悪質なインターネット広告が減るかも?
唐突なフルスクリーン広告が出現するなど「広告が鬱陶しいアプリ」として有名な「Cheetah Mobile」社製アプリ。これに対してGoogleは2月20日、Google Playストア上にある約45個のCheetah Mobile製アプリをすべて削除し、Google経由の広告も一切提供されなくなりました。
Googleはそれ以外にも合計600アプリをPlayストアから削除しており、広告配信のプライバシーポリシーに違反する(もしくは違反の恐れがある)アプリの削除に力を入れています。
追放に至るまでの経緯
Cheetah Mobileは、スマートフォン向けアプリ開発やロボット・AI事業などに携わる会社(中国企業)です。Piano TilesやClean Masterなど、ダウンロードが億にも達する人気アプリを提供していました。公式サイトによると2010年に創業、2014年にはニューヨーク証券取引所にも上場しています。
しかし2018年に海外ニュースサイト「BuzzFeed News」は、Cheetah Mobile製アプリについて「広告詐欺を犯している」と告発。これを受けてCheetah Mobile製アプリ「CM Locker」と「Battery Doctor」は、Googleプレイストア上から削除されました。
Cheetah Mobile製アプリは他にも残っていましたが、その後もCheetah側は全く反省の意思を見せず。ついに2020年2月、Googleプレイストア上から一掃されることになった形です。
突然スマホに全画面表示される「鬱陶しい広告」
Cheetah Mobileの評判を下げている「鬱陶しい広告」とはどんなものだったのでしょうか。
前述のBuzzFeed Newsによる記事では、「ユーザーの行動を追跡して偽のトラフィックを生成し、広告主からお金を盗む”広告詐欺”」と書かれています。
また、Cheetah Mobile製アプリがGoogleプレイストアからすべて削除された後、Googleセキュリティブログが2月20日付けで更新されました。そこでは、Cheetah Mobileがどのような”広告詐欺”を行ったのか、事例と思われるケースを紹介。
Googleは悪意のある広告表示について、”破壊的広告”と表現しています。
これ(筆者注:破壊的広告)は侵略的な操作であるため、ユーザーエクスペリエンスが低下し、多くの場合、主要なデバイス機能が中断されます。このアプローチは、広告主の支出を無駄にする意図しない広告クリックにつながる可能性があります。
たとえば、電話をかけようとしたとき、電話のロックを解除したとき、またはお気に入りのマップアプリのナビゲーションを使用しているときに、予期せずフルスクリーン広告が配信されることを想像してください。
確かに、アプリをインストールしただけで、スマホのロック解除時やマップアプリの操作時にフルスクリーン広告が出てきたら鬱陶しい......というよりもはや怖いですよね。
同社の株価は5.9%の減少
投資情報サイト「Seeking Alpha」によると、今回の騒動によってCheetah Mobileの株価は5.9%下落しました。
Cheetah Mobileの公式サイトを確認すると、サービスロボットや配送ロボットの取り扱いもしているようです。アプリストア上ではCheetah Mobileは締め出されたかもしれませんが、AIを搭載したロボットを、モラルの低いこのような会社が取り扱っているのは怖い気がします。そもそも、ニューヨーク証券取引所に上場できていること自体が驚きです。
トランプ大統領はHuaweiにこだわるよりも、Cheetah Mobileのような会社に規制をかけたほうが支持率が上がりそうな気がしますよね。
Source:Googleセキュリティブログ, Seeking Alpha, BuzzFeed News
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