
今回はtelektlistライターの森野がOCNモバイルONEのの特徴をリストアップし、辛口レビューしてみました。これらのポイントを押さえて、ぜひ格安SIM導入にお役立て下さい。
目次
①老舗ならではの安心感
OCNモバイルONEは、格安SIM黎明期の2013年からサービス開始しました。以降、長年に渡って市場をリードし、常にシェア上位に君臨してきた老舗中の老舗です。
2020年9月に運営会社のNTTコミュニケーションズがドコモの完全子会社化となる方針が発表され、今後ますます連係強化されることが予想されます。
そのため、サービス終了や他社への吸収などの可能性は低いでしょう。長く使える格安SIMを探している人におすすめです。
➁豊富なサービスと高い通信品質
OCNモバイルONEでは普通に電話をかけると通話料20円/30秒ですが、IP電話アプリの「OCNでんわアプリ」を使えば通話料が10円/30秒になるなど、国内通話料が半額になるのも嬉しいポイントです。
OCNでんわアプリをインストールしていることが前提となりますが、格安料金で通話料が値引きになる「かけ放題」プランも複数用意されているなど、通話に重点を置いたサービスの豊富さも魅力の1つです。
アプリ名:OCNでんわ
提供:NTT Communications Corporation
OCNモバイルONEの回線はDocomo回線のみ。通話と同様に全国の幅広いエリアで繋がります。
複数のキャリア回線を提供しているmineoなどの競合他社より選択肢はありませんが、通信速度はどうなのでしょうか。実は、前回レビュー(2020年2月)した時よりも通信速度が改善され、全格安SIMが提供しているDocomo回線の中ではトップクラスに早くなりました!
keisoku.ioの直近1週間分(2020年12月21日~27日)の計測結果を見ても、一般的に混雑しやすいとされる時間帯でも最低限の通信速度が確保されているため、ストレスを感じることはほぼないでしょう。
日付 | 通信速度 | |||
朝 (8時~8時30分) | 昼 (12時15分~12時45分) | 夕方 (17時30分~18時) | 夜 (19時~22時) | |
12/21(月) | 6.2 Mbps | 11.6 Mbps | 4.0 Mbps | 6.7 Mbps |
12/22(火) | 3.5 Mbps | 18.0 Mbps | 4.0 Mbps | 4.6 Mbps |
12/23(水) | 19.6 Mbps | 12.4 Mbps | 5.8 Mbps | 5.7 Mbps |
12/24(木) | 5.1 Mbps | 10.0 Mbps | 5.0 Mbps | 4.9 Mbps |
12/25(金) | 5.6 Mbps | 7.3 Mbps | 6.2 Mbps | 5.3 Mbps |
12/26(土) | 8.8 Mbps | 14.4 Mbps | 5.5 Mbps | 14.3 Mbps |
12/27(日) | 14.1 Mbps | 9.5 Mbps | 5.5 Mbps | 6.5 Mbps |
③ネット回線割引を併用すれば業界最安値クラスの新コース
OCNモバイルONEは、2019年11月から従来のコースから値段を一新した「新コース」を提供しています。従来のコースと新コースとの大きな違いは2つあります。
1つ目の違いは月額料金です。比較対象として月額データ容量3GBの音声通話SIMの料金を見ていきます。従来のコースは1,800円(1,980円)ですが、新コースの場合は1,480円(税込1,628円)と大幅に安くなりました。
2つ目の違いが、通信速度制限の条件変更です。新コースでは、当月の低速通信の通信容量が基本通信量の半分を超えると更に速度制限がかかります。例えば、3GBプランの場合、4.5GB以上容量を使うと通信速度がかなり遅くなります。
実は、従来のコースもまだ公式サイトから申し込むことは可能ですが、わざわざこちらを選ぶメリットは少ないです。ご家庭・職場・公衆無線LANなどで通信量を節約できるのであれば、新コースでも十分運用可能です。
他社との比較基準となる通信容量3MBの月額料金(「新コース」)を見ると、格安SIMの平均価格帯と同程度です。
ただし、OCNとプロバイダ契約している場合は「OCNモバイル光割」(220円〜割引)が適用され、OCNモバイルONEの月額料金が更に値引きされます。値引き適用後の月額料金は、格安SIMの中でも最安値クラスになるのでかなりお得です。
しかも、競合他社の同様の値引きは1年前後で終了してしまうことも多いのですが、OCNモバイルONEの場合はOCNに加入している限り半永久的に適用されます。
③端末セールが安い
OCNモバイルONEは、goo Simsellerと組んでSIMフリー端末の割引セールをほぼ毎月行っています。先月〜今月にかけて実施したRedmi Note 9Sの220円セールは大きな話題を呼びました。
https://telektlist.com/redmi-note9s-price-change/
④音楽好きなら必見! カウントフリーで通信量節約!
近年は、特定のサービスを利用する際に通信量が無料となるカウントフリーサービスは、キャリアや格安SIMの目玉となっています。そんな中、OCNモバイルONEでは、人気定額制音楽サービスの通信量が無料になる「MUSICカウントフリー」を提供しています。
「Spotify」「Amazon Music」「AWA」「LINE MUSIC」など9種類の人気サービスが対象となるので、音楽好きの人は必見です。
しかも、同サービスを利用するにあたっての追加料金は一切発生しません。
ただし、LINEモバイルなどのように自動的にカウントフリーの対象になるのではなく、別途公式サイトの専用ページから申し込みが必要となります。サービス紹介ページメニューにリンクが貼られているわけではなく、トップページにリンクがあるので一見すると探しにくいのが難点です。
⑤期間限定のトライアルキャンペーンを実施中
OCNモバイルONEは、現在2021年2月26日までの期間限定でAQUOS sense4をはじめとした15機種と音声通話SIMを試せる「30日間トライアルキャンペーン」を実施中です。
初期費用は全額キャッシュバックされるので、実質無料で利用できます。
⑥バッテリー消費が早いというユーザ評価
ここまで欠点らしい欠点がさほどないように思えるOCNモバイルONEですが、スマホのバッテリー消費が他社と比較すると早いというユーザ評価があります。
有識者の調査によると、原因はSIMに割り当てられたグローバルIPの可能性が高いとのことです。
とくにiPhoneとの相性が悪く、他社のSIMを使ったときよりも早いペースでバッテリーが消費したという声が見られました。もっとも、異常と言われるほど酷くはないようです。
ONCモバイルONE以外にもグローバルIPを使用している格安SIMはいくつかあり、やはり同様の症状が見られるとのことです。
まとめ:Docomo回線ならおすすめ
OCNモバイルONEのメリットとデメリットをまとめると、以下の通りです。
メリット
- 老舗ならではの信頼性
- 高い通信品質
- 端末セールがお得
- 新コース+OCN光モバイル割で月額料金が安くなる
- 最低利用期間及び解約違約金がない(「新コース」)
- 9つの定額制音楽配信サービスの通信料が無料(※別途申し込みが必要)
- トライアルキャンペーンを提供している
デメリット
- 回線の種類がDocomoのみ
- 通信速度制限条件がやや厳しめ
- バッテリー消費が早いというユーザ評価
これらのメリットとデメリットを踏まえると、OCNモバイルONEは以下の人に向いています。
- Docomo回線を利用したい人
- ご家庭のプロバイダでOCNを利用している人
- SIMフリー端末を安く購入したい人
- 定額制音楽配信サービスのヘビーユーザー
従来の課題だった通信速度が改善されたことで、OCNモバイルONEのデメリットが1つ解消されました。
通信速度制限の条件やバッテリー持ちの悪さなどいくつか気になる点はありますが、価格やサービスを見ても優秀な格安SIMであることは間違いありません。
2021年3月から開始されるドコモの格安プラン「アハモ」との差別化がどうなるのか気になりますが、ドコモとOCNモバイルONEとの連係強化が今後どのように展開されるのかにも注目です。
OCNのプロバイダ契約と合わせて運用すればかなりお得なので、ドコモ回線を運用したいなら間違いなく選択肢に入るでしょう。
自分が使ってたときは昼と21時以降の速度があまりに遅すぎて使い物にならなかったけど、今は普通に速度出るようになってたのか