イギリスの消費者協会「Which?」は、「Appleが主張するバッテリー持続時間」と「実際のバッテリー持続時間」を比較するテストを行いました。
テストの結果、なんと実際の使用可能時間がAppleが主張していたバッテリー持続時間に大幅に満たないことが判明。今記事では、テスト結果の詳細やAppleの対応について紹介します。
具体的なテスト内容、結果はどうなった?
「Which?」は2019年4月、5つのスマホメーカーの人気端末が本当にバッテリー持続可能時間を満たすのかどうかをテストしました。
テスト方法は以下の通り。
- 各ブランドから最低6台、合計50台以上の端末を選ぶ
- メーカーが公表している連続通話可能時間を調べる
- 新品で購入した端末をフル充電し、充電切れになるまでの時間を測定
- 各ブランドで平均通話可能時間を算出
テストの結果はどうだったのでしょうか?
「Which?」はAppleからiPhoneを9モデル用意しテストを行いましたが、その“全てのモデル”において記載された通話可能時間には及ばなかったのです。
特に過大評価されていたバッテリーはiPhone XR。テスト結果のバッテリー寿命は16時間32分ですが、Appleが公称しているバッテリー持続可能時間は25時間。約1.51倍の長さです、驚きですね。
他の4メーカーの結果は?
今回のテストで他に選ばれた4メーカーはHTC、Samsung、SONY、Nokia。この中でもSamusung、SONY、Nokiaの3社は「メーカー公称よりバッテリーが持つ」という結果になりました。
特にSONYの「Xperia Z5 compact」はメーカー公称17時間のところ、実際には25時間52分も通話可能ということが判明。
一方、HTCはメーカー公称20時間30分のところが実際には19時間48分と少し短めの時間になりました。
Appleは、他社との比較という点でもバッテリー持続時間が短いという結果になってしまったのです。
そもそも「Which?」とは?
「Which?という団体を信頼できるのか?」という疑問を持たれる方もいるかもしれません。
「Which?」は1957年にイギリスで創立された消費者団体で、様々な製品のテスト・評価を行っています。収入源の刊行雑誌には一切広告をつけず、政府や企業から独立。そのため、どこにも気を使うことなく公平な批評が行えるということです。
イギリス国内でも影響力があり、雑誌・情報誌のブランドランキングで5位になった経験も。決して“適当な団体”ではないことが分かります。
Appleがテスト結果に反論
今回行われたテストですが、当たり前のようにAppleから反論がありました。
“We rigorously test our products and stand behind our battery life claims[...]
Which? haven’t shared their methodology with us so we can’t compare their results to ours. We share our methodology for testing which we publish in detail here https://www.apple.com/iphone/battery.html.”
簡易訳:「私達は自社の製品を厳密にテストし、バッテリー寿命に関する発言に責任を持っています。(中略)
『Which?』のテスト方法は私達のものとは異なるので、テスト結果を比べることはできないでしょう。私達のテスト方法は以下リンクに挙げています。」
Appleとしては、「テスト方法が異なるから一概に比較はできない」という主張ですね。
まとめ
もちろん、今回のテスト結果から「Appleは信用できない会社だ」と言うわけではありません。スマートフォンに限らず、車の燃費やパソコンの電池持ちも、メーカー公称より悪いことがあります。
バッテリー持続時間も各メーカーによって測定方法が異なるため、平等に比較するのは難しいのかもしれません。
メーカー全体として統一的な指標があれば良いですね。
Source:Which?
iPhoneも5000mAhとか大容量のバッテリー搭載機が出ればいいのに