コーウェンの投資家向けのメモによればiPhone XSとXS Maxのカメラ部品の価格は約34.50ドル(約3,840円)だそうです。Samsung Galaxyのカメラは1ユニットで44ドル(約4,898円)、HuaweiのP30 Proは前面カメラと背面トリプルカメラ+ToFセンサーで56ドル(6,234円)とiPhoneの価格を大きく上回ります。
カメラのコストだけを比較すれば、SamsungとHuaweiはそれぞれAppleの1.4倍と1.9倍のコストをかけていることになります。
もちろんハードウェアの価格がカメラ性能に直結するわけではありません。たとえばソニーのイメージセンサーは優秀なスマホカメラの代名詞にもなっており、数多くのメーカーが製品の宣伝に使うほど優秀です。にもかかわらず、カメラ性能を調査するレーティングサイトDxOMarkでのXperia XZ3のスコアはたった79点で、100点越えが当然なAppleやHuawei、Samsung、Xiaomiの足元にも及びません。
デュアルカメラやトリプルカメラが当たり前な現在でも、GoogleのPixel 3はシングルカメラです。それでもPixel 3はPixel Visual CoreチップでソフトウェアやAIを駆使することで、DxOMarkスコアは101点となっています。素晴らしいイメージセンサーを複数備えるXperia XZ3よりも、ずっと高い評価です。スマホのカメラ性能は、高性能なイメージセンサーと並んでソフトウェアやAIの優秀さに大きく左右されます。
では、AppleのiPhoneはどうでしょうか。
DxOMarkスコアでHuaweiやSamsung、Xiaomiの後塵を拝するかたちになっているとはいえ、AppleのiPhoneシリーズのカメラ性能は、Xperiaほど酷評されているわけではありません。スコアも105点で、ライバルたちより部品価格がずっと安価な割に、iPhoneのカメラ性能は依然として高く評価されています。
安い生産コストで価格以上の高い性能を出しているのですから「安いものを高く売る」というAppleの魔法は、コーウェンの投資家たちにとっては、むしろ「歓迎すべきこと」といえるでしょう。
Appleは次期iPhoneでトリプルカメラ(あるいはトリプルカメラ+ToFセンサー)を採用する可能性が高いと噂されています。いまは他社より部品価格が安上がりなAppleですが、センサーの数を増やすことで必然的にカメラのコストは上がり、原価もHuaweiやSamsung同様の水準になっていくものと思われます。
Source:appleinsider, DxOMark
ま~たAppleを貶してるよ…