今年の3月に発表されたdocomoの5Gモデルの一つであるFujitsuのarrows 5G。
シニア向けのエントリー~ミドルレンジスマホを中心に開発を進めていたFujitsuのarrowsシリーズですが、5G時代に突入ということで心機一転、2013年のarrows NXに次ぐフラッグシップ機の市場に再参入することとなりました。
目次
Fujitsuの5Gに対する心意気が見える「arrows 5G」
arrows 5GはそんなFujitsuの心意気を反映した一台となります。
SoCにQualcommの最新チップセットのSnapdragon 865を搭載、メモリ8GB、ストレージ128GBとスペックは完全にフラッグシップ級。エッジディスプレイの有機ELにパンチホール式のインカメラ、3倍望遠撮影可能なトリプルカメラとスマートフォンのトレンドをすべて抑えており、5Gも4Gの延長であるsub-6だけでなく、真の5Gと呼ばれているミリ波にも対応しており、日本勢では唯一のミリ波対応5Gスマホとなります。
今までのFujitsuのarrowsとは明らかに毛色が違うスマホになっており、注目している人も多いのではないでしょうか。
arrows 5GはQualcommのSnapdragon 865 5G Modular Platformを採用
そんなarrows 5Gですが、QualcommのSnapdragon 865 5G Modular Platformを採用したスマートフォンとなります。
Snapdragon 865 5G Modular Platformとは、チップを個々に販売するのではなくSoCに加えてアンテナなどの無線モデム、その他プロセッサーをすべてモジュール化して販売するものです。いままでは個々のデバイスに対して認証機関による認証を受けていましたが、Qualcommが一括認証を受けたモジュール化して販売することで認証の手間を省くことができます。なお、XiaomiのMi 10もこのSnapdragon 865 5G Modular Platformを採用しています。
この仕組みはSnapdragon 865だけでなくSnapdragon 765でも提供されております。
arrows 5GはQualcommのノウハウを生かしたリファレンスモデル
docomoではなくQualcommロゴのarrows5G
Snapdragon 865 5G Modular Platformを採用したarrows 5GはQualcommのノウハウを生かしたリファレンスモデルであると言えます。
コンパクトで薄型な基盤
arrows 5Gの基盤。両面に効率よくチップがつまっている
arrows 5GはQualcommがモジュールした基盤を採用することで、チップを個別に実装するよりも実装面積では約35%、基板面積では約20%の削減を達成できました。
また、3次元実装を用いた基板埋め込み技術、つまり効率よくチップを敷き詰められたことにより本体の厚みを7.6mmに抑えることに成功しています。
Modular Platformを採用するとモジュールに合わせた本体設計が必要になるため、設計の自由度が落ちてしまう可能性がありましたが、これだけコンパクトにできるのであればその心配は杞憂になりそうです。
発熱を抑える液冷の仕組み
基盤がこれだけ密になっていると発熱が心配になりますが、arrows 5Gはベイパーチャンバーと呼ばれる二相流冷却技術(つまり液冷)システムを採用することで対応しています。
熱源付近でベイパーチャンバー内の液体が気化し、気化熱で冷却します。熱源から離れた部分で徐々に冷却されて液体が凝結、熱源に戻るという仕組みになります。
さらに、薄型・軽量のベイパーチャンバーと金属・樹脂のハイブリッド筐体を一体化することで全体に熱を拡散させることが可能であり、高い均熱効果と端末の薄型化を両立することに成功しています。
ベイパーチャンバーなしでは熱が均一に拡散されず、オーバーヒートでCPUパフォーマンスが低下していますが、ベイパーチャンバーを搭載することで熱が均一に拡散され、CPUパフォーマンスが維持されていることがわかります。
精度の高い設計が必要なミリ波に対応
ミリ波は波長が短く電波を受信しにくいため、3Gや4G、Sub-6に対してより高精度な設計が求められます。
arrows 5Gは高精度な加工はもちろんのこと、他の部品との電波干渉を抑える低誘電素材やアンテナの設置自由度を高める接続フレキを積極的に採用し、薄型ながらも最適なアンテナ配置を実現しています。
スマートフォン本体上部だけでなく下部の横にもミリ波アンテナを配置することで横持ち時の電波感度を確保できるうえ、全方向から安定した電波を送受信可能としています。
最先端技術の搭載が魅力
これらのarrows 5Gはスマートフォンだけでなく5G時代のIoT機器の設計にも応用可能であり、Fujitsuはarrows 5Gを世に示すことでスマートフォンの枠組みを超えた技術の展開を考えているようです。
スマートフォンとしてのスペックだけでなく最先端技術をふんだんに搭載したという魅力もあるFujitsuのarrows 5G。Adobeとのコラボレーションもあり、期待できる端末の一つです。
arrows 5Gは6月下旬にdocomoより発売されます。果たしてかつてのフラッグシップarrowsの汚名を返上する機種になれるのでしょうか。楽しみです。
Source : Fujitsu
仮に良い端末だとしても周知されず死ぬほど売れなさそう
xperiaで投げ売り4万だからこれは3万か2万か