スマートウォッチで50%以上の市場シェアを占めているのがAppleのApple Watch。スマートフォンといえばiPhoneと言われるように、スマートウォッチといえばApple Watchという認識の人も多いと思います。
今回はそんなApple Watchの最新作であるApple Watch Series 6を1ヶ月以上使い倒したのでレビューしていこうと思います。
目次
初めてのApple Watch
まずはじめに言っておきたいのが筆者にとってApple Watch Series 6が初めてのApple Watchであるということです。
私はそもそもあまりApple Watchに興味がありませんでした。というのも角形のデザインが好きじゃないのとバッテリー持ちの問題がどうしても付きまとうだろうと思っていたからです。(初代Apple Watchが登場した頃は「MotorolaのMoto 360のほうがかっこいいじゃん」と思っていました。)
2020年になり、Apple Watchも第6世代が登場し、Appleが丸型のデザインを採用する見込みがなさそうなこと、そして何よりApple Watchでできそうなことが多く楽しそうだったため、初めてApple Watchを購入してみました。
今回のレビューは筆者がスマートウォッチデビューして感じた便利な点と微妙な点のレビューとなっており、Series 5などの前機種や競合機種との比較などはございませんのでご了承ください。
Apple Watchが便利だと感じた点
ヘルスケアのマネジメントが素晴らしい
Apple Watchの一番いいところはやはりヘルスケアマネジメントでしょう。
一番基本的な活動量計としての機能ですが、「ムーブ」、「エクササイズ」、「スタンド」の項目ごとに最初に設定した目標を達成すれば左のような通知がでます。一方で、未達成のままだと右のような通知が届き、「24分間速歩きしなさい」などとどうすればいいのか具体的な提案までしてくれます。
歩数計の精度も高く、かなり信頼できるものでしょう。
安静時心拍数よりも異常に高いと警告が出る
心拍計は定期的に動作し、24時間モニタリングしてくれます。
驚いたのが平常時よりも明らかに異常な心拍数が検出されたときはすぐに通知で知らせてくれること。私は久しぶりに公共交通機関を利用し、緊張していたときにその通知が来ました。それが最初で最後だったのですが、たしかにあのときは緊張でちょっと体調が悪くなりかけていたのですごいと感心しましたね。
当時の警告がiPhoneに記録される
この機能、どちらかというと運動時に運動し過ぎを警告するものだと思います。スポーツをよくやられている方にとってはいい機能だと思いますよ。
就寝レポートの様子、寝付けないのも2度寝したのもまるみえ
睡眠関係もバッチリです。事前に設定した就寝時刻に近づくとiPhoneの画面で「就寝時刻です」と表示されることに始まり、睡眠のトラッキングを開始し、指定した時刻に振動でアラームをし、毎朝睡眠状況をレポートをしてくれます。これがかなり便利なんですよね。
「就寝時刻です」と表示されるときはその画面を閉じなければiPhoneが操作できないようになるため寝ようという心がけができるようになるし、アラームは便利だし毎朝のレポートを見てその後の反省に活かせます。
また、iPhoneのヘルスケアアプリでレポートを確認するときにそれぞれの項目ごとに解説記事が用意されています。暇な時に目を通しておくことで健康意識が高まりますよ。
このように、ほとんど何もしていないのに自動的に体に関するアドバイスをしてくれるのはなかなか素晴らしいです。他社のスマートウォッチやスマートバンドでも同様なトラッキング機能はあるものの、ここまでユーザーに寄り添ったアドバイスをしてくれるのはApple Watchぐらいなのではないでしょうか。
Apple Payが使えるのは唯一無二
iPhoneとほとんど同じ仕様のApple Pay
Apple WatchにしかできないことといえばApple Payでしょう。
決済ができるスマートウォッチはたくさんありますが、NFC Payのみであることが多いし、GarminやwenaがSuicaに対応したといえどもあちらは定期券やオートチャージができないです。その点、Apple WatchはiDやQUICPayも使えます。
使い慣れたApple Payがそのままスマートウォッチでも利用できるのはやはり便利です。
また、良かったのがFace IDにとらわれずにApple Payが使えること。iPhoneだとFace IDでロック解除しなければApple Payが使えませんでしたが、Apple WatchはApple Payを起動するだけで使えます。コロナ時代にこそApple Watchですね。
微妙なのは左手にApple Watchを装備しているとかざしにくいこと。特に改札を通過するときは左手をひねって通過するかバックで入るかしか無いので慣れが必要です。
なお、仕様上同じSuicaをApple WatchとiPhoneに両方登録することは不可能です。どちらでも使いたい場合はそれぞれ別のSuicaを発行しなければならないことにはお気をつけください。
通知だけでなく単体で返信までできる多機能さ
多くのスマートウォッチは通知機能がついていますが、Apple Watchは通知を表示するだけでなく返信することも可能です。
例えばLINE。上がLINEの画面ですが、スタンプ、音声データ、音声認識による文章、そして予め用意された定型文などで返信をすることが可能です。特に音声認識で好きな文章が送れるのがかなり便利で、iPhoneをバッグに入れたままLINEの返信が直ぐにできるのはかなり便利だし、スマートでした。
バッテリー周りが想像以上に快適だった
充電中は簡易的な時計になる
これほど多機能だとずっとつけていたいため充電するタイミングがないのが課題になりますが、Apple Watch Series 6のバッテリー周りは意外と快適でした。というのも毎日お風呂のときに充電するだけで十分だからです。
バッテリー消費はAlways on Displayオンで一日50%、Always on Displayオフで一日40%程度で、Always on Displayオフにすれば2日は持つ印象です。どちらの場合にせよ、毎日お風呂の30分間にほぼ満充電になります。外しているときは充電する習慣さえつけていれば問題はないと思います。
また、いいと思った点が無線充電を採用していること。よくあるマグネットでパチっとつく有線充電は充電端子が肌にそのままついているのが気になるし、充電端子の位置に迷いがちですがApple Watchは無線充電だから端子がないし、背面全体にパチっとつくので自宅での充電は快適です。また、防水性に関しても精神衛生上とてもいいですね。
あまり使わなかった機能
血中酸素濃度計は目安程度か?
Appleのヘルスケア技術が詰まったApple Watch Series 6の背面
Apple Watch Series 6の目玉機能としてあげられていた血中酸素濃度計ですが、個人的にはあまり恩恵を感じませんでした。
血中酸素濃度の計測は最初は喜々としてやっていたものの測れたところでなにかあるというわけではありません。
また、他のセンサーと比べて精度が低く、制限も多い印象です。というのも血中酸素濃度の計測時は安静にする必要があり、うまく測れないことも多いのです。そのためか、Apple Watch Series 6は血中酸素濃度のモニタリングを行っており、数値が低いときには「深呼吸をしましょう」という通知が来ますが、特に呼吸が苦しいわけでもないし深呼吸しても大きな変化は感じられませんでした。
血中酸素濃度計はAppleのいうようにあくまで目安として使う機能なのだなとおもいます。
手洗いタイマーは微妙
新型コロナウイルスの影響で新たに追加された手洗いタイマーですが、これも精度が低く実用的ではありませんでした。
この機能、手洗いを検知すると自動的に20秒のタイマーがつき、15秒以上の手洗いを推奨するものですが、「あと何秒だろう」と手を洗いながら手首をひねってディスプレイを見ようとするとタイマーが止まります。
どう考えても15秒以上洗ってるのに終わらないことが多く、最近はほとんど参考にしなくなってしまいました。
Always on Displayは私には必要なかった
Apple Watch Series 6はApple Watch SEにはない常時点灯ディスプレイ(Always on Display)機能がついています。この機能は血中酸素濃度計に次ぐSeries 6を選ぶ理由のひとつなのですが、私はなくてもいいかなと感じました。理由は消費するバッテリーとできることが見合わないからです。
先述の通り、Always on Displayのオンオフでだいたいバッテリーは10%/日ほど変わります。10%は数値にしてみるとそこまで大きな値ではないものの、2日持つかどうかのラインにかぶっているのです。Always on Displayをオンにしていると万が一充電を忘れたときの2日目がかなり不安になる一方で、オフにしていれば2日目も結構安心して使えるようになります。これがかなり大きい。
それに対しての見返りは常に画面がオンになっているからより時計らしく使えることだけです。Apple Watchのセンサーはかなり優秀で時計を見ようと腕を上げる動きをするだけでしっかりと画面が点灯してくれます。唯一気になったのはベッドでゴロゴロしているときになかなか反応してくれないことですが、オンにすると代償が大きいのでまあオフでもいいかなと私は思いますよ。
PayPayは使い所がほとんどなかった
Apple WatchにPayPayが対応し、Apple Watchで非接触決済のApple PayだけでなくQRコード決済も使えると話題になりましたが、個人的にはほとんど使い所がありませんでした。
というのもPayPayが使いたいと思うお店はほとんどがユーザー読み取り式であること、QRコードコードを店舗が読み取るタイプのお店ではiDやQUICPay、Suicaに対応していることが多いから。とりあえずPayPay入れているけれども一度も使いませんでした。
不便だった点
デジタルクラウンがゆるく、音楽再生時に誤作動が多い
手袋をしているとデジタルクラウンと手袋とこすれて特に誤作動を起こしやすい印象
一番不便だった点はデジタルクラウンです。
スマートウォッチは画面が小さく、タッチで画面が見えなくなりがちですが、デジタルクラウンで画面を遮ることなくスクロールできるようになるのは素晴らしい発想ですし、便利です。しかし、このデジタルクラウンがかなりゆるく、ちょっと触れるだけで勝手に動きます。
これで困るのが音楽再生時。私はいつもSpotifyで音楽を聞いているのですが、音楽再生時のデジタルクラウンは音量に割り当てられています。手袋をしているときなどは特にApple Watchのデジタルクラウンが勝手に動き、音量が突然大きくなったり小さくなったりします。これ、かなりびっくりします。(Apple Watch本体は大音量に気をつけましょうとか警告してくるくせに!)
設定を見回してもデジタルクラウンをオフにする項目が見当たらないので解決ができません。どうにかなりませんかねこれ......
マップアプリのナビが使いにくい
Apple Watch上では純正のマップアプリでのみマップ表示とナビができます。
音声認識や高精度のコンパスも内蔵されており便利に思えるこの機能ですが、個人的には微妙に使い所がないです。
例えば近くのコンビニ行きたいとき。マップアプリで「コンビニ」で調べるか、Siriに「近くのコンビニまで案内して」というだけでいいはずなのですが、いくつかのコンビニを案内するときに地図上にいくつかピンが合ってそこから選ぶのではなく、活字で店名一覧がでてそこから選択する必要があります。これでは場合によっては目的地から逆の方向に案内される可能性もあるため、結局大画面で使いやすいiPhoneでナビをすることになります。
まぁ自宅の住所を登録して自宅までナビとか、場所の名前が一意に決まっている場合はいいのですが、画面が小さく見づらいし、手首をひねって画面を見ながら歩くのって姿勢がきついのでiPhoneを取り出してナビしたほうが早いことが多いです。面白い機能ですが、細かい仕様間で使おうという意欲を削いでくるため殆ど使わなかったですね。Google Mapsが使えるようになったらまた使ってみたいなぁ......
専用ケーブルが煩わしい
バッテリー周りは思った以上に快適だったものの、出かけるときに充電ケーブルをまとめるときに気が滅入ります。
というのもiPhoneはUSB-C to LightningでApple Watch Series 6はUSB-A to 専用充電端子です。これに加えてMagSafeも登場していますので本当に端子類がごちゃごちゃです。一企業でここまで端子が違うのはいかがなものかと......
まぁでも私愛用のAnker PowerCore FusionⅢ 5000はUSB-C×1、USB-A×1なのでiPhone 12+Apple Watch Series 6の組み合わせと相性はいいです。ただケーブルをまとめてポーチに入れるときにスマートじゃないなと感じるだけですね。
家では付属の充電ケーブルを利用し、出かけるときはこういった簡単な充電器を利用するといった運用もありかもしれませんね。
ほとんどの人はApple Watch SEで十分なはず
今年のApple Watchは上位機種のSeries 6に加えて、お手頃なApple Watch SEも登場しています。
主な違いは
- 血中酸素濃度計の有無
- Always on Displayの有無
- 急速充電の有無(1.5時間 vs 2.5時間)
あたりなのですが、個人的には前2つはそこまで必要ないと感じました。
一方で、充電に関してはお風呂の間だけの充電であっても結構ギリギリであることが多いので結構大事だと思います。
価格差が約1.5万円もあると考えるとApple Watch SEでも十分だと思います。
まとめ:Apple Watchでライフスタイルが改善する
私は長い間iPhoneユーザーでしたがいままでApple Watchは使ったことがありませんでした。Apple Watchなしでも普通に生活できますが、確実にライフオブクオリティが上がると感じました。いまやApple Watchなしの生活はちょっと厳しいかなと思うぐらいです。
特にスマートウォッチはピンきりで、ヘルスケア機能の精度が低く使い物にならない、画面やフォントが汚い、通知が届かないことがあるといった製品が多い中、Apple Watchはできることもダントツで多く品質も保証されています。
Series 6である必要は必ずしもないものの、Apple WatchはiPhoneユーザーであれば一度手を出してみるてもいいモノだとおもいます。
garminもwenaもApple Watchレベル(series3以上)に高いから外すけど、同じことできるandroidスマホメーカーのスマートウォッチなんてたくさん….
ないな。パクリにパクったOPPO Watchが結局話題にすらならない時点で、Apple Watchの凄さがなんかわかる気がする。