出オチですが結論から言うとTileの惨敗です。
AirTagは落とし物をしたときに周りのiPhoneを使って検出し、落とした場所を特定することが可能です。日本には非常に多くのiPhoneユーザーがいるためこの機能は非常に有効であり、紛失モードにしてからものの数分で落とした場所を特定することが可能です。
一方で、落とし物トラッカーの先駆者であるTileも同様の機能を備えています。こちらはTileユーザーが検出する仕組みであるため、AirTagほどのネットワークはないにしろある程度落とし物の位置をトラッキングすることが可能です。
そこで気になるのがAirTagとTileのネットワークの濃さの違いです。落し物を探すという同じコンセプトを持つこれら2機種で検知能力がどれほど違うのかは非常に重要なポイントです。というわけで、先日AirTagとTile Mate (2020)を同じ場所に置き、同時に紛失モードにしたときにどれほどトラッキング能力に違いがあるのかを検証してみました。
トラッキング開始前から精度が低いTile
今回の舞台は平日昼のショッピングモールです。人通りがまばらな通路の茂みにAirTagとTileを入れた財布を置いてスタートです!
現場を離れて紛失モードにしようとしたところ、Tileの示す位置がかなりずれていることに気づきました。
AirTagもTileも紛失時にアプリを開くと最後に接続されていた場所を教えてくれます。AirTagは正確に落とした場所を示していましたが、対するTileはショッピングモールに向かうときに通った道路上を示していました。これはTileを落とした約5分前、距離にして約500mです。
「TileはBluetooth接続が切れた場所を示すのがメインだから検知能力が低くても大丈夫!」と思っていたのですが、肝心のBluetooth接続が切れた場所の精度がてんでダメ。出鼻をくじかれました。
なお、Bluetooth接続が切れたタイミングで通知する機能があればまだ取り返しが付きますが、その機能(スマートアラーム)は月額360円のサブスクユーザーのみに開放されています。
(接続していたスマホはPixel 5、OSは最新のAndroid 11でした。)
バンバン位置情報を通知するAirTag、ずーっと静かなTile
気を取り直してAirTag、Tileを同時に紛失モードにしました。これにより、AirTagはiOS 14.5以上のiPhoneユーザーが、TileはiPhone, Android問わずにTileユーザーが探してくれます。
Tileは公式アプリで自分の周辺にどれだけユーザー数がいるかを教えてくれます。私が実験した場所周辺には約1300人いるとのこと。iPhoneユーザーと比べると非常に心もとないです。
開始5分、早速AirTagのほうが見つかりました。前回の検証と同じスピード感です。
その後もAirTagは6,7分に1回のペースで位置情報を更新し続けました。(もちろん場所は変わっていませんが...)リアルタイムとまではいかないにしろ、この頻度でトラッキングしてくれると安心感があります。
一方でTileは沈黙を貫いていました。1時間経過しても1度も検出されず、タイムアップとなりました。
1時間の検証でAirTagはちょうど10回、Tileは0回検出されるという結果となりました。Tileはユーザー数的にも数日置いておかないと検出されないような気がします。「見つかったらラッキー」ぐらいですね。
まとめ:AirTagの圧倒的な検知能力を再確認した
今回の検証でわかったのはAirTagの凄さ。落とし物をバンバン検出してくれるのは爽快感がありました。自社が築きあげたプラットフォームを活かすことでここまでできるのは非常に素晴らしいです。
一方で、Tileはトラッキング精度も頻度も良くないという結果に。AirTagほどのネットワークはないことはわかっていましたが、落とした場所も大幅にずれていたのは悪い意味で非常に驚きました。
わかりきった結果ではありましたが落とし物を探すという点ではAirTagの圧勝でした。一方で、落し物を探す勝負では惨敗したTileにはスマホを探す機能や、ストラップホールが付いていること、Androidでも使えること、安価であること、そしてカード型や粘着型など様々な形状が用意されているという魅力もあります。
どちらがいいとは一概には言えませんが、探す能力重視ならAirTag一択だと言えるでしょう。
iPhoneとTileじゃユーザー数的に相手にならんだろ
こんな出来レースの比較記事いらんわな