ここ数年になり見ることが増えた新しいスマホのデザイントレンドである、大きなテキストやメーカーロゴを背面バックパネルにデザインするというもの。これを筆者は「デカロゴデザイン」と呼んでいます。このトレンドは一部の大手中華メーカーのみで見られるものですが、全くスタイリッシュではないというのが筆者の意見です。デザインの実例を見ながら、そのデザイントレンドがどんなものか把握をしていきます。
オピニオンコラムでは筆者によるスマホ業界への「オピニオン」を独自目線で語っていく内容となっています。読者のみなさんも支持・不支持の意見をコメントで教えてください。
目次
スマホ業界の悪しき最新デザイントレンド
デザインの採用 | |
realme | 〇 |
OPPO | 〇 |
Huawei | × |
Honor | 〇 |
OnePlus | × |
ASUS | × |
Xiaomi | × |
Redmi | 〇 |
POCO | 〇 |
vivo | × |
「デカロゴデザイン」のトレンドを生み出したのはHonorです。Honor 30シリーズのみに採用されていたところを見ると、これは新しいデザインの方向性をテストしていたとも考えられます。後継のHonor 40シリーズはもちろん、このデザインがHonorのスマホラインナップで見られることは一切ありませんでした。当然ながらHuaweiのラインアップからも確認ができません。つまりHuaweiはHonorブランドでこのデザインを試験的に採用し、すぐに方向性を従来に戻したと考えられます。これは賢明な判断と言えるでしょう。
一方で、Honorの後続となったのがOPPOやRealme、RedmiそしてPOCOです。かつ現在もそのデザインに固執しています。以下の表でそのデザイン採用モデルを確認します。
デカロゴデザイン採用のモデル一覧
メーカー名 | モデル名 |
Honor | Honor 30シリーズ一部 |
OPPO | OPPO Reno4シリーズ |
OPPO | OPPO Reno5シリーズ |
Redmi | Redmi 9T |
Redmi | Redmi 9 Power |
POCO | POCO X3シリーズ |
Redmi | Redmi Note 9 4G |
Realme | Realme X7シリーズ |
Realme | Realme Q2 |
デカロゴデザインが採用されていたモデル・シリーズを表にまとめています。こうして見ると中華系メーカーのみがこのデザインにこだわっていることが分かります。
マーケティング要素もあるのだろう
Honorをはじめとし、Realme、Redmi、POCOはメーカー名をデカロゴデザインに使用しています。メーカーにとって自社製品にメーカー名が大きくデザインされていることは、その効果は別として、一種のマーケティングにもなるでしょう。単純に考えれば自社製品を所有するユーザー全員が、メーカー名のデザインされたスマホを日常生活で使い続けるわけです。
筆者からしてみれば、「コストパフォーマンスの高さは譲るから、このデザインは受け入れてね」と言われているようにしか思えません。実際、価格の安さを理由にデカロゴデザインをやむを得ず受け入れているユーザーは一定する存在すると予想します。
ハイエンドモデルにはまだ採用が目立たないことから、このマーケティング要素の強さは否定できません。デザインも良くてコストパフォーマンスも良い製品を最近の中華メーカーが作れなくなってしまったのは筆者の思う悲しい所です。
筆者は複数のデカロゴデザイン採用スマホを自身の目で見ています。昨年にはPOCO X3 NFCも購入していますが、それでも好きになれないのです。
特にRealmeの「Dare to Leap」の評判は悪い
今やデカロゴデザインの代表ともなったRealmeの「Dare to Leap」というモットー。Realme X7シリーズではこの「Dare to Leap」が背面のパネルに非常に大きくデザインされていました。「Dare to Leap」というモットーのセンスは悪いとは全く思いませんが、ここまでの大きさでテキストがデザインされているスマホをスタイリッシュと言えるのでしょうか。筆者はそうは思いません。
これは、テキストのチョイスとフォントのチョイス、どちらでもありません。フォントサイズの問題です。「Times New Roman」だったりスタイルがItalic体なら良かったわけではないのです。
Google検索で「Realme X7」と「Ugly(ダサいなどの意)」の二語で検索をすると、以下のような記事・意見がヒットしました。
上のコメントは例ですが、同じような意見が他のデカロゴデザイン採用のスマホに対してもTwitterやWeb上で言われていることを筆者は確認しました。
Realmeは非常に良い製品を毎年生み出しています。筆者もRealme 2 ProやRealme X、Realme 5など複数の製品を使ってきており、それらの高いクオリティに感動を覚えてきました。それだけに、良い製品をこのような大胆すぎる、一部からはダサいなどと言われるようなデザインでダメにしてしまうのは非常にもったいないと感じます。そして、残念です。
スマホは多くの人にとって長く使うものである
一般にスマホは1年以上はユーザーによって所有されると言えるでしょう。故障などのトラブルがない限り長く使用することになるスマホにデカロゴデザインが採用されていては、後々にユーザーを悩ます可能性が考えられます。購入当時は気に入ったデザインも、時間が経ってからもそうであるとは限りません。
Realmeのスマホが非常に売れているのはインドなどの低所得層も多く抱える市場です。デカロゴデザインが採用された製品を選んだとし、それが嫌になり後から買い直すということが経済的理由でできないユーザーは日本人が思う以上に多いでしょう。
スマホにおけるデザインは、飽きがこないという要素も非常に重要であり、これは多くのメーカーも意識しているというのが筆者の持論です。
現時点ではエントリーからミッドレンジモデルに多いデカロゴデザインですが、これがフラッグシップモデルにまで波及をすればその人気が伸びることはなくなるでしょう。筆者はこのデザイントレンドが早く絶たれることを期待しています。
Androidスマホがダサいと言われる理由
「AndroidスマホではなくiPhoneを使っていないと仲間外れにされたり、いじめられる」ということが学生の間で冗談半分で言われるようになった日本の現代ですが、このデカロゴデザインこそがAndroidスマホがダサいというパブリックイメージを悪化させるのだと思います。
Androidスマホにファッション性を求めるユーザーというのはそう多くないでしょう。ファッション・周囲からどう見られるかに対して高い意識を持つユーザーはすでにAppleのiPhoneを選択しています。Androidスマホを選ぶユーザーが追及しているのは製品のコストパフォーマンスとハードウェアスペックです。多くの中華メーカーはそこを読み間違えているのでしょう。
何様だ?って思ったら、いつものイキリガジェヲタのSekeyくんで安心した。