XOS【カスタムOSシリーズ:エントリー機に最適化】

Infinixという日本のユーザーにとっては聞きなれないメーカーによるカスタムOSであるXOS。Infinix自体がフラッグシップを展開せず、低価格モデルのみとしていることからXOSへの疑いが生まれるのは不思議ではありません。しかしながら他社メーカーのカスタムOSとも劣らないほど作りこみがきちんとされており、完成度も高く仕上がっています。

※この記事ではInfinix Note 8を使用し最新のXOS 7(Dolphin v7.1.0)をもとにした解説のため、過去のバージョンとは異なる部分があります。

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XOSをざっくりと

今回の記事はXOS 7を元としています。XOSは2015年にXOS 1としてリリースされ、以降定期的にメジャーアップデートがされてきました。XOS 7にはDolphinというネームが付けられていますが、これはかつてのAndroidにあったJelly Beanなどのようなバージョンネームです。

MIUIやOne UI、EMUIなどと比べればもちろんクオリティは下がりますが、それらと比べても全くおかしなことはなく、れっきとしたAOSPのカスタムOSとなっています。素のAndroidらしさは全く消えており、アプリアイコンや各アプリUIなどすべてがオリジナルのものにカスタムされているのが特徴です。

Infinixは日本はもちろん、海外の限定的なマーケットをターゲットとしています。よってXOSのシステム言語は多様性に欠けており、日本語は使用不可能です。メジャーな言語では英語や中国語に対応しています。

これは筆者の考察ですが、南アジア地域はスマホ市場の競争が激しいかつ、ユーザーによる主張の影響が大きいことが特徴です。よってユーザーによるXOSに対する意見の主張も活発であり、これがXOS自体のクオリティの向上に繋がっていると予想されます。

ホーム画面

ホーム画面に特筆すべき特徴はありません。アプリアイコンはすべてXOSのオリジナルとなっています。ホーム画面から壁紙やテーマの変更などもできるようになっており、くせもなく標準的なホームランチャーです。

スイッチャー画面についても標準的となっています。最下部にはRAMの使用具合が表示されており、ゲームなどをプレイするユーザーには便利です。

スイッチャーは非常に動作が軽いと感じました。アプリをスライドさせても非常になめらかに動作します。筆者の環境はエントリー機種でしたが、性能が高くない機種でも快適に動くよう最適化がうまくされているのかもしれません。

ロック画面

ロック画面も同様、標準的な見た目になっています。

設定画面・標準アプリ

設定画面

設定画面はこのようになっています。最上部には検索バー、そしてXOSの機能を流すスライドが設置されています。下には本体情報がまず来ており、接続関係、オーディオ関係と続きます。設定アプリは使いにくいということや、必要な項目が見つけにくいということはありませんでした。癖もなく扱うことができる設定アプリだと言えます。広告も表示されません。

通知バー周り

テーマカラーは緑となっており、全体的にOPPOのかつてのColor OS 5を思い出させるようなインターフェースです。InfinixのHelio G80搭載のミドルレンジ機上で筆者は動かしてますが、通知バーはとてもスムーズに動きます。One UIやColor OS等よりも快適だと言っても過言ではないでしょう。

通知設定を初期状態にしていると、Infinix系の純正アプリからの通知であふれかえってしまいます。ここは受け入れがたい点ですが、設定変更すれば解決できます。

標準アプリ例 - 写真アプリ

コラージュの作成やファイルのプライベート化機能(他人に見られたくないファイルを隠す)、不要なファイルの自動検知・削除機能などがアプリ上に備わっており、非常に便利です。

なお、写真アプリからストレージレベルでのファイルの移動はできず、ファイルマネージャーアプリを使用する必要があります。アプリ内でのファイルの移動はあくまでアプリ上でのものとなっており、ストレージレベルでは反映がされません。ファイル名の変更などもファイルマネージャーが必要です。これは非常に使い勝手が悪く、OPPOのColor OSなどと似ています。

カメラ関連

カメラアプリはボタンレイアウトや機能面で非常に工夫がされていることが特徴です。Googleレンズの専用ボタンが右下に配置されており、親指で簡単にタッチから起動までが可能です。フロントカメラとリアカメラの切り替えボタンも右下で非常にタッチがしやすいです。

64MPなどの高解像度撮影対応の機種の場合、通常レンズから64MPに切り替えるボタンがアプリ内に存在します。そのボタンも層に隠れておらず、すぐに目に付く位置に配置されています。フラッシュに関しては4つのパターンがあり、常時オフ、撮影時オン、自動、常時オンが存在します。撮影の瞬間に限らず、常時オンにできるのは珍しいのではないでしょうか。

また、カメラアプリ起動時にはディスプレイの輝度が自動で上げられます。これにより、屋外での撮影シーンで撮影者の視野性を確保する働きをします。ユーザーの利便性が非常に考えられて設計されていることは明らかです。

ゲーム好きにはうれしい点がある

XOSですが、初期状態から多数のゲームアプリがインストールされていました。本体のアプリドロワーから上にスライドさせると上のような画面になりますが、これらはChromeなどのブラウザ上で動くゲームへのショートカットです。

すき間時間などにホーム画面から適当なゲームを選択してすぐに遊ぶことができるというのは、ゲーム好きなユーザーにとってはうれしいポイントとなるでしょう。こういった機能が海外の学生など若い世代にInfinixのスマホが人気となっている理由の一つだと感じられます。

XCloneではSNSで二つのアカウントを管理が可能

XCloneという機能では、FacebookやInstagramといったSNSアプリのアカウントを二つ管理することができます。この機能には設定アプリからアクセスができるようになっており、SNSを多用するユーザーにとって非常に便利だと言えるでしょう。

Kids Mode(キッズモード)で子どものスマホ使用を細かく管理

Kids Modeでは、保護者であるユーザーが子どもにスマホを使用させることを想定した機能です。モードの有効時には仮想のホームスクリーンが起動し、ユーザーが指定したアプリのみが使用可能になります。

ユーザー側でモードの有効時間などの制限がかけられるため、保護者にとっては安心の機能です。目の保護エフェクトをディスプレイにかける設定や、子どもがスマホを使用している際の姿勢の検知、データ通信量の最大使用量制限など細かく管理できるのは非常に考えられています。

想像以上のクオリティだったXOS

Infinixがフラッグシップ機を展開していないことから、そのXOSの完成度にも懸念がされるのは当然でしょう。しかし、バグも一切見つからず安定しており、なにしろエントリー機であっても快適に動くようになっているのが非常に驚いた点でした。逆の視点で言えば、XOSはエントリー向け機種中心に勝負するメーカーだからこそのカスタムOSなのかもしれません。

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Writer

Sekey
アジア市場を中心にレポート

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 コメント

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  1. 匿名 2021.06.26 20:17 ID:9bcf91b97 返信

    読んでて所々に違和感がある文章だなと思ったら、思ったとおりSekey作成っすか。

  2. 匿名 2021.06.27 12:09 ID:8f1e9d525 返信

    対立煽りキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!