スマートフォンのディスプレイは、世代を追うごとに少しずつ大きく、重くなってきています。そんな中、満を持して登場した、AppleのiPhone 12 Miniのディスプレイはまさかの5.4インチ。かつての同等のスマホと比べ、上下左右のベゼルも細くなったことから、実際の数値よりもさらに小型になっています。
各所でもiPhone 12 Miniは大きな注目を集めており、Androidユーザーからは同様のコンパクトなAndroidスマホを求める声も大きいです。
ところがどっこい、メーカー側としては小型のスマホの開発予定はないというのです。
大手中華メーカーは小型スマホの開発予定なし
中国国内のスマホ業界事情に詳しいリーカーの数碼閑聊站氏はWeiboにて以下のような投稿を行いました。
小型のディスプレイを搭載したAndroidスマホを求めている人が多いようですが、私は国内(中国国内)の大手メーカーから小さなディスプレイを搭載した製品がリリースされるなどといった話は聞いたことがありません。
ここで言う大手メーカーとはどの程度の範囲でしょうか。おおかた、Huawei、Xiaomi、OPPO、Vivo、OnePlus、Realme、Lenovo辺りのことでしょう。続く文でも言及されているように、小型ディスプレイというのはおそらくiPhone 12 Miniの5.4インチに匹敵するレベルのものを指しています。
何故か?コストが高すぎるからです。例えば、iPhone 12 Miniはそのうち最も高価である5.4インチのOLEDディスプレイのために多くの部品(ディスプレイ、筐体はもちろんバッテリーまで)がカスタマイズされ、たとえ国内の業者を選択したとしても数百万台程度を一斉に製造する必要があるでしょう。
フラッグシップ機においては特に大型スマホばかりになった今では、サプライチェーン全体の問題として小型のスマホに向けた部品の供給体制が整っていないといいます。iPhone 12 Miniの中で最も高価だった部品は5.4インチのOLEDディスプレイであり、その筐体に収めるためのバッテリーやその他の多くの部品について、Apple従来とは異なる全く新しい構成を導入しなければならなかったのです。
小型スマホへの需要は依然として少なく、その売上と価格ではカスタマイズの莫大な費用を支払うことができないため、これはAppleでなければ不可能なことなのです。
毎年フラッグシップの各機種を数百万台単位で販売するAppleにとって、iPhone 12 Miniの小型化に関わる費用は発売を断念するほどの打撃にはならなかったのです。スケールメリット、ということでしょうか。
ちなみに、筆者はこの記事の執筆時にAppleによるiPhone 12の発表を見返してみたのですが、iPhone 12 Miniの登場の際にAppleのプレゼンターが丁度「Something only Apple would do」と紹介していたことに気が付きました。
小型スマホへの関心が無いわけではない
Xiaomi傘下の格安スマホブランド、Redmiの幹部はWeiboで小型ディスプレイ搭載機への興味を示しており、ユーザーに意見を求めたことがあります。メーカー側も小型スマホへの関心自体が無いわけではないようです。一方、Redmi副社長の盧偉冰(Lu Weibing)氏は小型スマホについて、「バッテリー容量へしわ寄せがくる」と警鐘を鳴らしています。
中国メディアのIT之家、インドの英字メディアGizmochinaなどは現在入手できる小型スマホの例として、GoogleのPixel 4aやソニーのXperia 5 IIなどを紹介していますが、どちらも5.8インチ、6.1インチとiPhone 12 Miniには及んでいません。(そもそも、これらの端末は小型をウリにしていないことに注意)
また、4.7インチディスプレイを持つ新型iPhone SEの発表に続き、Appleは小型スマホ市場に大きな関心を持っているとも指摘されています。
Source:Weibo,IT之家,Gizmochina
売れないしね
デカイスマホの方が良いわ