次期AndroidのAndroid QはOSレベル、ネイティブレベルでダークモードに対応するという報道がありました。
MacOS Mojaveのダークモード
Androidのダークモード対応の前には、iOS、MacOS Mojave、Windows 10がすでに対応していました。OSだけでなく、YouTube、Twitter、Google Mapsなどが挙げられます。
どうして最近各社がダークモードの開発をするようになったのでしょうか?ダークモードを使用するメリットは何でしょうか?
結論から言うと、ダークテーマには2点ほど明確なメリットがあります。
目次
ダークモードは目が疲れない
まず一つ挙げられることは、ダークモードにすると目が疲れないことです。
一番わかりやすいのはGoogle Mapsのナイトモードでしょうか。
Google Mapsで夜間にナビをすると、ナイトモードになります。夜の運転をしたことがある人ならばわかると思いますが、白いままだと明るくてとても見づらいんですよね。ダークモードは明るい画面と暗い夜道の明暗差を抑え、目の負担を軽減してくれます。
YouTubeのダークテーマも同じ理由があると思います。YouTubeを見るときは夜、布団の中でみるといった場面があると思います。(私はバチバチにあります。)そんな時に明るい白いテーマだと眩しくて結構きついです。そんな時にもダークモードは効果を発揮してくれます。
PCではなかなかダークモードは使わないかもしれませんが、夜間、暗い部屋で使いがちなスマートフォンにダークモードを搭載するメリットは大きいです。
バッテリーの節約になるから
「最近」ダークモードが増えたのはこっちの理由が大きいと思います。
Googleによると、ディスプレイの輝度によってバッテリー持ちは大きく変わるそうです。(まあ当然ですよね。)
ただ、ディスプレイ輝度の違いだけでなく、ダークモードに関してもバッテリーの節約ができることが実験から実証されています。Pixel 3でYouTubeのダークモードにすることで最大60%もバッテリーを節約することができたそうです。
バッテリー持ちにダークモードが影響するところのミソは、有機EL、OLEDディスプレイです。
有機EL(OLED)の仕組み
有機ELのELとはElectro Luminescenseの略で、有機物に電圧をかけることで発光する現象のことです。この現象を利用したディスプレイパネルのことを有機ELディスプレイ、略して有機ELとか、有機物を利用したLEDディスプレイ、つまり、Organic Light Emitting Diode Display、略してOLEDとよんだりしています。つまり、有機ELは独立して光るRGBの3色の光の強度を調整して色んな色を表現しています。
液晶ディスプレイと有機ELディスプレイの違い。明るくてすいません...
一方で液晶ディスプレイは、白色LEDを用いたバックライトに、RGBのカラーフィルターと光の量を電圧ごとに変えることができる液晶を通して、液晶にかける電圧ごとにRGB強度を変えて色を表現しています。つまり、液晶ディスプレイは白い光を絞り方を調整して色んな色を表現しています。
ちなみに、スマートフォンが割れるとディスプレイの隙間から「未来からの光」的なものが見えるときがありますが、それは液晶ディスプレイのバックライトが漏れているのです。
未来からの光のイメージ
また、液晶の種類(配向)には、IPS、VA、TNなどがあります。皆さん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
有機ELは黒いとバッテリーが長持ちする!
さて、ディスプレイの仕組みがわかると、有機ELディスプレイの機種でダークモードにするとバッテリーが節約できる理由がわかります。
先程も言ったとおり有機ELは有機物が光っているからディスプレイになっています。では、黒はどう表現されるでしょうか。そう、答えは「全く光らない」です。
有機ELは全く光らないことで黒を示します。つまり、黒は全くバッテリーを消費しないのです。
一方で、液晶ディスプレイはどうでしょうか。液晶ディスプレイはバックライトの光を液晶の配向性をいじることで全力で絞って絞って光を止めて黒を表現します。そのため、ダークモードで黒にしてもバックライトは依然ついているため、理論上はバッテリー持ちは全く変化しません。むしろ、光を絞るために電圧をかけているため微々たる差ですがよりバッテリーを消費しているはずです。
液晶ディスプレイで節電するための唯一の方法は輝度を下げることです。そうすることでバックライトの光が弱まるため、結果的にバッテリー持ちが良くなります。
某メーカーがOLEDを宣伝している様子
※ちなみに、液晶ディスプレイはどうしても絞りきれずに漏れてしまう光があるため、黒が少し灰色がかっています。そのため、有機ELはキャッチコピーで「漆黒のディスプレイ」「美しい黒」とか呼ばれたりします。なんかかっこいいですね。
【追記】焼き付き、有機ELの劣化を防ぐため
各社がダークモードを搭載し始めた理由には有機ELの焼き付きを防ぐためというのもあります。(コメントで指摘していただきました。ありがとうございます!)
焼き付きとは?
焼き付きとは、有機ELの発光素子が長時間の点灯によって劣化することでRGBのカラーバランスが崩れることです。有機ELに固有の問題であり、液晶ディスプレイではめったに見られない現象です。
auの店頭デモがくっきり焼き付いたGALAXY。G FLEXも焼き付き起きてるんで、有機ELの機種はデモ変えなきゃダメだろうね。 pic.twitter.com/EKRuEEuF5M
— ドコモ スマートフォンおすすめ情報局 (@Smartphone_NTT) 2014年8月3日
焼付きの例(Twitterより)
みなさんもケータイショップや家電量販店で販売されているスマートフォンで上の写真みたいになっているものを見たことはありませんか?これがまさしく焼き付きです。ケータイショップや家電量販店のスマートフォンはデモアプリを長時間点灯しており、更に画面をきれいに見せるために輝度最大にして展示されている場合が多いため、こういった焼き付きが起きやすいです。
焼き付きの原因である発光素子の劣化はそもそも発光させなければ起きません。通常利用では常に画面が切り替わっているため、上の写真のような焼き付きはなかなかないとは思いますが、発光素子の劣化を防ぐという意味でもダークモードの搭載は有効であるでしょう。
長くなりましたが以上がダークモードでバッテリーが節約できる理由で、各社が競ってダークモードを搭載するようになった主な理由だと思われます。バッテリーが節約できて、おまけにユーザーの目も疲れないのならそっちのほうがいいですもんね。
スマートフォンで採用されはじめ、最近ノートPCでも採用が進んでいる有機EL。普及と同時にナイトモードもますます増えていくのではないでしょうか。
Source : 9to5Google, SlashGear, 日経4946。
健康の為ならとっくに実装されてますよ。
1番の理由は寿命(焼き付き)を少しでも減らす為でしょう。
構造上絶対に避けることができないのが有機EL
コストばかり高くついて未熟な技術ですよ、まったく