【訂正】
文中で『AppleはAチップのプロセスルールを最低2年に一回は更新していましたが、これにより初めて3年連続同じプロセスルールを採用することとなります。』という解説がなされていました。しかしながら、iPhone 13及びiPhone 12に搭載されているSoCのプロセスルールは5nmのためこれは誤りです。該当する箇所を削除しましたと同時にお詫びします。
来年度の次期iPhoneシリーズ(iPhone 14シリーズ)に搭載されると見られているA16チップセットに関する情報が登場しました。以前までのリークと異なり、3nmプロセスではなく4nmプロセスで製造されると見られています。
3nmを諦め4nmで製造
台湾のIT情報サイトDigtimesは先日、2022年の次期iPhoneに搭載されるA16チップセットは4nmプロセスで製造されると報道しました。
今年の8月にはTSMCはAppleから3nmプロセスでのチップセットの製造の依頼を受けたという報道がありました。しかしながらTSMC側が何らかの理由でその製造を一年引き伸ばしにしたというのが大方の見方です。
なお、TSMCの4nmプロセス製造SoCとしては、MediaTekのDimensity 2000が年末若しくは来年初に発表される予定です。
この理由として、プロセスルールの微細化に伴い製造や開発の難易度が上がっていることが挙げられます。特に近年になり技術的な問題や物理的な問題から遠くないうちに更なる微細化が不可能になる見方が増加しました。1965年に登場して長く信じられてきた「半導体回路の集積密度は1年半~2年で2倍となる」というムーアの法則も限界が来たのではないかと言われています。また、実際にTSMCは今年6月に2nmプロセスより小さいプロセスルールでの製造の予定がないことを表明しています。
なお、TSMCは以前3nmプロセスについて5nmと比較してパフォーマンスを10%から15%向上させ、消費電力を25%から30%削減することができると説明していました。
TSMCとAppleは強い依存関係にあるとも言われており、実際にTSMCの収益の20%がAppleによるものです。このことから3nmプロセスのチップセットの供給はAppleを優先すると見られており、Appleがプロセスルールの「微細化」競争において負けることは無いと考えられています。
Source:DigtTmes,SeekingAlpha,NIKKEI ASIA, wccftech(1)(2), EEtimesJapan
Photo:Apple
ムーアの法則に関してこれ読んでおいた方が良い
ttps://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2108/30/news029.html