総務省は、docomo.ne.jp、ezweb.ne.jp、i.softbank.jpのようなキャリアメールアドレスを他のキャリア・MVNOに転出しても継続的に利用できる仕組みを構築するように業界に要請するとのことです。
現在、MNP制度により携帯電話番号はキャリア変更後も引き継げますが、キャリアメールアドレスは引き継げません。キャリアメールアドレスが引き継げないことを不便に感じてMNPをためらう消費者を無くすことで、キャリア・MVNO間の競争を促進するのが政府の狙いのようです。
総務省は10月27日(頃)を目途に、eSIM推進を含めた携帯電話料金値下げ促進のための政策を取りまとめて発表する予定のようです。
MNP促進にどこまで効果があるか
キャリアメールアドレスの維持を実現するためには、主要なキャリア・MVNOが参画して「メール転送センター」のようなものを整備する必要がありそうです。転出元のキャリアのメールサーバーに転出した消費者向けのメールが届いた場合、「メール転送センター」経由で転出先のキャリアに情報を受け渡すような仕組みの実現を目指すことになるでしょう。
キャリアメールアドレスが変更されるのが不便でこれまでMNPしなかったユーザ層の何%が、今回の施策で積極的にMNPを検討するようになるかは不透明です。
筆者は、政府が3大キャリアに圧力をかけて料金を下げさせる、というやり方は好ましくないと考えています。「キャリアメール版MNP促進」・「eSIM推進」のような競争環境を整備するのが政府の仕事だと考えています。そして、3大キャリアの料金体系がけしからんと政府が本気で思うのであれば、米政府がGoogleに対して行ったように、独禁法違反で裁判所に訴えるのが筋だと思っています。
いずれにしろ、10月27日頃に明らかになる総務省の政策に注目しましょう。
Source: 共同通信
キャリアメール使わない人が多かったとしても、実際にはMNPの障害になってるのは事実だよな