NTTドコモは現在、次世代通信規格である「5G」の導入を進めていますが、5Gに対応するHUAWEIのスマートフォンを採用しない方針であることがわかりました。これはNTTグループの幹部数人が明かした情報で、HUAWEIとは調達の交渉も行わなかったとのことです。
また、NTTドコモの吉沢和弘社長は昨日、HUAWEIの5G基地局についても導入していないことを明らかにしました。
HUAWEIのスマホはドコモでは販売されない
NTTドコモでは、2020年春から5Gサービスを開始する予定です。合わせて5G対応機種をリリースしますが、そこにHUAWEIの機種はラインナップされません。
NTTドコモが今回の決定を下した背景には、アメリカが行っている禁輸措置の影響があるとみられます。昨年秋、トランプ大統領はHUAWEIを産業安全保障局のブラックリストに加え、取引や通信技術の使用を禁じました。対象となるのはアメリカ国内の企業のみですが、スマートフォンに欠かせないGoogleもまたアメリカ企業です。
HUAWEIとの取引が禁じられてしまうと、HUAWEIのスマートフォンにGoogle Play ストアやYouTube、Googleマップなど必需品ともいえるアプリをプリインストールすることができなくなってしまいます。
アメリカは同盟国にもHUAWEI製品を使用しないように呼びかけています。以前、NTTの澤田社長がHUAWEI端末の販売に関し「顧客に迷惑を掛ける可能性が高い」と難色を示したこともあり、NTTドコモは今回の判断に至ったと見られます。
今後のHUAWEIはどうなる?
制裁から約1年が経過し、いままでのところHUAWEIのスマホでGoogleのサービスが使用できなくなるという事態は起きていませんでした。しかし、新フラッグシップモデルとなるMate 30シリーズからいよいよGoogle Play ストアが使えなくなってしまいます。
HUAWEIは今年8月に独自開発した新OS「Harmony OS」を発表しましたが、モバイルOSというより組み込みOSに近く、Android OSの代わりになるかといえば難しいところです。昨日発表されたMate 30シリーズでは、Android 10ベースの「EMUI 10」が採用されています。
中国政府の規制により、HUAWEIが中国国内向けに発売してきた機種は、これまでもGoogle関連のサービスを使用することができませんでした。そのため、HUAWEIの中国向けスマートフォンにはAndroid 10ベースのEMUI 10が使われてきました。
今後は中国向け以外のスマートフォンでも、HUAWEIは同様の手法を採用するということでしょう。ドコモが「顧客に混乱が生じるのでは」と危惧するのも無理はありません。
ドコモは5G基地局からもHUAWEIを除外
NTTドコモの吉沢和弘社長は昨日、HUAWEIの5G基地局を現在のところ使用する予定はないと明らかにしました。すでに5Gの導入に出遅れている日本ですが、制裁の影響を受けつつスムーズにインフラを敷くことができるのか懸念されます。
料金プランなど5Gには不明点も
5Gについては別の懸念もあります。ドコモを含む3大キャリアが打ち出す「新料金プラン」は今ひとつ明確ではありません。5Gの導入によってまた新たな料金プランが加われば、ユーザーのさらなる混乱を招く恐れもあります。
吉沢社長は5Gの料金プランについて具体的な方針は示さず「ある程度の制限をかけるか、無制限にするのかなど決まっていないが、5Gならではの使いやすい料金体系にしていきたい」と述べるにとどめました。
5Gがはじまる2020年に向けて、ドコモはどんな5G対応機種を打ち出すのでしょうか。
Source: nikkei.com
ストアだったらAPKPureで事足りるけどな…