MediaTekは20日、同社の新フラッグシップSoCである「Dimensity 1200」及び「Dimensity 1100」を正式に発表しました。2019年のDimensity 1000、2020年のDimensity 1000+に続くMediaTekの第三世代フラッグシップSoCとなります。
フラッグシップSoCの二機種展開は、クアルコムによる「Snapdragon 888」と「Snapdragon 870」の使い分けでも見られ、印象的です。
他社の競合フラッグシップにも引けを取らない性能に期待
SoC | Dimensity 1200 | Dimensity 1100 |
CPU | Cortex-A78@3.0GHz x 1 Cortex-A78@2.6GHz x 3 Cortex-A55@2.0Ghz x 4 | Cortex-A78@2.6Ghz x 4 Cortex-A55@2.0Ghz x 4 |
GPU | ARM Mail G77 MC9 | ARM Mail G77 MC9 |
メモリサポート | LPDDR4x@2133Mhz Max16GB UFS3.1 | LPDDR4x@2133Mhz Max16GB UFS3.1 |
カメラサポート | 200MPシングルカメラ 又は 32+16MPデュアルカメラ | 108MPシングルカメラ 又は 32+16MPデュアルカメラ |
AI Chip | APU 3.0 | APU 3.0 |
ディスプレイサポート | Max 2520 x 1080 168Hz | Max 2520 x 1080 144Hz |
通信 | Wi-Fi 6 Bluetooth 5.2 5G(Sub-6) | Wi-Fi 6 Bluetooth 5.2 5G(Sub-6) |
製造 | TSMC 6nmプロセス | TSMC 6nmプロセス |
全体的に見て、上位モデルのDimensity 1200とDimensity 1100との性能差はそれほど大きくありません。この違いが、消費者の手に届くまでにどれだけコストに響いてくるのかはわかりません。
CPUに採用されたCortex-A78の3.0GHzクロックアップバージョンは興味深いですが、クアルコムやサムスンが最新のフラッグシップSoCで採用したCortex-X1の搭載が見送られていることはある程度の影響がありそうです。
Dimensity 1200が最大200MPのカメラをサポートしているのは、サムスンから2021年内の発売が噂されている新しい200MPイメージセンサの登場を念頭に置いたものでしょう。
5Gがミリ波非対応であったり、Wi-Fi 6Eも非対応であることなどに一抹の不安はありますが、どちらもまだ親機側の普及が始まったばかりであるため、実用上の問題はほとんどないと言っていいでしょう。Bluetoothは最新の5.2に対応しています。
Dimensityは新定番になれるのか
現在、Xiaomi、OPPO、vivo、RealmeなどがDimensity 1200 / 1100の搭載機の開発を明らかにしています。Redmi K40シリーズ(来月発表予定)の一部機種やRealme X9(仮称)ではDimensity 1200 / 1100が有力視されています。
競合するクアルコムのSnapdragon 888やサムスンのExynos 2100は、サムスンの5nmプロセスの製造遅れが影響しているとも指摘されており、最新のフラッグシップSoCにあえてTSMCの6nmプロセスを採用したMediaTekの選択は賢かったといえます。
なお、クアルコムはSnapdragon 888の不足に備えたものなのか、先日そのダウングレード版であり、Snapdragon 875+のアップグレード版ともいえるSnapdragon 870を、7nmプロセスで発表しました。
Source:MediaTek(1),(2)
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