Huaweiが新型EV「SF5」を共同発表【中身は既存モデルの焼き直し?】

Huaweiは4月19日、自動車メーカーのSeresと共同で新型電気自動車「Seres Huaweiセレクト SF5」を発表しました(SeresをCyrusと表記するメディアもあるが誤り。) Seresは中国の大手自動車メーカーである東風汽車系の東風小康の子会社で、かつてテスラを創業したマーティン・エバーハード氏が参画していることでも有名な電気自動車メーカーです。

現在開催されている上海モーターショーにタイミングをあわせて発表した形となります。

Seres Huaweiセレクト SF5を見る

SF5はいわゆるSUVタイプのEVです。航続距離1000km超(バッテリー満充電+ガソリン満タンの場合)、100km/hまでの加速が4.68秒であるなどと謳っており、100km/h3秒台のテスラ車には及ばないものの、それなりに高性能なEVであることが伺えます。

価格は21万6800元(約360万円)からとされ、同等のものと比べると多少安価なようですが、驚くべき低価格というほどでもないように思えます。

SeresのSeres Pilotシステムによる「レベル2+」級の自動運転(運転補助)機能を搭載し、車線維持、車間距離保持などの動作をおおよそ自動的に行うことが可能であるとのこと。ここであえてHuawei製のソフトウェアを採用する必要はなかったようです。

電気自動車としての特徴はさておき、注目すべきはこの車が搭載しているHuawei HiCarシステムです。Huawei HiCarはHuaweiが2019年頃から本格的に開発を始めた同社の自動車向けサービスで、「自動運転」というよりは「スマートカー」といったほうが良いというような機能を持っています。

ハンドルの右に取り付けられているタブレット端末がHiCarのクライアントで、カーナビとしての機能に加えて電話、音楽再生といったさながらスマホのようなタスクをこなすことが出来るようになっています。それもそのはずで、HiCarに使用されているソフトウェアはHuaweiのHarmonyOSをベースにしているとされ、Huawei製のスマホやモバイル端末とシームレスに接続することが可能になっているのです。

Huaweiがさかんに宣伝しているもう一つの機能がHuawei HiSoundで、これは車内に設置された11個のスピーカーによるカーオーディオ設備です。この個数自体がそれほど多いとは感じませんが、HiCarのシステムと連携することで、車内のメディア体験をより高品質なものにすることでしょう。

SF5はHuawei仕様の特別車というわけではない

標準仕様のSF5

Huawei HiCarを搭載し新発表されたSF5ですが、この車自体は過去にSeresから直接発売されていたモデルです。Seres Huaweiセレクション SF5は、その既存のモデルにHiCarシステムとHiSoundなど一部機能を加えただけのもので、あくまでSF5を購入する際のひとつの選択という域を出ていません。

実際、Huaweiにはいまのところ自社ブランドの「Huaweiカー」をリリースするつもりはありませんHuaweiはたびたび「完成車は作らない」という立場を明確に表明(外部リンク-AFPBBニュース)しており、今回の新車種発表も、HiCarシステムを搭載したHuaweiエコシステムの自動車を拡大させる戦略の一環でしかないのです。

しかし、HuaweiはHiCarシステムを搭載した自動車を販売することに消極的であるというわけではありません。今回発表されたSF5が今までのHiCar車と大きく違うのは、HuaweiがHuawei自身の広報手段を用いて積極的に宣伝しているということです。

Seres Huaweiセレクション SF5の商品ページは、SeresのウェブサイトだけでなくHuaweiのウェブサイト上にも用意されており、また、同モデルは今後Seresディーラーに加えHuaweiストアでも販売される予定であるといいます。今までのHiCarとは明らかに異なる態度で販売に臨んでおり、Huaweiがようやく本腰を入れてこの戦いに挑みはじめたことを示唆しています。

なお、同車種は現在上海モーターショーの開催されている上海国家会展中心5号館1階のSeresブースにて展示されているということです。

Appleが"Appleカー"の開発を進めていることが明らかになっていますが、XiaomiもEV(電気自動車)開発に着手することを決...

Source:Huawei,Seres

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sekken
Xiaomiがすきです OPPO、OP、Realme、vivo、Samsung辺りは詳しくないです。 他はそれなりに追ってます Twitterフォローしてね:@sekkenthewriter

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 コメント

※暴言・個人攻撃等は予告無しに削除します

  1. 匿名 2021.04.20 19:29 ID:da0025e0a 返信

    バイドゥ、アリババ、テンセントも参入してるし、シャオミまで参入表明してる

    日本は最後の取手トヨタまで崩れ、完全敗北か

    • 匿名 2021.04.20 19:45 ID:5c93b41f1 返信

      どうした?発作か・・・?

    • 匿名 2021.04.20 19:45 ID:07408dab4 返信

      トヨタとかがEVで遅れてるのは事実だけどまだ分からないゾ
      一番やばいのは完成車メーカーよりアイシンとかの部品メーカー

      • 匿名 2021.04.20 19:59 ID:cd8683a3e 返信

        スマホみたいな価格攻勢されたらトヨタといえどもやばいからな

        自動運転AI、ソフト面は完全敗北だろう

    • 匿名 2021.04.21 06:50 ID:6c91629b6 返信

      トヨタはハイブリッドが世界一だからな。電子自動車の分も犠牲にしてたわけで。
      電気技術は日産だぞ

      • 匿名 2021.04.21 10:06 ID:7f91b639c 返信

        ハイブリット車は日本くらいしか普及してないし、ガラパゴス技術だわ。技術があるなら世界でリーフは売れてるのかい?

        • 匿名 2021.04.21 11:50 ID:8e8e92e4f 返信

          ガラパゴス技術なのは性能がスゴすぎて他のメーカーにハブられまくったからなんだよなぁ。。。

          • 匿名 2021.04.21 14:54 ID:903d80506

            トヨタのは特許公開してるやん

    • 匿名 2021.04.21 11:50 ID:eaf8f532f 返信

      砦な
      五毛か?

  2. 匿名 2021.04.20 20:14 ID:cd8683a3e 返信

    今までは内燃機関という圧倒的優位性に守られてたから中国との価格競争を避けてこれてたけど、EVになればその優位性は消え去り、中国の格安EVに駆逐される未来が容易に想像できる

    ましてや自動運転、ITは中国の得意分野
    もはやアメリカに規制、制裁してもらう以外、日本勢の価値筋が見えない

    • 匿名 2021.04.20 20:19 ID:f0d8a4cc1 返信

      中国を制裁してもテスラがiPhoneみたいな存在になってEVシェア浸食しそう
      というかもう始まってるか

      • 匿名 2021.04.20 20:31 ID:8c8338996 返信

        テスラも普及させるには値段が高い
        あの値段でも、自動車事業じゃまだ赤字
        未だにCO2排出権売って儲けてるだけだし、イーロンマスクはビットコインで遊んでるし厳しいと思う

        テスラ退職した人が作った新しいEVメーカーの方がきそう

        • 匿名 2021.04.20 20:49 ID:46d971cc3 返信

          黒字だぞ

          • 匿名 2021.04.20 21:22 ID:1284fa74a

            それはCO2排出権の売上高込みの黒字でしょ
            EV事業だけで見るとまだ赤字だよ

            2020年純利益、+7億ドル
            CO2排出権売上 +15億ドル
            自動車事業純利益 -8億ドル

        • 匿名 2021.04.20 21:41 ID:481af2e59 返信

          テスラは大規模投資してる最中だし赤字なのは仕方ないのでは
          資産は一年で150億ドル近く増えてるし

          • 匿名 2021.04.22 20:24 ID:8596e9319

            資産は証券と先物だけだよ
            テスラはまず生産数が全然足りないし
            販売店、サポート網が貧弱過ぎる

          • 匿名 2021.04.23 19:11 ID:1624415d9

            生産設備とかは資産に計上して減価償却していくんだけど
            簿記の基礎中の基礎なんだが

  3. 匿名 2021.04.20 20:15 ID:7385dc013 返信

    1000キロ走れんの?

    • 匿名 2021.04.20 20:18 ID:c42bd1c4c 返信

      充電じゃなくて、バッテリーを取り替えてしまう技術がもうあるよ
      中国じゃ、専用ステーションで10分位で交換できてる

      • 匿名 2021.04.20 20:21 ID:7385dc013 返信

        それは知ってるけど…航続距離1000キロと言ったら1充電1000キロだろ?バッテリーギッシリかよと思って

    • 匿名 2021.04.20 20:24 ID:f0d8a4cc1 返信

      NIOのET7?が中国CATL開発の全個体電池を採用して航続距離1200km達成みたいなニュースあった気ガス
      量産が難しいだけで理論上は可能なのかと

      • 匿名 2021.04.20 20:28 ID:7385dc013 返信

        それは半固体電池じゃなくて?

        • 匿名 2021.04.20 20:56 ID:178a4ef7e 返信

          電池の状態とかどうでもよくね?

    • sekken 2021.04.20 21:03 ID:7a2725a20 返信

      ウェブサイトの一番下の注意書きを見てみると、「バッテリー満充電に加えてガソリンも供給しておく必要がある」ということのようです。貴重なご指摘ありがとうございます。
      意味が全く違う文章になってしまいかねないので、記事の方も修正させていただきました。

  4. 匿名 2021.04.20 22:58 ID:885a01365 返信

    V2Xやミリ波レーダーはファーウェイ製になるのかな
    デンソーやボッシュ、コンチネンタルは大丈夫か?

  5. 匿名 2021.04.21 07:40 ID:fa8f50a48 返信

    車両技術は確かに日本製強いけどシステムは負けるから携帯の二の舞になる気がするぞ

  6. 匿名 2021.04.21 08:48 ID:a5e1643f5 返信

    ガソリン込みってことは純EVじゃなくて日産のe power、ホンダのehv、トヨタのPHV、三菱のPHEVに近いハズ。
    それなら航続1000kmもおかしくはない。

    詳細見てないけど普通のハイブリッドでしょう。

  7. 2mediate 2022.01.13 07:05 ID:f35faa419 返信

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