調査会社CounterPoint Researchは、サムスンの最新フラッグシップ機Galaxy S21シリーズに関する分析を公開し、Galaxy S21シリーズの製造コストが前世代機であるGalaxy S20シリーズよりも最大で13%も安価に抑えられていると明らかにしました。
Galaxy S20シリーズはその高価格さがゆえに販売が不調で、S21シリーズでは価格設定の見直しが必須と言われていました。
部品の内製化とスペックの弱体化でコストを削減
例えば、スタンダードモデルのGalaxy S21(8+256GB)について、部品のコストは414.7ドルと試算されています。また、Galaxy S21+(8+256GB)と合わせて、こちらは具体的なコストは明らかにされなかったものの、前世代のGalaxy S20 / S20+などと比較して12~13%のコストカットに成功していると分析しています。
大幅なコスト削減が成功した要因は、より多くの部品をサムスングループで内製化したこと、高価な機能そのものを省いたこと、そして本体に付属する標準充電器を排除したことなどが挙げられます。サムスン製SoCのExynos 2100の採用などを中心に社内製部品は今まで通りコストカットに貢献し、サムスングループ全体からの部品の提供はGalaxy S21シリーズ全体の部品コストの63%にも達したということです。
なお、日本国内で販売されているモデルのGalaxy S21シリーズにはクアルコムのSnapdragon 888が採用されており、Exynos 2100は搭載されていません。
とはいえ、やはりGalaxy S21シリーズの低価格化の一番の要因は、スタンダードモデルのGalaxy S21やGalaxy S21+を中心に、スペックの大幅な弱体化が図られたというところにあります。CounterPointは、コストカットの犠牲になった仕様として、ToFカメラの廃止、ディスプレイ画素密度の低下、RAM容量の削減などを例示しています。
最上位機種のGalaxy S21 Ultraもコストカット
売れ筋の標準モデルなどが機能削減を行い、値下げを図ったのと同様に、最上位機種たるGalaxy S21 Ultraも、多くの部品がより安価に置き換えられています。それでも、部品のコストは532.9ドルとで削減率は7%と、比較的控えめに抑えられているようです。
ほとんどの分野で数ドルずつ地道な削減が行われていますが、最も削減幅が大きかったのはRFコンポーネント(高周波部品)分野、続いてボックスコンテンツ(標準アクセサリ:付属の充電器などとみられる)です。高周波部品としては主にミリ波用のアンテナ部品を3個から2個に減らしたことが、16.7ドルの大幅なコストカットにつながっているということです。
Galaxy S Penおよびウルトラワイドバンド(UWB)のサポートに伴う接続コストが、3.6ドルの増加に影響しています。
Source:CounterPoint Research Via:phoneArena
無印とUltraそこまでコスト変わらないんだな