※サムネイルは筆者作成で、リーク画像とは関係ありません
アメリカのテック系ウェブメディアTechCrunchは、「信頼できるソース」からの情報として、Googleが独自のクレジットカード及びデビットカードの発行に向けて開発を進めていると報道しました。タイミングを同じくして、Google周りの情報に精通している9to5Googleからも、同様の報告が上がっています。
ライバルになるのはもちろん、Appleが発行するApple Cardです。
数点の画像がリーク、カード本体のレンダリング写真も
Techcrunchからは複数枚の画像がリークされています。例えば、以下の画像はカード情報を閲覧するアプリのスクリーンショットです。TechCrunchは、「これはおそらくGoogle Payアプリの一部の機能として提供されるのではないか」と予測しています。
画像を見ても分かるように、このカードはプリペイドタイプのVISAデビットカードです。決済履歴が画面下にずらりと並び、利用した店舗の情報もGoogleマップ等その他Googleサービスとの連携で俯瞰できるようです。
そしてもう一つが、カード本体のデザイン案とみられるレンダリング画像です。いかにもAppleカードを彷彿とさせるシルバーのシンプルなデザインですが、ところどころにGoogleらしいカラフルな装飾も見受けられます。
最新のGoogle Chromeビルドからもそれらしき文言が
一方、9to5Googleは最新のGoogle ChromeのビルドからGoogle発行のクレジットカードに関係しそうな文言を発見しました。
Chromeで試験段階の機能についての設定が行える、chrome://fragsページから新たに見つかった項目では、「Google発行のカード」が触れられています。
Enable Autofill Google-issued card
When enabled, Google-issued cards will be available in the autofill suggestions
#autofill-enable-google-issued-card
(以下拙訳)
Google発行のカードの自動入力を有効にする
有効にすると、Google発行のカードが自動入力候補で利用可能になります。
#自動入力有効 - Google発行のカード
Chromeを利用している場合は、実際にchrome://fragsにアクセスして確認することが可能なはずですが、現状で一般向けに公開されているバージョンでは未だ実装されていないようです。
「フィンテック企業としての」Google
日本で提供されている、Apple CardやGoogle Card(?)と同様のサービスといえば、Kyash(VISAブランド)やLINE Payカード(VISA or JCBブランド)が有名です。これらのサービスはスマホのアプリをサービスの中心に置くことで、電子的に様々な機能を利用することが出来ます。Apple Cardのような、主張しすぎないシンプルなカードデザインも人気です。
Apple Cardではゴールドマン・サックスグループとの提携でマスターカードブランドのカードが提供されてきましたが、GoogleのカードはVISAブランドのようです(先のスクリーンショットを参照)。提携先金融機関は、アメリカ有数の規模をもつシティバンクや、シリコンバレーの地でスタンフォード大生に金融サービスを提供するスタンフォード連邦信用組合などが挙げられています。
昨年11月、Googleはウォール・ストリート・ジャーナルの取材に回答し、来年にもGoogleが預金機能をもった金融サービスを開始しようとしていることを明らかにしました。これらも、先程挙げた2つの金融機関と提携して提供されるといいます。
金融サービスは、お金そのものを扱うだけにその収入もとても大きい事業です。Apple Cardは既に世界のカード取引高の5%を占めており、予測では2024には10%にも達するだろうと言われています。Appleがこれにより得ている利益も莫大なものでしょう。Googleは同じの市場を狙っているのです。
個人的には、テック企業が金融事業に参入して成功した例として日本のソニーグループを挙げたいところです。ご存知の方も多いでしょうが、詳しくはぜひ調べてみてください。
Source:Techcrunch,9to5Google
やっぱデザインにセンスが出るよね。