先日発表されたMediaTekのフラッグシップSoC、Dimensity 9000。4nmプロセス製造となり、競合他社に遂に肩を並べる形となりましたが、同SoCは低発熱と省電力性に優れたものとなっているようです。
Dimensity 9000に大きな自信
Dimensity 9000の発表に際し、海外メディアAndroid Authorityは、MediaTekのバイスプレジデント兼マーケティング部ゼネラルマネージャー、フィンバー・モイナハン氏にインタビューを実施。
同氏は、Dimensity 9000について以下の通りコメント。
周知の事実だとは思いますが、それ(Snapdragon 888シリーズ)は宣伝、期待通りのエクスペリエンスをもたらしませんでしたよね。
一方、我々は非常に自信を持っていると言えますし、もちろんこのチップ(Dimensity 9000)を主要な顧客にサンプリングしており、好感触を得ています。
また、「競合製品との想定比較では、来年のフラッグシップにおいて省電力性で優ると確信しています。」とも述べており、以前リークのあった通り、省電力性ではSnapdragon 898に優っている模様です。
更に発熱に関して、同社グローバルPRディレクター、ケヴィン・キーティング氏は以下の通りコメント。
現状発熱問題を抱えているのは一社のみであり、それは我々ではありません。
競合他社(Qualcomm)はそれについてMediaTekをいじるのが好きですが、我々は発熱問題はありません。
過去ではSnapdragon 810、最近ではSnapdragon 888と、度々問題となるSoCの発熱ですが、上記の通り、MediaTekは低発熱にも自信を持っている様子。
ただ、発熱や省電力性は、SoCだけの問題ではなく、冷却性能であったりソフトウェアによるものであったりと、スマホメーカーに因る部分があるのもまた事実。
しかし、少なくともSoCレベルでは問題ないとのことであるため、各社の設計、チューニング次第では、大きく期待ができそうです。
半導体不足の影響は軽微か
半導体不足により、発表の遅れや、発売地域が限定されるなど、スマホ業界においても様々な影響が出ている現状ですが、フィンバー氏は「(4, 6, 7, 12nmプロセス製造の)SoCなどについては問題ありません。」、「来年のハイエンド用に十分なキャパシティを確保したと思います。」とコメント。
もちろん影響が出ていないということではなく、電力管理、Wi-Fi部門とのトレードオフなど、同社のポートフォリオ内でバランスを取っているとのこと。
また、5Gラジオチップと4GのSoCが同プロセス製造であり、それらの生産において柔軟に対応ができることも一役買っているようです。
ARM版Windows用SoCも準備中
先月、MediaTekのCEO、リック・ツァイ氏はメディアとのインタビューにて、ARM版WindowsのためにMicrosoftと協力するつもりであると公表。
今回フィンバー氏も、MediaTekは同市場への参入に取り組んでおり、Dimensity 9000から見て取れるように、同社にはその技術力がある、としています。
一方で、「我々にとってこれは長期的な計画であるため、翌年の参入には期待しないでください。ただ、CEOなどが述べた通り、我々はこの市場へ参入したいと思っていますし、積極的に取り組みます。」ともコメント。
GPUドライバーやソフトウェアエミュレーション、周辺機器など、開発する上で様々な問題があり、かなりの時間と労力を要するとのことで、同社製SoC搭載のWindows機を見るのは先のこととなりそうです。
ただ、同社がスマホにもたらしたように、ARM版Windowsへ参入することにより、より安価、コスパの良いARM版Windows機の登場に期待ができることでしょう。
Dimensity 9000搭載機は来年2月発売?
11月末に発表されるSnapdragon 8 Gen1(898)よりも、一足早い発表となったDimensity 9000。
そのAntutuスコアもSnapdragon 8 Gen1にこれまでになく近いものとなるなど、その期待値が高まっていますが、Weibo上のリーカーによると、同SoC搭載機は早くても来年2月辺り発売となるとのこと。
一方で、Snapdragon 8 Gen1初搭載機は、Xiaomi 12及びMotorola機(Motorola Edge X?)となるとされており、どちらも12月中に発表されると見られているため、実機の登場は、Snapdragon 8 Gen1が先となりそうです。
Source:Android Authority Via:快科技(MyDrivers)
dimensity 9000期待しまくってるよ