中国のRoyoleから世界初のディスプレイごと折りたためるスマートフォン、「FlexPai」が発表されました。
Royoleというメーカーはみなさん聞き覚えがないように思いますが、実は曲がるフレキシブルディスプレイを研究、制作していることで有名な中国メーカーです。フレキシブルディスプレイを搭載した当機種は開発者用ということになっていますので、自社のディスプレイ技術をアピールするための機種でしょう。
Samsungのディスプレイごと折りたためるスマホのイメージ図
似たようなコンセプトのスマートフォンがSamsungから出るという噂が以前ありましたが、中国Royoleがそれを出し抜いた形になります。
Royole FlexPaiのディスプレイは7.8インチの1920 x 1440のAMOLED(有機EL)ディスプレイです。画面比率はiPadと同じ4:3になっており、広げた時のサイズもiPad miniと同じようなサイズ感でしょう。
折りたたんだ時はメインの表側は810x1440、サブの裏側は720 x 1440のディスプレイになります。裏側は大きなベゼルがあるぶん画面が小さくなっています。
なお、背面にはカメラはなく、一箇所のカメラをメインカメラと自撮り兼用のカメラとして使います。ZTE Nubia Xと似た設計思想です。ちなみにカメラは16MP + 20MP / F1.8のデュアルカメラです。
折り目部分はU字型に膨らんでおり、ここを390 x 1440の独立したディスプレイとして利用できます。Galaxy NoteシリーズのEdge Displayと同じようなイメージでしょうか。
折り曲げの実際の様子は有名なアナリストのIce Universe氏が報告しています。
This is the "world's first foldable screen phone" released by Rouyu Technology, which will use the Snapdragon 8150 processor, but its design is very rough, just to seize the "first", this is a futures product. pic.twitter.com/M0v9o2z0Bw
— Ice universe (@UniverseIce) 2018年10月31日
この動画を見ると、タブレットとして使う時は真っ直ぐになりにくく、折りたたんだ際に伸びた部分がシワになって残ってしまっているのが光の反射から見てとれます。
折りたたみ時とそう出ない時の画面の切り替えもカクカクしており、Ice Universe氏の言う通り完成度はそこまで高くないようです。あくまでRoyole社が「開発者向けの端末」だと位置づけていることがわかります。
SoCは未発表のSnapdragon 8150を採用しています。まだ出荷はされていないはずなのでFlexPaiの発売はSnapdragon 8150の量産出荷が始まってからになるでしょう。なお、公式サイトでは「Qualcomm next-gen Snapdragon 8 series」という婉曲な表現になっています。
Snapdragon 8150についてはこちらから
【追記】Snapdragon 8150はSnapdragon 855として正式発表されました。
RAM / ROMの組み合わせは6GB / 128GB、8GB / 256GB、8GB / 512GBの3モデル。バッテリー容量は3800mAhで、先日発表されたNubia Xと同じです。7インチタブレットにしては少ないのでバッテリーに関しては少し不安です。開発者向け端末なので長時間の使用はあまり想定していないのでしょう。5V/5Aの独自急速充電に対応しています。
SIMカードはデュアルSIM対応です。LTEの対応バンドは、B1 / B3 / B4 / B7 / B8 / B12 / B34 / B38 / B39 / B40 / B41です。なお、デュアルスタンバイかどうかは不明です。
サイズは高さ、幅、厚さの順に134mm, 190.35mm, 7.6mmです。結構薄いのですが、折りたたんで使うと結局膨らむのでもうちょっと厚くしてバッテリーを増やしても良かったのではないかと思います。
重さは320gと7インチタブレット相当の重量になっています。
価格は6GB / 128GBモデルが1318ドル(約14万9000円)、8GB / 256GBモデルが1469ドル(約16万6000円)です。8GB / 512GBに関してはまだ価格は未定です。
折り曲げは20万回まで耐えるそうですが、Ice Universe氏の動画を見る限りこの数値は疑問視されます。ディスプレイの切り替えもカクカクで、ソフトウェアが最適化できていない印象があります。
また、実用的な問題として、折りたたむとぶ厚くなるのでポケットに入りづらそうです。
しかし、このFlexPaiやNubia Xのような変態端末が増えていくことは見ているだけで面白く、技術の進歩が感じられて嬉しいものです。こういった挑戦的な端末がどんどん発表されることを期待します。
Source : Royole
正直すごいなぁとも思いませんし、スマホやタブレットとしては「だから何?」感が強いですが、技術の革新自体は大切ですからねえ。どんな技術が何の役に立つようになるか、まったく読めない世界ですから。。。