その特徴的なUIやデザインから知られるスマートフォンブランド、Smartisanですが、同ブランドを所有するByteDance(Tiktok運営会社)によって閉鎖が決まりました。過去に日本市場参入の計画もありましたが、終ぞその計画が実行に移されることはありませんでした。
Smartisan Nut R2の売り上げは10万台以下
中国メディアによると、TikTokの親会社でもあるByteDanceは、1月13日にSmartisanを閉鎖し、Smartisanの開発チームを同社の教育用ハードウェアチームに統合したとのこと。
その理由としては、Smartisanは公式による販売がオンラインのみで、その知名度および売り上げが低かったことが考えられます。
中国大手通販サイトのJD.comおよびタオバオによると、昨年10月に発売されたフラッグシップモデル「Smartisan Nut R2」の売り上げは計10万台にも及ばなかったそう。また同機種の価格はJD.comにて新年セールとして4,499元(約7.2万円)から2,299元(約3.7万円)まで低下しています(8GB+128GBのベースモデル)が、果たして先がない端末を購入するユーザーはいるのでしょうか。
【追記・2020/1/22/20:48】
公式Weiboアカウントによると、アフターサービスやサポート、カスタムスキンであるSmartisanOSのサポートについては今後継続して行われるとのこと。(Source:Weibo)
過去には日本市場参入の計画も
2015年には同年秋の日本市場参入が公表され、公式Facebookアカウントも開設されるなど盛り上がりを見せていましたが、同アカウントの投稿も2016年6月以降なく、結局日本市場参入ならず。
ちなみに、Smartisanという名はSmartphone(スマホ)+Artisan(職人)から来ており、そのハンマーのロゴは、CEOルオ・ヤンハオ氏がシーメンスの冷蔵庫の欠陥に抗議してハンマーで叩き壊したことから生まれました。
Smartisanの歴史
Smartisanは、2012年に英語教師であったCEOルオ・ヤンハオ氏により設立され、2017年には年340万台を売り上げ、同氏のカリスマ的人気もあり2018年に行われた新製品発表会ではチケットだけで480万元(約7,700万円)の収入を上げる程に。(Source:AMP)
また、同氏は故スティーブ・ジョブス氏を尊敬しており、在りし日のAppleをどことなく感じられるSmartisan機のデザイン、ソフトウェアもその人気の一因でした。
ただその後は製品の不具合や財務上のトラブル、そして中国国内の競争の激化により販売は落ち込み、2019年にByteDanceにより買収。CEOも変わり、その後発売されたSmartisan Nut Pro 3では、今まで常にSmartisan機の背面中央にあったそのアイデンティティでもあるロゴは左下に小さくあるだけに。そして今回の閉鎖により、昨年10月に発表されたSmartisan Nut R2が同ブランド最後の機種となってしまいました。
過去のものとなっていったスマホブランドは、Smartisanだけでなく、LeEcoやMeituなど数多く存在しています。最近ではHTCやMeizuの名をあまり聞きませんが、今後どうなってしまうのでしょうか。消費者としては選択肢が多いに越したことはないため、なるべく多くのメーカーに生き残ってほしいものですね。
HTCはDesire 21 Proが出たやろ(´・ω・`)